2024年4月、自動売買型の資産運用サービス『トライオート』の新たなラインアップ『トライオートCFD』がリリースされました。株価指数を対象とした店頭CFD取引のサービスで、日経平均株価やダウ平均、ナスダック100といった株価指数をFX取引と同じスタイルで売買できるようになりました。いずれはあらゆるアセットクラスを取り扱うプラットフォームへと進化するトライオート。新サービスの特徴や今後の展望について、プロダクトオーナーを務める綿引 耕一郎氏に話を聞きました。前編・後編の2回にわたってお届けします。

≪前編≫はこちら

執行役員 兼 ディーリング部長
綿引 耕一郎

≪後編≫

トライオートをNISAの次の選択肢に。マルチアセットで資産運用をサポート

―今年は歴史的な円安や日銀の利上げなどFXで大きなニュースがあり、その中での新サービスのリリースとなりました。

トライオートCFDをリリースした4月以降は大きく進む円安や日銀の為替介入に日本中の投資家が翻弄されていました。相場も大きく変動しFXの取引が非常に増えました。当社もお客様のサポートなど対応に追われていましたし、お客様もFX取引が中心となり積極的にCFDをはじめることが難しい環境であったと思います。

ただ、本来はこのようなときにマルチアセットが強みを発揮します。為替で相場が予想しづらいときに、ほかのアセットクラスで取引することができます。多様な投資機会を提供することはお客様のメリットになりますし、マルチアセットの有効性を理解してもらうことが多くのお客様の利用につながると考えています。

―株価指数CFDのマーケット自体は広がっていますか。

広がっていますね。FXはいろいろな会社が参入することでマーケット全体が大きくなりました。株価指数CFDも今まさに、いろいろなFX会社、証券会社が手掛け始めている段階です。各社がプロモーションしてどんどん世の中に情報が増えていくので、情報量に伴ってマーケットは大きくなっていきます。

昨年からは新NISA（※）の影響が大きく、日本で投資の裾野が広がっている実感はあります。今は投資への関心が広がってきたところで、大事なのはこの次です。NISAを入口として資産形成に関心を持ち、では次にどこへ行くか。私たちは資金効率の高いFXやCFDというデリバティブ取引で多くの方の資産運用の選択肢になりたいと考えています。

※注記：新NISAとは。2024年1月1日に改正された少額投資非課税制度。旧来のNISAから非課税期間の無期限化、非課税上限額の拡大などが実施された。

NISAなど積立投資は、値上がりすると資産の評価額は増えますが、実際は売却するまで利益は確定しません。一方、トライオートは自動売買によって毎日利益を確定させることも可能であり、それが可視化されていて、「今日もいくら利益が出たな」など利益を実感できることは日常の投資における楽しみになると思います。スマホアプリの運用成績カレンダーは毎日の収支を簡単に確認できるようになっており、お客様からもご好評いただいています。SNS投稿機能もあるので、お友達と共有することでより楽しめるようになっています。

―NISAで投資に関心を持った人の次の投資先というポジションニングを狙うということですね。 

NISAで積立投資をやる人が増えてきても、その次にいきなりFXやCFDの裁量取引をやってみようとはなかなかならないと思います。裁量取引はいわばトレーディングでありほったらかしの運用とは大きな違いがあります。NISAで投資に興味を持ち始めた方と裁量取引、この二つの間にあるのがトライオートです。トライオートでは取引ルールをえらぶだけで簡単に始めることができ、相場動向やニュースを逐一追わなくても、定期的に運用状況をチェックすることで続けられます。実際、FXの経験がなくトライオートでFXを始めたという株式投資家のお客様も多くいらっしゃいます。

今トライオートを使っていただいているユーザーの方は、大きくは2パターン、投資経験のライトな層とヘビーな層に分かれると思います。ライトな層はトライオートが用意している取引ルールの中からえらんで自動売買の運用をされているお客様。ルールをえらぶだけで自動売買してくれるならできそうだ。そうやってトライオートでFXやETFをされているお客様は、同じ自動売買の仕組みでできる株価指数CFDに比較的抵抗なく運用を広げていただけるのではないかと考えています。

 ※注記：トライオートでは運用のルールをえらんで、すぐに取引を始められることができます。詳しくは下記のセレクト機能の紹介ページをご覧ください。

もう一つが投資の知識があり取引経験も豊富なヘビーな層。FXなどの裁量取引もかなりやってきて、自分の中である程度の売買のルールが決まっており相場の予想もできる。これを自動化してくれるツールとしてトライオートを選んでいただいているお客様です。こういったお客様はご自身で取引ルールを作成し、取引の執行の部分だけを自動で繰り返しやりたいというニーズがあります。

お客様の数としてはやはりライト層の方々が圧倒的に多いので、さらに多くのお客様に使っていただくためには誰にとっても簡単にはじめられるサービスにしていかないといけません。そのためにはCFDもFXなどと同様にマーケティングと一体となって運用の提案を展開していくことが必要になると考えています。

一方でヘビー層の方たちには、シミュレーション機能など細かい設定ができるところを評価していただいています。相場の予想に加えて、利益を出す戦略をどう組むかという腕を磨かれています。こうした上級者が作成したルールをトライオートの中で共有して全てのお客様が使えるようにしたビルダーズシェアも利用者が大きく伸びています。

※注記：自分で取引ルールをつくって自動売買をすることもできます。詳しくは下記のビルダー機能の紹介ページをご覧ください。

サービスを創る楽しさを日常的に感じられる会社。「次」への挑戦は始まっている

―トライオートをさらに広めていくための課題、組織に必要な機能は何ですか。

サービスの開発においてより素早くお客様の要求を実装できる体制を整えたいと思っています。従来のFXやETF、新サービスのCFDを含めてトライオートは、これまで安定稼働させるためにしっかりとつくり込むことに重点を置いてきました。ここからはスピードを上げてサービスの改善を行っていくフェーズです。

トライオートの取引サポートしお客様の声を聞くCS（カスタマーサービス）部門、サービスをつくるシステム部門、それをお客様に届けるマーケティング部門。さらに利用していただくサービスをつくるために、求められるものを正しく作り、わかりやすく届けることにこれまで以上に注力していきます。良いサービスをつくっても多くの人に知っていただかなければ、使ってもらえません。インヴァスト証券の役職員一同で取り組んでいきます。

―ご応募いただく方に伝えたいインヴァスト証券の魅力は何ですか。

サービスを創る楽しさを日常的に感じられる会社だと思います。つい先日も、若手メンバーと雑談をしていたとき、「最近、こんな話を聞いてこういった機能があるといいと思ったんですよね」といった話が出てきました。ちょうどサービス開発においても課題感を持っていたので、「それいいね」と言ってすぐに開発の部門に話をして進めたことがありました。

あとからそのメンバーが「自分のアイデアが反映されてすごく嬉しかった」と言っていたと聞きました。自分も過去に同様の経験をしたことがいまプロダクトの仕事に繋がっていると思いますし、社員誰にでもそのような機会がある会社です。

―そのなかで綿引さんの果たすべき役割は何でしょうか。

会社のミッション「デリバティブとテクノロジーで資産運用の未来をつくる」にある通り、トライオートは資金効率の高いデリバティブ取引で資産運用の道を提案するユニークなサービスです。CFDをラインナップに加えてかねてから構想しているマルチアセット化に向けて進んでいます。システムの全面刷新やCFDリリースと、サービスのリニューアルが続けてきた成果が出てきているところで次の挑戦ができる状況になってきました。サービスをさらに広めるためのマーケティングを強化するとともに、継続的な改善を加えて、プロダクトとしてその先へと行きます。ミッションと向き合いできることとやるべきことを考え、進むべき方向性を示すことがプロダクトオーナーである自分の最大の役割だと考えています。

―ありがとうございます。資産運用にどんな未来が待っているのか楽しみです。

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