デザインレビューを受けるのが怖い、自分が作ったデザインにダメ出しされるのが辛い、という声をよく聞きます。実際、私は初めてデザインレビューを受けた日、とても痺れたのを覚えています。振り出しに戻り、なかなか前に進まないことに悶々としていた時もありました。。。
よくある解決策として、「目的は品質を品質を上げることで、決して人格否定ではない。デザインレビューや、デザインをより良くするために客観的な意見を取り入れられる機会だ」という内容を目にします。これを知ってから怖くはなくなった気がしてます。
でもやっぱり辛いものは辛い
とはいえ、いくら解決策を知ったって、やっぱり辛いものは辛いのです。では、私たちはどうすればいいのでしょうか?自分が作ったものに対してはっきりとフィードバックがくる環境は変わりません。この辛さから逃れることは出来なかったとして、なんとかその痛みを和らげることはできないのでしょうか?
そもそもなぜレビューやデザイン批評は辛いのか
丹精込めて考えたものに何か言われるのは、自分の考え方に決定的な欠落があるような気がしてしまいます。特に私が感じていた辛さとして、レビュワーが見えてるものや理想としていることに到達できていないというのがありました。ただ、この悶々とした気持ちは成果物そのものに対しての関心からうまれるものではないのです。レビューでのコミュニケーションによって自分の中で生まれ、どんどん膨らんでいるものなのです。
なぜこの辛さが生まれ、自分の中で膨らんでしまうのかを考えているうちに、レビューという行為に隠れた特徴があることに気づきました。
レビューは答え合わせではない
レビューで自分と相手の理想に差があったり、相手が考えているものに到達できないと、どうしても「合っていなかった」という気持ちになってしまいます。しかし、レビューは答え合わせの場ではないのです。例えば同じ映画を見ていても、人によって感動する場面が異なったりします。目が変われば見え方や感じ方が変わります。レビューによって自分とは違う意見が挙がってくるのは仕方のないことなのです。
誰にも正解はわからない
プロとしてそのスタンスどうなの?と思われるかもしれませんが、デザインという領域はいろいろな要素が相対的で、白黒はっきりつけられない特性があります。レビュワーも共有されたデザインを客観的につつ、その時に気づいたことを言ってることもあります。全ての意見が的外れであるということでは決してありません。ただ、確実な意見は存在しないのです。
後出しの方がどうしたって強く見えてしまう
例えばジャンケン。先にグーを出したら、相手はパーを出すと必ず勝てますよね。3つの選択肢から1つが消えている状態なので、選択肢が2つになり、その中から勝つほうを選べば良いです。
デザインレビューも同じように考えられるのではないでしょうか。たくさんのスタイルがある中で、ある1つのスタイルを作成し、レビューをお願いする。レビュワーがレビューをするときは、目の前にあるスタイルは選択肢から外れています。なので、自然とレビュワーの方が視野が広くなり、有利になる可能性の方が高くなります。
レビューの事実と自分の気持ちを切り分ける技術が必要
レビューは良いものを作るための建設的なやりとりですが、レビューという行為に隠れた特徴によって、自分の中で気持ち的な負荷が生まれてしまいます。そのため、事実と気持ちとをうまく切り分けてやっていく技術が必要だと考えています。
一度見て、少し時間を空けてまた読む
これは個人的にやっている方法なのですが、レビューのコメントを見てからすぐに作業に取り掛からないようにしています。コメント内容を見てすぐに修正作業に取り掛かろうとすると、自分の気持ちが混ざった状態で進めてしまうからです。
まずは一度コメント見て内容をざざっと把握し、少し時間をおいて自分の感情を落ち着かせます。この時は、自分の気持ちに蓋をせず、もう存分に落ち込みます。「また振り出しに戻って辛いな〜」など自分の気持ちを真っ直ぐに受け止めています。
そうすることで、もう一度コメントと見る時には、レビュー内容を大体把握してるので、心構えを持ってコメントを読めます。このメリットとして、すでに自分の気持ちには折り合いがついているので、書かれてる事実と修正の方向性にフォーカスできます。
デザイナーはひとりで戦っているわけではない
最後に伝えたいのは「決して一人で戦っているわけではない」ということです。レビューを受けられるということは、自分以外のメンバーがいる、チームで動いている証です。絶対な正解がない環境の中では、いろんな視点を取り入れてより良いものを作っていくしかないのかもしれません。
なんだかありきたりな言葉になってしまいましたが、これを読んで少しでも辛さが和らいでもらえたなら、この上なく嬉しいです!
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