「一歩踏み出すことで、見える世界が変わる」
35か国を旅した経験から、子どもたちの「世界を広げる」教育へ。
今回お話を伺ったのは、新規校舎「フリースクールAIS 門前仲町校」の校舎長を務める日下部さん。
これまで4社でさまざまな仕事を経験し、バックパッカーとして約1年間、35か国を旅した経験も持っています。
そんな日下部さんが、なぜ教育の道へ進み、今は子どもたちと向き合っているのでしょうか。
――これまで、どんなキャリアを歩んできたんですか?
最初は航空貨物の会社、その後は営業の仕事をしていました。
もともと「いつか自分のお店を持ちたい」という思いがあって、バックパッカーとして約1年間、35か国を旅したんです。
現地の人と一緒にお酒を飲んだり、いろいろな国の文化に触れたり。
日本で当たり前だと思っていたことが、海外では全然違う。
いろいろな価値観に触れたことで、自分の世界がすごく広がりました。
その後は和食の世界で修業をし、父が経営する蕎麦屋でも働きました。
振り返ってみると、かなりいろいろな経験をしてきたと思います。
――そこから、なぜ教育の仕事に?
海外で働くことにも興味があったので、バックパッカーをしている間に、海外の小学校を見に行ったり、現地の子どもたちと遊んだりしていました。
そこで感じたのが、「人とのつながりの中で、子どもたちと関わることって面白いな」ということでした。
ただ、当時から「勉強を教えること」に強く興味があったわけではありません。
その子が知らない世界を知ったり、将来の選択肢を広げたり、
そういう部分に関われることに興味があったんです。
花まるでは、勉強だけではなく、思考力を育てたり、野外体験をしたりします。
授業やさまざまな体験を通して、自分が見てきた世界や感じてきたことを、子どもたちに伝えられるかもしれない。
そう思ったことが、教育につながっていったきっかけです。
――花まるに入社して15年目になるんですね。
最初は2011年の7月に、アルバイトとして入りました。
海外で子どもたちを見てきたからこそ、日本の子どもたちを見て感じたこともありました。
海外では、公園で子どもたちが集まって遊んでいる姿をよく見ました。
一方で日本では、子どもたちが集まっていてもゲームをしていたり、どこか活気がないように感じることがあった。
「これから日本をつくっていく子どもたちは、大丈夫かな?」
そんなことを考えたのを覚えています。
普段の子どもたちとの会話の中でも、海外で感じたことを話すことがあります。
「外国ではこんなことがあったよ」と伝えると、
「人によって違うのは当たり前なんだ」
「日本だけで考えていたけど、実際に見てみると違うんだ」
と、新しい視点を持つことにも繋がっていきます。
国語の授業の中でも、読解問題でそんな話をすることもあります。
――苦労したことは?
子どもたちや保護者の方との関わりはもちろんですが、社員との関わりや育成も、難しさを感じた部分です。
自分とは違う世代の人たちのことを、もっと知ろうとしておけばよかったなと思います。
「自分はこうだから」と相手の気持ちを決めつけていたわけではありませんが、もっと相手の立場に立って考えられたら、声のかけ方や伝え方も変えられたと思います。
人によって、必要な情報を簡潔に伝えたほうがいい場合もあれば、時間をかけて丁寧に伝えたほうがいい場合もある。
その人に合わせた伝え方を考えることは、今でも難しいですが、だからこそ学び続けています。
――この仕事のやりがいは?
やっぱり、人の成長に関われること。
そして、その成長を実際に見ることができることです。
子どもたちだけではありません。
一緒に働く社員が成長していく姿を見ることも、大きなやりがいです。
保護者の方との関わりでも、最初は「この子はこういう子なんです」と決めつけていた方が、いろいろな事例をお伝えしたり、面談を重ねたりする中で、子どもの見方が変わっていくことがあります。
人が変わっていく瞬間に関われることは、この仕事の大きな魅力だと思います。
――新しい校舎を、どんな場所にしていきたいですか?
まずは、子どもたちや保護者の方が「ここに来たいな」「楽しみだな」と思える校舎にしたいです。
そのうえで、ここに通う子どもたちが、自分のやりたいことに思い切り没頭できる場所にしたい。
フリースクールなどに来る子の中には、何か問題があるから来るという見方をされることもあります。
でも、そうではなくて、その子が「自分はこれが楽しい」「これは得意」と思えるものを見つけて、そこをどんどん伸ばしていける。
そんな場所にしたいと思っています。
全員が何でもできる、突き抜けた人になる必要はありません。
それぞれに興味や関心があって、それぞれに得意なことがある。
「自分は今、何をやりたいのか」
「何をしているときが楽しいのか」
そこを大切にしてほしいです。
そして、社会に出たときに、自分のやりたいことを自分で選び、自分の力で実現できる人になってほしいと思っています。
――最後に、就職活動をしている大学生へメッセージをお願いします。
「今までと同じことをやっていたら、今までと同じ人生になる」
これは仕事に限ったことではないと思います。
「自分はどうしたいんだろう」と考えて、必要なら環境を変えてみる。
まずは一歩、踏み出してみる。
もし、どうしたらいいのかわからなかったら、いろいろな経験をしている人に聞いてみればいい。
花まるには、先輩・後輩に関係なく、いろいろな経験をしている人がいます。
自分一人で答えを出さなくてもいいんです。
いろいろな人の話を聞いて、自分の世界を広げてみてください。
私自身も、35か国を旅したことや、これまでのさまざまな仕事を経験したことで、今の自分があります。
皆さんが一歩踏み出すためのお手伝いができたら嬉しいです。