1
/
5

“バズーカップアナウンサー”別府彩が「タレントキャリアアドバイザー」になった理由。〜元女子アナのセカンドキャリアストーリー〜



1, 日本初!?「タレントキャリアアドバイザー」とは?

この度「タレントキャリアアドバイザー」に就任しました、別府彩です。
どうぞよろしくお願いいたします。

まず、私の肩書である「タレントキャリアアドバイザー」についてご説明します。
キャリアコンサルタントは国家資格にもなっているので、みなさんご存知だと思います。
どんな職業を選択するか、継続的なキャリア構築の設計を一緒に考えたり、そのためのスキルアップについてアドバイスをしたりする仕事です。

「タレントキャリアアドバイザー」は俳優やアイドル、芸人、アナウンサーなど芸能界・メディアに出る仕事をしている方たちに特化してキャリアコンサルタントがやるようなことを行います。

アドバイスするなんて、なんだか偉そうな肩書でむず痒い感じもしていますが、他人の人生に少しでも影響を与えるという役割ですから、そのプレッシャーを自分に課すためにも、この肩書を背負って全力で取り組んでいきたいと思っています。


2, フリーの女子アナが「タレントキャリアアドバイザー」に就任した理由。

私自身、大学卒業後の10数年間、フリーアナウンサーをしていたのですが、30代に入って仕事が先細りになり、止むを得ずに転職活動をして会社員になったという経験をしています。
今は、この仕事を楽しんでいますし、こういう環境にいられることをとても幸せだと思っています。
ただ、フリーアナウンサーから一般企業へ就職をした時はそれなりに苦労もしました。
テレビ局やラジオ局のアナウンサーならまた違うのかもしれませんが、私は会社勤めの経験もほとんどありませんでしたし、そもそも30歳を過ぎて一般企業に入って自分に何ができるのか、イメージがまったくできませんでした。

今も芸能の仕事をしながら、もっと売れたいと頑張っている方たちのなかには将来の人生やキャリアのことで悩んでいる方たちも少なくないと思うんです。
不安に感じながらも、芸能の仕事をしているうちは目の前の1本の仕事を掴むことに必死で、他のキャリアを模索するための行動を起こすことが難しいのは、私自身も経験してきたことです。

だからこそ、そういった方たちの力に少しでもなれたらいいな、という私の思いがありました。

弊社の代表である山本は、エイスリーを立ち上げる前に大手芸能事務所でマネージャーをしていた経験がありました。そこで、事務所に所属しながらも仕事が減っていき、その結果事務所を退職していくタレントの姿も見てきました。

山本の経験と私の思いが重なって生まれたのが「タレントキャリアアドバイザー」です。


3, 憧れのバラエティ番組出演。でも、結局売れなかったフリー女子アナの末路。

私の学生時代は、女性アナウンサーが「女子アナ」と呼ばれるようになり、タレントのように活躍していた、まさに女子アナ黄金期でした。
かなりミーハーな気持ち一本で、私も女子アナになりたい!とテレビ局の採用試験を受けましたが、ことごとく不採用。当たり前ですよね(笑)
でもその夢は捨てきれず、フリーアナウンサーとして、20代は主に公営競技であるオートレースの中継番組のリポーターや番組アシスタントの仕事や、イベントMC、ビジネス展示会の企業ブースナレーターなどをやっていました。


2007年オートレース中継番組アシスタント時代


31歳のときに「週刊ポスト」のグラビア担当の方に声をかけていただき、年末年始合併号でグラビアデビューをすることになりました。
それが少しだけ世間で話題になって、写真集とDVDも出させていただきました。
当時、グラビアはあくまでグラビアアイドルの方たちの仕事で、アナウンサーが水着や下着姿で肌を晒すということはかなり珍しい時代でした。
とても勇気のいる決断でしたが、これをきっかけに仕事のフィールドを広げる事ができるかもしれない、これは神様がくれたチャンスだと思い、勇気を振り絞ってチャレンジしました。
女子アナが下着姿のグラビア写真集を出すというのは、私が初めてだったのではないでしょうか?

そんな物珍しさも手伝ってか、グラビアデビューをきっかけにホリプロに所属させていただくことになりました。
ホリプロは力のある大手事務所だし、これで「アッコにおまかせ!」に出られる!くらいに軽く考えていました(笑)
実際はホリプロ全体でも数百人のタレントが所属していますし、芸能界は事務所に入ったからといってすぐに仕事が降ってくるような、そんなに甘い世界ではありません。
それでも、担当していただいたマネージャーのお陰で、割とすぐにレギュラーのお仕事をいただくことができました。
あの「踊る!さんま御殿!!」(日本テレビ)にも“グラビアをやる女子アナ”としてトークゲストで出演させていただきました。
今となっては、本当に夢のような貴重な思い出です。

当時、超人気番組だったおバカタレントが活躍する某クイズ番組のオーディションに参加させていただくなど一通りのチャンスはいただいたのですが、結果を出せないまま時間だけが経ち、参加させていただけるオーディションの数も減っていきました。

当時33歳になろうというタイミングで、このままではフリーアナウンサーとしては食べていけない…と焦るばかりでした。
仕事は少ないのに、家賃、光熱費、携帯代と出費ばかりで、お金は減る一方でした。
焦りに伴って、メンタルもどんどん落ち込んでいきました。

ある時、その状況を見るに見かねた母が「アナウンサーではない仕事も考えてみたら?」と言ってくれたんです。30代にもなって本当に情けない話です。

金銭的にもメンタル的にも、背に腹は変えられない状況にまで追い込まれていたのでもう迷っている時間はありませんでした。
とはいえ、転職することを仲の良い友人にすら相談ができませんでした。
今考えればつまらないプライドだと思うのですが、仕事がうまく行っていないという弱みを見せられず強がっていたのだと思います。


4, 33歳、人生で初めての就職活動。会社員になってぶつかった壁。

転職を誰にも相談できないまま、どんな会社なら受け入れてくれるかという視点で求人情報を探しました。ネットで検索した求人を見て履歴書を送りまくりました。
その結果、ほぼ返答すらもらえませんでした。人材派遣会社は登録することも受け入れてくれませんでした。
確かに、出演したテレビ番組やグラビア週刊誌の名前が羅列されている経歴書を人事の方が見ても、女子アナが履歴書を送ってきたという物珍しさだけで、採用しようというイメージは浮かばないですよね。

そんな状況のなかで1社だけ面接に呼んでいただいて、2回の面接の後に内定をいただきました。
住宅メーカーのカタログやリーフレットを作っている会社で、コピーライターの募集でした。
私はアナウンサーとして生放送を多く経験してきたので、その場でアドリブで話したり、簡単な台本を書くこともありました。また、オートレースの仕事でスポーツ新聞にコラムを書かせていただく経験もしていました。文章を書くことならできるかもしれないと思って応募した求人でした。
その会社はイベントの制作や運営もやっていたので、イベント現場のMCとして私を活用できる点がマッチしたとのことでした。
ただ、それ以外の業務については私が役にたつのか未知数の状態での採用だったと思います。

コピーライターとして文章を書いたり構成を作るのがメインの業務で、週末はイベントに出てMCをして…という生活がしばらく続きました。
実際に業務に携わってみると、自分のやりたいことや強みが見えてくるようになり、改めて転職を考えるようになりました。

2度目の転職活動でイベント人材のキャスティングをしている会社に巡り会い、転職しました。
ただ、実際に入社してからは想像以上に苦戦を強いられました。
派遣するイベントスタッフのお給料管理やシフト管理などの細かい作業があり、それまで実務ではほとんど使ったことのないEXCELの作業に手間取り、ミスを繰り返しました。

単純に私のスキルと性格の問題なのですが、そのことで10歳も年下の上司に叱られる毎日が続きました。30代半ばでそんな基本的なことで注意を受けるのはなかなか辛いものです。
しかし、20代で就職すれば当たり前に学べることを、私はやってこなかったのだから今やるしかないと自分に言い聞かせながら仕事をしていました。

社長を始め、上司や会社の仲間が色々なことを教えてくださったことに、今は本当に感謝しています。


5, 近年のタレントのキャリアの変化。兼業農家ならぬ兼業タレントが増加中。

私がエイスリーに入社したのが2020年2月。
入社から程なくしてパンデミックで日本でも緊急事態宣言が出され、それまでの世の中と大きく状況が変わりました。
舞台やライブが中止になり、テレビ番組も出演者を減らしたり、ロケが無くなったりしてタレントの仕事が大幅に減りました。

エイスリーは広告・プロモーションのキャスティングを生業としており、多くの芸能事務所やタレント、アスリートの方たちとお仕事をさせていただいています。
こういった世の情勢が彼らに与える影響を痛いほど目の当たりにして、売れっ子の方たちであっても芸能の仕事が不安定なものであることを改めて感じました。
私がまだフリーアナウンサーやタレントをしていたら、どんな状況だっただろうということも想像しました。

パンデミックの影響だけではありませんが、この数年で、タレントのキャリアというものが大きく変わってきています。
芸人から司会やコメンテーターへ転身していくといったように、芸能界の中でのキャリアチェンジは以前からありましたが、近年は芸人をやりながら企業の社員として働いたり、医師の資格を持った芸人や企業の研究員も努めるアナウンサーなど、異職種の掛け合わせで活躍のフィールドを広げている方が増えてきています。

タレントは個々に素晴らしい才能を持っています。才能があるからタレントなのです。
しかし、実際は芸能界の仕事だけで一生稼いでいくのは本当に難しいことです。
才能がありながらも運に味方されず、出演の機会が少ないという方も少なくありません。

彼らの才能を活かすフィールドが芸能界だけではもったいないと思いませんか?
タレントの活動のフィールドを広げていけば、本人にとっても世の中にとってもプラスの効果がたくさんあると思うのです。

そこで、私たちが掲げたビジョンが「タレントの才能をビジネスに活かす」。

しかし、自らその道を切り開ける方ばかりではありません。
今、世の中には転職エージェントやキャリアコンサルタントといったサービスがあふれていて、キャリアに悩んだり、もっと成長したいと思ったとき、そういったサービスを利用することができます。
ただ、タレントのキャリア、すなわち芸能の仕事での出演経験や実績の裏に隠れているスキルや彼らのポテンシャルはなかなか見えにくいものです。

実際に私の転職経験のなかで、自分のスキルでビジネスに活かせるものがあるということに気づけず、どんな仕事に就いたらいいのかすらわかりませんでした。
レジュメというものをどうやって書いたらいいのかも知りませんでした。
当時は相談する相手もいませんでした。

タレントが抱えているこのような課題を解決する「タレントキャリアエージェント」があって、そこにはタレントのキャリアを紐解き、ビジネスに活かせるスキルに転換するための「タレントキャリアアドバイザー」がいれば…。


そうすればタレントだけでなく、採用をする企業にとっても、そして人材不足という社会問題にも貢献できるのではないかと思うのです。


6, 「タレントキャリアエージェント」のサービスとは?

まず、私たちはパラレルキャリアやセカンドキャリアを実現しているタレントの方たちにお話を聞くことにしました。
なぜ新たなキャリアを構築しようと考えたのか、そして転職活動で経験したこと、実際に働いてみて感じたことなど、時間をかけてお話を伺いインタビュー記事として発信しています。

タレントのキャリア特集 | エンタメ人コラム
https://entamejin.com/column/archives/category/talentcareer


パラレルキャリア、セカンドキャリアを検討しているタレントの方から直接お話を伺い、今後どんなキャリアを作っていくのか一緒に考えるような場も設けています。
エイスリーには一般の方の人材紹介サービスもあり、実績のあるキャリアカウンセラーもおりますので、客観的な意見をもらってアドバイスとしてお伝えすることもできます。

また企業様にもお話を持ちかけ、タレントの採用メリットなど一緒に取り組み解決できることがないかなどのお話しをし、マッチングに繋げています。

タレントの採用は、場合によっては、一般的な人材採用よりも多くのメリットが生まれる可能性がありますが双方の理解がなければ最大効果は得られないからです。
ここの部分は、私たちエイスリーにしかできない重要なポイントだと思っています。

さらに、いま進めようとしている取り組みとしては、タレントの企業での就業体験やリスキリング。


企業での就業経験のないタレントにとって、企業で働くイメージを明確に持ってもらうことにより、自身のキャリアについて考えるきっかけになったり、就業後にマイナスのギャップが生まれないようにする必要があると思っています。
また、採用企業サイドにとってもタレントに自社で働いてもらうイメージや制度づくりに役立てる事ができます。
リスキリングはいま経済産業省の推進もあり、話題にもなっています。
現役のビジネスパーソンが学び直しをすることで新たなキャリアを形成していくことが目的とされていますがタレントも同様にプラスのスキルを得ることで、やりたいことを実現できる可能性が広げられるので、そういった学びの情報を提供したり、学びの場を作ることをしていきたいと思っています。


7, 私たち「タレントキャリアエージェント」が目指す未来。

タレントがパラレルキャリア、セカンドキャリアに興味を持つきっかけは様々だと思います。
アスリートの場合は種目によって異なりますが、体力的、精神的な選手寿命が必ずどこかでやってきます。そのタイミングがセカンドキャリアへの転換期という意味で割と明確です。

しかし、タレントの場合は、芸能の仕事がうまくいかないから別のキャリアを考えるという、やや後ろ向きなイメージが一般的にはあるかもしれません。
私自身のきっかけは、フリーアナウンサーの仕事で将来に行き詰まって、というネガティブなものでした。確かにそういう方も少なくありません。

しかし、タレントとしての仕事が充実していながらも、もっとフィールドを広げていきたいと考える方や芸能以外の仕事にもチャレンジしてみたい、という前向きな思考でいる方もたくさんいます。一般的にもパラレルキャリアが推進される世の中ですから、そういった傾向はこれからもより進んでいくと考えています。

タレントでありながら企業で働いたり、自分で起業するなどビジネスパーソンとして活躍する。
タレントでありながら、新しいことを学び、知識やスキルを手にする。
こうしてパラレルキャリア、セカンドキャリアを実現することで、その本人の人生が充実していくこと、そしてその周りの方たちや社会全体が豊かになっていくこと、それが私たちの目指す未来です。

エイスリーのミッションである「世界の“才能”をつなぐプロフェッショナル」として、いつも私たちをエンターテイメントの世界で楽しませてくれるタレントの方たちの未来を、サポートしていきたいと考えています。



<< エイスリーについてさらに知りたい方は、以下も要チェック! >>

エイスリー代表の志に迫る「世界の才能をつなぐプロフェッショナルを目指す」 | エイスリーで働く、あんな人やこんな人
エイスリー 代表取締役 山本 直樹 高校卒業後、ベーシストを目指して上京。音大を卒業後、パイオニアLDC(現NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン合同会社)で宣伝プロモーター、ホリプロでアーティストマネージャーを担当。その後デジタル領域に可能性を見出し、DGメディアマーケティングへ。2008年にエイスリーを設立。 ― ...
https://www.wantedly.com/companies/herocasting/post_articles/442891
競合他社からやってきた4人組がエイスリーを初めて語る | エイスリーで働く、あんな人やこんな人
後発参入でありながら、キャスティング事業を拡大し続けてきたエイスリー。 そんなエイスリーについて、競合他社でキャスティングディレクターを務め、エイスリーへ転職してきた4名が、あれやこれやと語ります! 人物紹介 ...
https://www.wantedly.com/companies/herocasting/post_articles/331532
エンタメ特化M&A仲介事業の責任者が重視すること、「徹底的な顧客への寄り添いは御用聞きではない」 | エイスリーで働く、あんな人やこんな人
冠 幸之介(かんむり こうのすけ) 大学卒業後、日用品メーカー営業に従事。次に広告代理店にて、営業/プロデューサー兼ディレクターとして勤務。その後、税理士法人系M&Aブティックにて、M&Aアドバイザーに従事。現在は株式会社エイスリーで、エンタメ業界特化型M&A仲介サービスの責任者を務め、戦略立案・管理・M&A実務実行まで、一貫して担当。 ― エイスリー入社の経緯をお伺いさせてください。 ...
https://www.wantedly.com/companies/herocasting/post_articles/460360
Invitation from 株式会社エイスリー
If this story triggered your interest, have a chat with the team?
株式会社エイスリー's job postings
3 Likes
3 Likes

Weekly ranking

Show other rankings
Like Aya Beppu's Story
Let Aya Beppu's company know you're interested in their content