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鉄塔の寿命は50年。つまり50年先のビジネスまで見えています。

今回は当IT事業部というよりも、富山本社のビジネスに視点を変えてご紹介します。
富山本社が行っているのは、北陸電力管轄地域で鉄塔を建てて送電線を張る建設工事です。

さて、鉄塔の耐用年数は何年くらいかご存じでしょうか。

鉄塔の寿命は大体50年から60年と言われています。現在の送電線工事(正式名称は架空送電線路建設工事)は新規で鉄塔を建てる工事は比較的数が少なく、耐用年数を越えた鉄塔の建て替え工事が多くなっています。
日本国内に存在する鉄塔は約24万基ですが、そのうち約3万基の鉄塔が耐用年数を経過しています。
また、国内の送電線の長さの合計は約9万kmあり、これは地球を2周するほどの長さとなります。送電線の耐用年数も同じく約50年から60年と言われており、こちらも当然張替える必要があります。
送電線工事は、どうしても鉄塔の組み立てに目が行きますが、実は送電線を張る架線工事や基礎工事の難易度が高く、技術者の腕の見せ所となるのです。

一方で鉄塔の組立工事や架線工事をする高所作業員は全国に約5,500人存在していますが、少子高齢化が進んだ今、技術者の育成が大きな課題となっています。当然技術者の数は全く足りておらず、例えば関西電力の管轄地域での鉄塔立替えの平均実績は102基程度(H26年~28年実績)ですが、施工力向上を図って170基/年程度の立て替えを目指しているものの、全設備を改修するにはこのペースで約185年かかる計算になります。
つまり、かなり先のビジネスまで見えている特殊な業界であり、人材の確保と業務効率化が非常に重要なのです。

仮に年間に受注する工事が鉄塔10基として、もし10%の業務効率化を実現できたなら11基目の受注が可能となるわけで、大きく利益率が改善します。
鉄塔の建て替えは、今ある鉄塔の近くに工事用地を確保し、資機材を工事現場まで運ぶ運搬路などを作ることから始まります。山岳地に建設する場合は、運搬用道路を作れない場所に索道を架設したり、運搬用のモノレールを作ったりするなど、大規模な仮設工事が必要になることがあります。
このようにかなり大規模な工事となるため、例えば事前に工事車両をどう入れて、ヘリコプターの荷下ろし場をどこに作るか、現場は更地の状態ですから鉄塔が立ったらどうなるのかなどをARやVRをつかってシミュレートできるなら大幅な効率化が可能なのです。
また、2022年以降はドローンの大型化が予定されていますが、山の奥が現場となる送電線工事において物流ドローンへの期待は大きく、架線工事や点検業務などを含めてドローン活用したIoT関連のソリューションが現場に投入されていく予定となっています。

また人材育成が急務であるこの業界において、技術継承や安全対策におけるeラーニングの効果は大きく、実際の現場では年に1回くらいしか体験できない作業も、好きな時間にスマートフォンで勉強ができるようになるのです。

このように送電線工事における業務効率化の可能性は大きく、私たちIT事業部が貢献できる範囲も広いのです。
また、このように非常に安定した富山本社の経営基盤を持つ当IT事業部は、目先の資金繰りを気にすることなく長期的な視野に立って投資ができる、ありがたい環境であるという話でした。

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