音楽関係の勉強、そして仕事をしたいと夢見て来日したチョンさん。しかしそこで知ったのは、才能があっても成功することは難しいという現実でした。ならば、と視点を切り替え、変化する日本社会の中でさらなる躍進が期待できるIT業界に着目。日本では珍しい採用活動を展開するGLナビゲーションに興味を抱き、インターンシップに参加。入社に至ります。

来日前はマレーシアで社会人生活を送り、日本でも就職活動で多くのIT企業に触れたチョンさん。現在、どのように仕事に取り組みどのようなビジョンを描いているか、率直に語っていただきました。（聞き手：GLナビゲーション代表取締役社長 神田滋宣）

GLに興味を抱いた理由―他社との違いとは

――まず、チョンさんのご経歴を聞かせてください。

出身はマレーシアです。中学・高校時代に日本のアニメやJ-POPが好きになったことをきっかけに、日本に関心を持つようになりました。留学して音楽を勉強したいと思ったのですが、親の反対を受けて断念。国内の学校で音楽関係の勉強をして、卒業後は音響機材を扱う会社に勤め、セールスサポートとして受注した機材の手配から指定された場所への配送、セットアップまで一貫して担当していました。社会人2年目からは、週末にフリーランスのPAエンジニアとして活動。週7日働く生活を約1年送りました。

けれど、日本に行きたいという思いをどうしても諦められず、仕事で貯めたお金で日本語学校に入って日本語を学び、留学生として2020年に来日しました。将来は音楽の道に進むつもりだったのですが、自分よりも遥かに才能を持っている人ですら音楽で生活していくのは厳しいという現実を知り、留学先での勉強に専念することにしました。

来日当時、現金社会に象徴されるように日本ではまだまだアナログが主流でした。けれどコロナ禍などを期にDX推進へガラリと風向きが変わっていく様子を目の当たりにして、「自分もこの流れに乗りたい」と、大学3年で就職活動を意識して以降、IT業界に注目するようになりました。

――それでGLにアプローチしてくれたんですね。チョンさんはインターンシップにも参加されましたが、数あるIT企業の中で当社のどんな点に興味を感じたのですか？

企業説明会に参加して、まず、業務内容が面白いと感じたんです。それから、選考のプロセスやポイントが他の企業とは異なる点にも惹かれました。

日本で就職活動をしていて違和感を抱いたのは、その仕事に関わる経験やスキルではなく、学生生活で何に力を入れたのか、といったことを問われる点です。海外の場合、どちらかと言うとスキルをアピールすることが多いと思います。自分がマレーシアで経験した就職活動でもそうでした。

――確かに、GLの選考プロセスはユニークかもしれませんね。そもそも日本には学生がスキルを身につけられる場があまりにもないし、そのため選考の際に企業も聞かない。そんな状況に以前から問題意識があり、ビジネス経験を積める場所を若い人たちに提供することが、当社のようなベンチャー企業の存在意義の一つだと考えています。一緒に働いていけるかどうかで判断することも大切にしており、こうしたことを背景にインターンシップの場を設けているんです。

チョンさんは当時静岡に住んでいたのにGLのインターンシップにアグレッシブに参加してくれ、学校もある中、週3日新幹線で当社に来て仕事に取り組んでいる様子が印象的でした。

インターンシップに参加して良かったことの一つが、社員の皆さんの様子を目にできること。就職活動である企業の説明会に参加した際、新卒2年目・5年目・7年目の社員の方が登場して業務について説明してくれたのですが、2年目の方は目が輝いて希望に満ちている様子だったのに、年次が進むにつれて覇気がなくなっていくんです。「この会社に入社したら自分もこうなるのかもしれない」と思いました（笑）。けれど、インターンシップで目にしたGLの雰囲気は全然違いました。

神田さんが社員一人ひとりのキャリア形成をとても大切にしていることも感じられて、非常に感銘を受けました。

様々な業務に携わる傍ら、2つの資格を取得し報奨金も獲得

――もともと人材育成サービスなどを展開しており、人材の成長やキャリア形成を会社として応援することはとても大切だと思っています。その点をチョンさんが感じてくれたことがうれしいですね。

それでは、現在、GLで携わっている仕事の内容について聞かせてください。

社内向け業務としては、インターンシップで経験したSalesforceの構築に入社後も携わっており、プロジェクト管理シートや、営業活動に活用するリードスコアリングの高度化などに取り組んでいます。

また、神田さんから機会をいただいて、ある不動産会社様の依頼による会計データ分析プロジェクトにも参画しています。この案件は、外資系コンサルファームでシニアマネージャーを担っていた当社メンバーとともに取り組むもの。入社して数カ月の自分にとって高度な業務ではありますが、日々多くの学びや発見をもらっています。

こうした業務の傍ら、Salesforce認定AIアソシエイト資格の取得に挑戦。この6月に2つの資格を取得することができました。

――チョンさんは入社後すぐにSalesforceの資格を取得し、当社の報奨金も獲得。その意欲と実力に、大きな可能性を感じています。私がアサインした不動産会社様の会計データ分析プロジェクトでも得るものは多かったのではないでしょうか。

チョンさんご自身は、具体的にGLで何を学び、どんなスキルを身につけたと感じていますか？

技術的な面では、Salesforceの構築を一通りできるようになりました。

不動産会社様の会計データ分析プロジェクトでは、テクニカル面はもちろん、プロジェクトの進め方や、クライアントが求めるアウトプットの導き方、キーパーソンの明確化や人を巻き込む方法など、マネジメントにおいても多くのものを収穫しました。

と言うのも、このプロジェクトで私の上についてくれているのは、以前在籍していた外資系コンサルファームにおいて入社後最速（当時）でシニアマネージャーに就任した、とにかく仕事の「デキる」方。私は新卒1年目、と言うよりむしろ入社から約2カ月、と表現した方が正確なくらいの状況で（笑）、それほどすごい経歴と実力の持ち主と一緒に仕事に取り組めるのはなかなか経験できないことだと感じています。

――チョンさんのように成長意欲の高い若手人材にそういった機会を提供できていることは、当社としてもとても意義あることだと受け止めています。

実際にGLで仕事をしてみて、当社にはどのような特徴があると感じていますか？

社員に仕事をどんどん任せる社風があり、社員一人ひとりの裁量がとても大きいことが特徴ではないでしょうか。例えば、入社後数カ月の社員にも採用面接を担当させるなど、他の会社では考えられないようなレベル感で仕事を任せていますよね。

それに、様々な業務の基盤となる社内システムの刷新や構築を若手社員がリードしていることも当社ならでは。その一方で、ただ任せきりにするのではなく、各領域に高度な知見を持つ経験豊富なコンサルタントがこうした若手社員と伴走する体制になっています。入社年次の浅い若手社員が、こうした第一級の力量を持つ方々に直接質問したり、ダイレクトにアドバイスを受けられることも、働く環境としての当社の魅力だと思います。

上場に際してさらに重要となる、セキュリティ体制の強化をリードしたい

——一般的には、新卒入社1年目の社員に対してフィードバックするのは2年目、3年目の社員である場合が多いのではないかと思います。けれど当社では、経験豊富でハイレベルなスキルを持つメンバーから直接フィードバックを受けられる。これは当社の大きな特徴であり、若手人材のスピーディかつ確かな成長につながるのではないかと感じています。

そんな環境を有する当社で今後どのようなことを行っていきたいか、またこの先のキャリアについて考えていることを聞かせてください。

今後については、セキュリティコンサルタントとしてキャリアアップを図っていきたいと考えています。様々なプロジェクトを経験し、そこで得た知見を社内のセキュリティ構築に役立てるのが当面の目標です。

当社は現在、上場に向けて積極的に内部投資を行っていますが、今後の姿がある程度見えてきたところで、セキュリティの底上げを図る必要が出てくると考えます。また、いろいろなツールを導入していくことと思いますが、それらのセキュリティ面での評価が必要になってくると予測されるため、その基準や手法の構築に携わっていきたいとも考えています。今後入社してくる若手社員に対する、セキュリティ面での教育も担っていきたいです。

――チョンさんはかねてより、将来は内部統制やセキュリティに関わる領域でキャリアを積んでいきたいという意向を持っていますよね。会計データ分析プロジェクトにアサインしたのも、そうした領域でスキルを伸ばしてもらうため。次は、外資系大手保険会社のシステム監査部門でマネジメントを担当していたメンバーのもとで仕事をしてもらいたいと考えています。今後のキャリアを相談したり、その実現のためにどんなスキルを身につけるべきかといった具体的なアドバイスも受けられるのではないでしょうか。

当社においても上場に向けた準備を進める中で、内部統制やセキュリティはこれまで以上に重要な要素になります。チョンさんにはそういった領域のマネジメントを任せられる人材として成長していただきたいですね。

最後に、当社への入社を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。

当社に少しでも興味を持った方には、ぜひインターンシップに参加していただきたいですね。実際に職場という環境の中に身を置いて仕事に取り組んでみないとわからないことや気づかないことが、たくさんあると思うんです。私自身、そうして自分の向き不向きをある程度把握することができたし、それまで意識もしていなかった、セキュリティ領域でキャリア形成をしていきたいというビジョンを持つこともできました。

当社のインターンシップを、自身の未来を広げる発見の場として活用していただきたいと思います。