1
/
5

エネルギー問題を解消したい。 電気の新しい使い方を技術でサポートするBizDev

Nature社員のインタビューシリーズ。今回はBizDevを担当する海原に、入社の経緯や現在の業務、会社への想いを聞きました。

海原 拓朗 / Takuro Umihara (BizDev)
高専で情報工学、大学で電気電子工学(パワーエレクトロニクス)を専攻。新卒でABB日本ベーレー株式会社に入社し、エンジニアとして電力業界向けソフトウェアの国内ローカライズ業務とプロジェクト遂行に従事。2021年5月にNature株式会社へ入社してからはBizDevとCSを掛け持ち、同年10月よりBizDevを専業。文部科学省トビタテ!留学JAPAN 大学8期生。

ーー海原さんのこれまでの経歴を見ると、エネルギー業界に軸足を置かれていますが、昔から業界に興味を持っていたのですか?

今日のように電気やエネルギーに興味を持つまでに、色々な変遷があるのですが、幼い頃はゲームを作ることが夢で、情報工学を学ぶために必死で勉強し高専に入りました。
しかし、いざ夢見ていた高専に合格すると、張り詰めていた糸が切れるような、ある種燃え尽きるような感覚に苛まれました。また、時を同じくして東日本大震災が起きたことも重なり、自分の価値観に大きな変化が生じ、「本当にやりたかったことはゲーム開発なのだろうか?」と自問自答する日々が続きました。

そんなモラトリアムな数年間を過ごしていたのですが、卒業研究で取り組んだ、センサーで点字を読み取って発話するウェアラブルデバイスの開発がきっかけとなり福祉工学に興味を持ちました。私は長野県出身なのですが、家族や身の回りのご年配の方が急坂を登ったり雪かきをしたりする様子を日頃から見てきたので、幼い頃から福祉への関心はありました。
そこで、福祉課題の解決のためにはハードウェアとソフトウェアどちらもわかるエンジニアにならねばと思い立ち、大学では電気電子工学を専攻しました。

ーー福祉課題に関心を持ち、そこからエネルギーの世界に飛び込んでいったきっかけはなんだったのでしょうか?

福祉がきっかけで学び始めた電気でしたが、学んでいく中で電力やエネルギー問題の大きさに対して、課題解決のために技術開発に従事する人が圧倒的に少ないと感じるようになりました。それから自分自身でエネルギー問題解消のための技術を開発したいと思い、パワーエレクトロニクスの研究室を選び、電気自動車のバッテリー制御に関する研究に取り組みました。

また、持続可能性の考え方にも共感していて、Three Pillarsの環境の柱がずっとないがしろにされてきたということや、私の子、孫世代はどんな気候の元で暮らすことになるのかの検証結果などを知るにつれ、気候変動対策は急務だと考えるようになりました。


研究活動の傍ら、海外のエネルギー問題の情勢や取り組みを広く学びたいと思い、香港とアメリカに留学しました。香港理工大学の研究所ではバッテリー制御の研究インターンシップで技術開発を経験し、残りの期間はカリフォルニア州の州立大学で環境科学を学びながら、持続可能なキャンパスの仕組みを作る大学組織でボランティアをしました。

カリフォルニアは、当時いち早く州の電力を2045年までにカーボンニュートラルを実現する方針を掲げていた環境政策の先進地域だったため、州としての対策とその地域に住んでいる人々の意識を調べに行く目的がありました。
カリフォルニアは気候変動の影響を特に受けやすい地域の一つですが、留学中に住んでいた場所の200kmほど北で、カリフォルニアの歴史の中で最も被害が大きかったと言われている山火事「Camp Fire」が起こりました。
煙が南下して街を覆い、大学や街が2週間クローズしました。この経験は、気候変動問題への対応の遅れが私たちに与える影響を肌で感じさせるとともに、生涯エネルギー業界に従事したいと強く思わせる出来事となりました。

その後、新卒ではスイスの重電メーカーABBの国内グループ会社に入社し、新規事業として仮想発電所(VPP)ソフトウェアを日本向けにローカライズして提供するなどの仕事をしていました。既存事業の日本中の発電所の安定運用を支える事業にも関わることができ、電力の安定供給に資する仕事に始めに従事できたことは貴重な経験でした。

ただ、2020年からコロナ禍で身動きがとれなかったことや、刻一刻と迫る気候変動への危機感が募りました。私のモットーは「そのとき自分にできる最大の一歩を歩む」ことなのですが、次は電気事業者の立場から新しい技術を社会実装していち早くお客様に届けることがその時にとれる最善の策だなと思い、今年の5月にNatureへ入社しました。

ーーエネルギー課題への想いが人一倍強い海原さんですが、様々な企業の中で、どうしてNatureを選んだのですか?

Natureに入社する決め手となったのは、代表の塩出との面接で聞いた「ユーザーに近い位置でイノベーションは起きていくんだ」という話をしたことですね。
Nature RemoとNatureスマート電気で、ユーザーに対して新しい電気の利用方法を提唱し、ミッションやコンセプトを知ったユーザー自身の意識や行動変容を促すことで、快適に電気が利用できるようNatureが技術でサポートする。このようなアプローチでエネルギー問題を解消する試みは非常に意義があると同時に、私自信がこの技術をどこまで育てられるか挑戦してみたいなと思いました。
役割としては、電力ドメインの知見があることを生かす方が今のNatureへ貢献できるかなと考えてたので、エンジニアではなく、BizDevとCSを掛け持つという立場で入社しました。

ーーBizDevとCSの掛け持ちということですが、どのような業務をしていますか?

Natureの電力事業を拡大するために必要な仕事を幅広く取り組んでいます。
BizDevでは、Nature Remoを用いてNatureスマート電気のユーザーに節電を促すデマンドレスポンスの、サービス立ち上げとマネジメントを担当しました。
また、HEMSのNature Remo Eから新しいエネルギー機器を操作できるようにするため、両者の通信プロトコルであるECHONET Liteの認証を追加で取得する仕事をエンジニアと一緒に行いました。最近は、Nature Remo Eを使ってエネルギー機器のデータを取得して活用したい法人のお客様のニーズに応えるために、APIの利用における契約やアライアンスの推進をしています。


Natureとして新たに加入した、REAPという小売電気事業の事業連合の定例会への参加もその1つです。多くの事業者様と情報共有やエネルギー制度の議論をする場となっており、小売電気事業に参入して日の長い事業者様の知見を伺うことができとても勉強になっています。
また、その中の分科会としてZ世代の会が立ち上がり、若手で電力事業に関心を持つ人が集まって、若い世代の中で何ができるか考えて実行しようと意気込んでいます。エネルギーや気候変動の問題について、解決策の方法 (How) について議論ができる若手の集まりは非常に重要だと思います。次世代の電力システムのあるべき姿や、いかにエネルギーシフトを推し進めつつ電気を安定的に供給するかの施策なども話し合える場になるのではないかと期待しています。

これらと並行してCSの一員として、日々、製品の仕様とお客様のニーズを理解することにも取り組んでいます。

ーー特に印象に残っている業務を教えてください。

入社して間もなく立ち上げたデマンドレスポンスサービスの「テクノロジーでラクラク節電キャンペーン」ですね。ローンチまで2ヶ月しかない中で、Natureスマート電気のサービス特性を理解し、その中で適切に設計された企画の立ち上げを並行してやらなければなりませんでした。
入社後の挨拶回りもそこそこに、早速ミーティングで要件整理を行いながら、分からないことが出てくる度に、Slackで質問して逐次解決していきました。
スタートアップでの仕事のスピードは覚悟していましたが、これほどまでに進むのかと面食らった一方で、やりたかった業務を自分が想定していた以上に裁量を持って担当させてもらえたことにも驚きました。

最終的にリリースの日時が当初の想定より少し後ろに倒れてしまったのですが、この時に同僚から「よくあることだよ」とフォローをしてもらえたのは、ありがたかったですね。心理的安全性がとても保たれている組織だと思います。

ーーデマンドレスポンスのキャンペーンは具体的にどのような取り組みですか?

Natureスマート電気は「電力の平準化」ができることがコンセプトの1つですが、市場連動型のプランではなく、固定単価型のプランをご利用いただいている方にとっては、需給ひっ迫具合に応じて節電いただくことへのメリットを提供できていませんでした。
そこで、このキャンペーンでは需給ひっ迫具合の高いタイミングで節電することに対してインセンティブを用意して、電力需要を調整してもらうデマンドレスポンスの仕組みを用意しました。

これにより、お客様には太陽光や風力で発電した変動電源を最大限に使っていただけますし、長期的な目でみてクリーンエネルギーシフトに寄与すると考えています。微力ながら仕事を通じてNatureの事業とお客様の電気の利用方法をより良い形にできたことは、やりがいにつながっています。


ーー先ほど心理的安全性の話がありましたが、海原さんからみてNatureはどんな組織ですか?

毎朝、チームで他愛もない話を交えながら今日やることを話す朝会があるのですが、ほぼリモートワークになっている中でも、その時間でメンバーについて知ることができます。それが結果として、仕事上のコミュニケーションのしやすさに繋がっているのでとても良い取り組みだと思っています。小さな組織だからこその工夫があり、チームの仲の良さや事業の成功に役立っていると思います。

ーーでは、海原さんからみたNatureの課題を教えてください。

やりたくても人手が足りなくてできないことがあるというところですね。現状30人規模の会社なので、やりたいけどまだできていないことが山積みされています。
今お客様にお届けできているNatureのサービスは完成形ではなくて、その裏で既存製品やサービスを育てる仕事や新製品の開発する仕事などがたくさんあることが入社してよくわかりました。みなさんぜひご一緒にNatureのやりたいことリストを実現させていきませんか?積極採用中です!

ーー今後Natureで挑戦したいことを教えてください。

個人的には、エネルギーの安定供給や変動電源の最大限の利用に向けて、小売電気事業やIoTデバイスのメーカーという立場から新しく取り組めることがまだまだあるのではないかと思っています。
家庭用の太陽光発電システムをお持ちのお客様に対しては最大限自家消費してもらうことを仕組み化する、変動電源を最大限利用できる電源メニューを新たに提供する、小売の売上が直接変動電源の追加開発に資するような仕組みを作るなど、やりたいことが多々あります。

特にこれから変動電源がたくさん電力系統に繋がるようになると、より細やかに電力需要量と供給量の一致(計画値同時同量)を達成しなければならない世の中になるので、Natureが持つIoT技術で細やかなデマンドレスポンスをする仕組みと需要予測とを組み合わせて計画値同時同量を追求して、より最適に電気を使える仕組みを整えたいという思いはありますね。

加えて今はBizDevという立場で電力事業の拡大のために働いていますが、ゆくゆくはエンジニアに近い立場で技術力をつけていきたいです。

ーーNatureに向いているのはどんな人だと思いますか?

前例のない仕事でも能動的に試行錯誤できる方、やってやろうという気概のある方が今のフェーズのNatureで働くには向いていると思いますね。私も慣れない事業開発の仕事をする中で失敗することもありますが、何かテーマを持って業務に取り組めばその意図を組んだフィードバックをもらえるので、自身のスキルアップの機会になっているなと感じています。
また、Natureはこれからのエネルギーシフトに必要なコア技術を持っている会社ですので、エネルギー問題に関心のある方やテクノロジーを社会実装して既存の電力システムを変えていくことに興味のある方も、ぜひNatureで一緒に働きましょう!

_______________________________

Natureは電力市場をテクノロジーでドライブしていく仲間を募集しています!
_______________________________

インタビュー :Megumi Mitsuya
文      :Takeru Usami
編集     :Saori Abe

Nature株式会社's job postings

Weekly ranking

Show other rankings
Invitation from Nature株式会社
If this story triggered your interest, have a chat with the team?