こんにちは、inaho広報の中嶋です。
今回は、異業種から農業界に飛び込んだinahoのCOO・久米田さんと、農業参入支援事業責任者の玉井さんによる対談記事をお届けします!
お二人は、デジタルマーケティング大手・オプトの元同期。
それぞれ農業とは異なる業界で経営者としてトップを走ってきたお二人が、いまやinahoの経営メンバーとして農業の最前線で活躍されています。
「農業には興味があるけれど、実際に働くイメージが湧かない」
「未経験からチャレンジするのは不安」
このような思いをお持ちの方に向けて、異業種からの転職のリアルや、inahoというフィールドの可能性について語っていただきました。
この記事が、農業がもっと身近でワクワクする選択肢に感じられるきっかけになれば幸いです。
ぜひご一読ください。
<対談者プロフィール>
久米田 晶亮/Shosuke Kumeda 執行役員COO
2008年、デジタルマーケ大手の㈱オプトに新卒入社。2014年に子会社の㈱コネクトムを創業し、代表取締役として経営全般を管掌。有店舗事業者向けのDX支援・SaaS事業等を展開。2022年にナイル㈱に入社、執行役員として車サブスク事業130名を管掌し2023年末IPO貢献。自身の経験を、もっとダイレクトに社会課題解決へ還元したい想いを抱き、2024年7月にinaho㈱入社。
玉井 恒佑/Kosuke Tamai 社長室/農業参入支援事業責任者
2008年、株式会社オプトへ新卒入社。その後、子会社のベンチャー企業へ出向し、WEBコンサルティング業務に従事。のべ400-500サイトのコンサル実績。2013年、株式会社プラスクラスに創業メンバーとしてジョイン。2016年にプラスクラス・スポーツ・インキュベーション株式会社を設立し、経営メンバーとして160を超える日本のプロスポーツチーム/団体へのファンマーケティング、企業へのスポンサーマーケティング支援に従事。農業界の課題解決をすべく、2025年2月からinahoへジョイン。
目次
inahoとの出会いと入社の決め手
ワクワク9割でいい。農業界未経験でも飛び込めた理由
「問題発見力」と「課題解決力」業界問わずこの二つに帰結する
相手をリスペクトし苦手なことを補完しあえる組織
「この人と一緒に挑戦したい」そう思える代表菱木の存在
持続可能な農業の未来を牽引する存在を目指すinaho
農業の常識を変え、農業という巨大市場に本気で挑む
目指すのは、将来なりたい職業1位=農業従事者
最後に、農業界に興味はあるが一歩踏み出せない人へメッセージをお願いします!
久米田さん・玉井さんありがとうございました!
inahoとの出会いと入社の決め手
ー久米田さんと玉井さんは新卒で入社したオプトの同期と伺いました。それぞれどのような経緯でinahoに入社することになったのですか?
inahoにご入社後の久米田さんと玉井さん
久米田:
私は、人材紹介会社経由でinahoを知りました。
転職活動では農業に限らず、社会課題を解決する事業を展開している企業という軸で、医療や外国人労働者支援、研究DXなどさまざまな領域を見ていました。
中でも惹かれたのが、“身近さ”という観点です。inahoの一次産業の課題に真正面から取り組む事業内容は、自分にとって身近でフィット感がありました。
玉井:
僕も久米田さんと同様、社会課題の解決には昔から関心がありました。
前職のスポーツ業界の領域でも、競技人口が減っていく中で、子どもたちが輝ける場をつくりたいという想いがあって会社を立ち上げました。
なので、農業に強いこだわりがあったわけではないけれど、身近な「食」というテーマには、すごく自然に惹かれていました。
そのような中、転職のために色々な企業を見始めようと思った矢先、久米田さんに誘われ、迷わず「ここだ」と決めました。
スポーツ業界時代の玉井さん
ー迷わずinahoへのご入社を決められたのですね!他の企業と比較検討はされなかったのですか?
玉井:
僕は直感タイプで、「いいな」と思ったら、検討もせず決める性格です。(笑)
比較検討せず決めたのは、“絶対値”として良いと思えたからです。
他と比べて良い悪いじゃなく、自分の中に”絶対値(大切にしている軸)”があり、inahoは超えていたので断る理由がありませんでした。他社と比較検討しているうちにinahoに入社する機会を失うようなことはしたくないと思ったんです。
久米田:
玉井さんがそういうタイプだということは、以前からよく知っていました。
だからこそ魅力を感じていましたし、いつか一緒に働きたいという想いも強く持っていました。同期ではありましたが、実はこれまで直接一緒に仕事をする機会はなかったんです。
玉井さんと比べて、私は全く逆のタイプだと思います。inahoに入る時、様々な軸でかなり比較検討しましたね。
0→1と1→10フェーズの企業どちらも経験した中で、楽しいと感じたのはやはり0→1フェーズでした。なので、0→1フェーズの会社にこだわって探していた中で、inahoの「今、本当に困っている感」に対して、自分のこれまで培ったスキルが最もフィットすると感じました。何より代表の菱木さんが困っていて、そこに自分が加わる意味があると思った。それが一番の決め手です。
ー即断した玉井さんと、徹底的に比較検討した久米田さん。アプローチは正反対でも、inahoというフィールドに可能性を感じた点は共通していたのですね。
ワクワク9割でいい。農業界未経験でも飛び込めた理由
ーお二人は農業界に入ることに対して不安はありましたか?
玉井:
正直、不安は一ミリもなかったです。(笑)
業界や会社に対する不安というより、どちらかと言うと、自分に対して「本当にやれるのかな?」という内向きな不安はありました。でも、業界のことについて調べるうちに「自分のバリューが発揮できる」と感じましたし、チャレンジしたいという気持ちが強かったので、不安よりも前向きな気持ちの方が大きかったですね。
「知らないから不安」って、実は「知らないからワクワク」でもあると思っていて、知らなかった農業の世界を知ることで、自分にどんな武器が増えるかを想像するとワクワクしました。
久米田:
ワクワク感によって会社を選べるのは、玉井さんの良いところだと思います。直感を信じて行動できるというのは強みですよね。
玉井:
もちろん、ただワクワクを感じるだけではなく、自分がその組織にどう還元できるかを考えることは必要だと思っています。
7〜8割くらいは自分のこれまでの経験をどう還元していくか、残りの2〜3割はワクワクでした。
でも僕は、若い人はワクワク9割くらいでもいいと思っています。
知らないことに対する不安はあるけれど、ワクワク感だけで飛び込むのも立派な理由の一つです。「農業界未経験だけどやってみたい・頑張ってみたい・楽しそう」という気持ちでトライしてくれる方は、inahoでは大歓迎です。
久米田:
私もやはり「知らないこと」「知らない人」に対する不安は、並べたらたくさんありました。でもそれでやっぱりやめようとは思わなかったです。
やっちゃえ!という思いの方が勝っていました。
オランダでの実証実験の様子
ーなぜやっちゃえ!と思えたのでしょうか?
久米田:
農業の知識もなければ、生産の経験もない。でも、それって別に農業に限った話ではないと思っています。どんな仕事だって、最初は知らないことだらけです。
実際には、「事業を立ち上げる」という意味での不安は全くありませんでした。むしろ、自分の経験をどこまで活かせるかということにワクワクしていました。
広告業界にいた時は、営業担当として化粧品を担当した後に金融を担当するなど、あらゆる業界をまたいで担当が変わることは当たり前でした。その度にその業界について調べて、仮説を立てて、提案する。今inahoでやっていることも、それと本質的には変わらないと思っています。これまで培ったビジネススキルを十分に活かすことができる業界だと思ったからこそ不安はあまりなく飛び込めたのかもしれません。勿論、農業経験があることは大切なので、そういう経験もできる環境にしていくだけです。
「問題発見力」と「課題解決力」業界問わずこの二つに帰結する
ー農業界でも活かすことができたビジネススキルとは、具体的にどのようなスキルでしょうか?
久米田:
私が大事にしているのは、「問題発見力」と「課題解決力」です。結局、ビジネスはこの二つに尽きると思っています。
誰に対して、どんな価値を提供するのか。お客様が本当に求めているものは何か。その解像度を上げて、仮説を立てては検証し…という地道な繰り返しを続けていくことで、やがて本質的な価値が届けられるようになると考えています。
ビジネスの現場には、問題発見や課題解決のためのフレームワークがいくつもあります。僕自身、若い頃はそれを“当てはめる”ことで満足していた時期もありました。
でも今は、それを単なる評論で終わらせず、実務の中でどう活かすかまで落とし込み、結果を出せるようになりました。
それって意外とできていない人が多いと感じています。だからこそ、自分がinahoに提供できている価値のひとつだと自負しています。
アスパラガスサミット2024の様子
玉井:
「問題発見力」と「課題解決力」。まさにその通りだと思いますね。
実際、企業がぶつかる問題の多くは、「人・モノ・カネ・情報」のどれかに集約されます。
それは広告業界でも、スポーツ業界でも、そして今取り組んでいる農業の現場でも、本質的には同じだと感じています。だからこそ、業界が変わっても培ってきたスキルや経験は十分に活かせるし、通用するという実感があります。
相手をリスペクトし苦手なことを補完しあえる組織
ーinahoの組織には、どんな特徴がありますか?
久米田:
自分ができること・できないことを理解している人が多い印象があります。
理解した上で、自分ができないことができる人をリスペクトして補完しあいながらチームを創ることに振り切っていると思います。
実は私自身、「自分にできないことを認める」ということに、かなり苦労したタイプです。「自分でもできるんじゃないか?」と思って挑んでみたものの、結局できなくて諦めて...そんな経験を繰り返してきました。でもその失敗した経験があるからこそ、自分にできること・できないことを受け入れることの大切さが分かるし、仲間の強みを素直にリスペクトできるinahoのカルチャーに魅力を感じています。
inaho社宅での様子
玉井:
「受け入れている」という表現が、まさにしっくりくる気がします。
自分の不得意な部分を認め、その分を補ってくれる仲間の存在を素直に受け入れる。それが、若い人や農業未経験の人にとっても、inahoが入りやすい環境になっている理由のひとつだと思います。
そうした文化が根付いている背景には、やはり代表の菱木さんのスタンスが大きく影響していると思います。
「この人と一緒に挑戦したい」そう思える代表菱木の存在
ーお二人からみて代表の菱木さんはどんな方ですか?
久米田:
代表の菱木さんも、圧倒的な強みと弱点がはっきりしているタイプで、だからこそ自分が補完したいと思えるし、「この人と一緒にやりたい」と心の底から思えました。
自分が「いい」と思った人を、菱木さんが「もっといい」と評価してくれる感覚もありますね。何を良しとするかの価値観や、美学みたいなものが近いのかもしれません。
それに、代表が菱木さんじゃなかったら、今のメンバーにはなっていなかったと思います。
今のinahoのフェーズでこれだけの強い経営メンバーを揃える意思決定をするというのは、普通はなかなかできることではないです。私は一人で決めるとしたらここまでの意思決定はしない。でも、それを「良し」として突き進める菱木さんの姿勢を見て、自分もそれを信じ実行しようと思えたんです。
玉井:
「俺が社長だから偉い」といった態度は全くなくて、むしろ立場を超えてフラットに接してくれる人です。「一緒に大きいことやろうよ!」と、真っ先に先頭に立ち、みんなの背中を押してくれるようなタイプだと思っていて、トップダウンではなく、仲間として同じ目線で未来を描こうとしてくれます。
だからこそ、こちらも遠慮なく意見を言えるし、自然と「この人と一緒に挑戦したい」と思えます。
久米田:
本当にそうですね。社長にもいろんなタイプがいるけれど、「大きいことを成し遂げたい」という一点に全力を注ぐことができる経営者は稀有だと思います。私もそこに引っ張られている感覚があります。
玉井:
僕もそこにロマンをすごく感じています。「でかいことやろうよ」と本気で言ってくれる人のもとに、異業種から様々なスキルを持った人たちが集結して、今のinahoというチームができあがっています。
持続可能な農業の未来を牽引する存在を目指すinaho
ー 持続可能な農業という大きなビジョンに向かって、inahoはどんな手応えを感じながら進んでいるのでしょうか?
久米田:
これまで約8年間、自動収穫ロボットの研究開発に取り組んできたことで、inahoには確かな技術力と現場で培ったノウハウが蓄積されています。これは大きな強みです。
ただ、それ以上に感じたのは「農業界がまだ成熟しきっていない領域」であるということです。農業分野は、技術やビジネスのスタンダードがこれから何段階も革新されていくフェーズにあり、一方で、まだ革新を生み出すような経営・思想が行き届いていない現場が多くあります。
だからこそ、自分たちのこれまで他業界で培ってきたスキルや知見を用いてバリューを発揮しやすく、実際に手応えのある変化を起こしていけると確信しました。
そういった観点で、ビジネス・テクノロジー問わず強みを培った人材が大きな活躍をできるフィールドとして、とても可能性に満ちていると思います。
玉井:
農業は今まさに変革期を迎えようとしているタイミングですよね。
これまで長く続いてきた「ゲームのルール」が変わり始めていて、スマート農業の登場によって、新たな価値基準やビジネスの形が生まれつつあります。
だからこそ、この“新しいゲーム”が本格的に始まったとき、先を見据えて積み重ねてきた自動収穫ロボットなどを中心としたinahoの技術が、ゲームチェンジャーとして市場を牽引していけると確信しています。
ー目の前の農業の課題に向き合いつつ、訪れる農業の変革期に備えて着実に準備も進めているということですね。
最新型のトマト自動収穫ロボット
農業の常識を変え、農業という巨大市場に本気で挑む
ーinahoで今後やりたいことや挑戦したいことはありますか?
玉井:
農業界が経済的にしっかり儲かっていて、inahoのサービスが世の中にたくさん出ていて、関わる人たちや地域など世の中全体が豊かになっている状態をつくりたいです。
その結果、「農業界は給料が低い」というイメージを覆すことができたら理想ですね。inahoがそれを牽引するような存在になりたいです。新卒から年収1,000万円超えのプレーヤーがいたって全然いいのでは?と本気で思っています。
久米田:
いいですね。私は、「大きなことをしたい、なんなら歴史にinahoの名が残ることをしたい」と思っています。
これまでのキャリアでも、常に「大きなこと」に挑むことを意識してきました。マーケティング関連の事業をつくっている時も、自動車産業に関わった経験も、いずれもその事業が対象とする産業・市場規模の大きさが一つのモチベーションになっていました。
一方で、スタートアップ×巨大マーケットは、経営が上手く行かないと事業が小さくなりがちです。小さくどう生き抜こうかと・・・。
良し悪しの話ではないですが、私は、農業という巨大な産業の中で本気で世界を変えるような大きな挑戦をし続けたいと思っています。過去の経験からも、とんでもなく難しいことはわかっていますが、私はこういうことにしか強い関心が持てないようです。(笑)
玉井:
僕たちは、「経済的価値」だけでなく、それを土台にしながら社会的な意味も含めた“総合的な価値”を高めていこうとしているんじゃないかと思っています。
もちろん、経済的な価値を上げることは前提です。もし隣の市場の方が3倍大きくて、給与も高ければ、そちらに人が集まっていくのは自然なことです。
それでもinahoのような場所に集まってくる人たちは、「経済的価値が低いからやらない」と判断するんじゃなくて、「なぜ今は価値が低いのか?」と問い直し、その中にこそ可能性を感じているからだと思います。現在の農業界の経済合理性だけに惹かれていたら、ここには僕も久米田もいないはずです。
目指すのは、将来なりたい職業1位=農業従事者
ー 農業ってものすごくポテンシャルのある分野なんですね。
久米田:
本当にそうですね。
これはまだ、私が勝手に考えていることに過ぎないですが、inahoとして目指したいのは、「将来なりたい職業No.1=農業従事者」という社会です。
毎日当たり前にご飯を食べているのに、「自分で野菜を作ろう」と思う人はごく少数です。
「好きなことを仕事に」という言葉はよく聞くのに、「食べることが好き」=「農業をやりたい」とはならない人が多い印象です。なぜか農業だけはその枠から外れてしまっているように感じます。農業が“例外”であるこの状況を、私たちは変えていきたいです。
玉井:
「食」に関わる仕事というと、まず思い浮かべるのは飲食店やカフェの経営など、いわゆる“三次産業”ですよね。
でもその一方で、「野菜や米を育てる人になりたい」「加工食品の現場で働きたい」といった“一次産業”や“二次産業”への関心は、なぜか極端に少ないです。
その理由はシンプルで、「知らない」し、「遠い存在」だからだと思います。
実際の現場や人の姿が見えづらく、関わる機会もあまりありません。その結果として、無意識のうちに私たちは“遠ざけて”しまっている人も多いのではないでしょうか?
だからこそ、農業従事者が“憧れの職業”になるような未来を、僕たちの手でつくっていきたいと思っています。
ー異業界から農業界に入った二人だからこその視点ですね。
inahoの自社圃場での様子
最後に、農業界に興味はあるが一歩踏み出せない人へメッセージをお願いします!
玉井:
「楽しそうだな」って思ってくれたら、後はあまり重く考えなくて大丈夫です。“チャレンジ”って言うと構えてしまいがちですが、最初は“ちょっとトライしてみる”くらいの気持ちでいいと思います。
「ちゃんとやらなきゃ」と悩む前に、まずはやってみましょう!やっていく中で、きっと自信はついていきます。inahoで過ごす時間は、きっとこれからのキャリアの“宝”になると本気で思っています。
久米田:
inahoには、本気で世界を目指せるチームがあります。一歩踏み出せば、挑戦できる環境があり、それを全力で支える経営陣もいます。
私たちと一緒に、持続可能な農業の未来をつくりませんか?
目指すは、農業界の国内トップ5ではなく世界一です。
久米田さん・玉井さんありがとうございました!
異業種で経営を経験してきたお二人が、それぞれの価値観やキャリアを持ち寄り、「農業」というフィールドに本気で挑んでいる姿に、私自身も改めてinahoでつくる農業の未来に可能性を感じました。
農業未経験でも、安心して飛び込んできてください!
inahoは、そんな一歩を歓迎し、支え合えるチームと環境がある会社です。
この記事が、農業やinahoへの興味のきっかけとなれば嬉しいです。
ご興味を持っていただけた方は、ぜひ一度カジュアルにお話ししてみませんか?
最後までお読みいただきありがとうございました。