【社員インタビュー vol.1 社長:大野敬太】「色からモノを好きになる」を世の中のスタンダードへ
プロフィール
大野敬太(オオノケイタ)
1985年5月9日、神戸市生まれ。高校卒業後、中国に留学。絵を描いていたことから、アートやファッションへ興味を持つ。帰国後、関西大学文学部に入学し、神戸にある古着屋で販売職・バイヤー・店長に従事。卒業後は株式会社博報堂で営業職を経験。その後いくつかの企業でマーケティングや広報、事業戦略を担当し、2013年に株式会社IROYAを設立。毎月テーマカラーを設定するセレクトショップ「IROZA」や、オムニチャネル支援サービス「monopos」を展開。
https://iroza.jp/https://www.monopos.jp/
多様化する社会の中で、ファッションをいかに楽しむかを考えた
—ファッションに携わりたいと思ったキッカケはなんですか?
大学在学中に働いていた古着屋で、自分でブランドを立ち上げて、デザインから販売までチャレンジできる機会があったんです。そのとき、街中で自分がデザインしたTシャツを着ている人を見たり、雑誌に紹介されて感動したのが、自分のファッションの原体験です。それでなんらかの形でファッションに携わっていきたいな、と思いました。
—大学生でそんな経験ができるってすごく貴重ですね。
そうなんです。大学にいる時間よりも働いているほうが長かったかもしれません(笑)。ただ、「アパレル業界は下り坂」と言われている時代。大学を卒業してから、自分がファッション業界に対してなにができるのかを真剣に模索するうちに、「モノ」以外を売るビジネスにヒントがあるのではないかと考えるようになりました。
—それで広告代理店に。
はい。広告代理店では、営業としてたまたま大手ファッションECの担当をしたんです。そのときの経験は今でもすごく役に立っています。大きな会社で広告のことを学んだので、次は全く違う業界や、職種を経験しようと思いました。
—さまざまな業種にチャレンジしていますね。
中国法人設立や、新規サービスの開発、ベンチャーキャピタルでファイナンスなど幅広く経験しました。2013年10月に株式会社IROYAを設立したのですが、今思えば起業に必要な基礎を学ぶことができたと感じています。
モノが溢れる時代だからこそのサービス
—なぜ「色」を切り口しようと考えたんですか?
今のファッションって昔ほど個性を打ち出さない傾向にありますよね。安いからとか、ここのブランドはちょうどいいとか、「なんとなく好き」で服を買う。でもそれって面白くないじゃないですか。みんなにも僕と同じように、もっと純粋な「好き」でファッションを選んでもらいたいと思いました。僕自身、ファッションがすごく好きなので。そこで誰しもが共感できる「色」という最大公約数で、ブランドネームや価格を取っ払おう!と考えました。そうして生まれたのがIROYAです。
—確かに服を選ぶときに「色」は必ず気にしますよね。
色が可愛くて手にとって、新しいブランドと出会えたり、今まで挑戦しなかった色を着てみたら、意外と似合うとほめられたり。新しい出会いでその人のライフスタイルをより豊かにしたいんです。多様化する社会の中で、自分の好きなものを見つけるのってすごく難しい。そのサポートができたらと思っています。
—会社を設立して4年目ですね。今はどのような取り組みに力を入れていますか?
設立当初と変わらず「色」の切り口は変えていないです。今は人もどんどん増えてきて、事業内容も多様化してきました。その代表的な事例が雑誌「&Premium」や「NYLON JAPAN」との取り組みや、メンズブランド《deadman》との提携です。IROYAで考えると、「&Premium」や《deadman》も一つの色。一見全く趣向の違うブランドですが、IROYAが2つをつなぐことによって、消費者に新しい出会いを与えることができるかもしれない。そう考えて、新しい事例にどんどん挑戦しています。
—事業を進める過程で、新しい発見はありましたか?
今まで、流行を科学した人はいないんですよ、実は。そこで僕たちがやってる「色」のデータを集計したら、流行を科学できるかもしれない、と考えて、毎月マンスリーカラーを設定しています。ある種の社会実験ですね。昨年から筑波大学と、購買データとカラートレンド、色彩心理を組み合わせたレコメンデーション機能開発に向けて、共同研究にも取り組んでいます。もし流行を解析できたら、いろんな可能性が広がります。すごく楽しみですね。
感性でモノを好きになるって素敵で楽しい
-新しい仲間も増えているそうですが、IROYAにはどんな仲間がいるんですか?
個性的な人が本当に多いですね。最終面接は僕が担当しているので、そういう人に惹かれるんでしょうね。社長としてはまとめるのが大変な時もありますけど……楽しいです(笑)。
—仕事の進め方はどんな感じでしょうか?
各々がセルフスターターの気持ちで、責任を持って取り組んでくれています。責任は大きいかもしれませんが、そのぶんチャンスもあります。みんなで新しい事業アイデアを考えて、どんどんチャレンジしていきたいですね。そういう人がたくさん仲間になってくれたら、もっと楽しい会社になっていくと思います。
—最後に今後の目標を教えてください!
まだまだ社会的には「色」からモノを選ぶ、という考えが定着していないので、それを世の中のスタンダードにしたいですね。デジタルとリアルを融合させていくことで、ファッションへの感度をもっと高めたいです。感性で、モノを好きになるってすごく素敵。そこの手助けができるシステムやサービスを作っていけたらな、と考えています。
取材・撮影:佐藤帆奈美