1. どこもかしこもAI、だからこそ「人間」が必要
近年、SNSを開けば「AI」、街を歩けば「AI」と、その言葉を聞かない日はありません 。もちろん、私自身も日常的にAIを使い倒している一人です 。
しかし、どれだけ技術が進歩しても、今の業務がすべてAIに取って代わられるという感覚は今のところありません 。なぜなら、「AIをどう使うか」を最終的に判断するのは人間であり、チームとして心を動かし合いながら関わるのもまた、AIではなく人間だからです 。
今回は、2025年の夏に突然始まった新しいプロジェクトでの経験を通じて、私なりの「人間とAIができたこと」についてお話ししたいと思います 。
2. 2025年夏、予想外の「選択」と巨大な迷宮
それは8月末、突然の打診から始まりました。正直に言えば、それまで自分が描いていたキャリアストーリーからは、少し逸れるような内容でした 。
2025年に入ってから、既存PJの引き継ぎを進めつつ、新しいチャレンジに向けたパッケージ化や新規案件の提案などを行っていました 。しかし、提示されたのは「大型の保守PJ」への緊急配属 。これまでの「攻め」の仕事とは全く色が異なる、巨大な守りのミッションでした 。
そのPJは5〜6年続いており、PMのメンバーは一度も変わったことありませんでした 。新参者の私にとっては、まさに「巨大な迷宮」に入るような感覚です 。ただ、この巡り合わせも運命だと感じました 。別のルートを通るだけで、その先には大きな展望が見えるはずだと、自分に言い聞かせて飛び込むことに決めたのです 。
3. PM(人間)にしか解決できなかった「泥臭い」仕事
新しいPJに入って最初に行ったのは、AIには決して真似できない「PJ自体の引き継ぎを受けながら、雰囲気をつかむ」という作業でした 。
信頼を勝ち取るための「空気感」の把握
引き継ぎ期間はわずか1ヶ月 。じっくり教えてもらう時間はありません 。私は、PJの概要を把握しながら、自分の直感的な気づきをメモに残しました 。 ここで大事だったのは、いきなり改善案を振りかざさないことです 。新入りのPMに求められているのは、派手な改革よりも、まずは現場の空気を読み、信頼を勝ち取ることでした 。AIには、言葉にされない「現場の空気」を読み取って信頼を築くことはできません 。(今のところは)
「泥臭い調査」が真実を照らす
このPJは歴史がある分、ドキュメントが散逸しており、全容を把握している人は誰もいませんでした 。(今ではある程度整備されている)
そこで生きたのが、私の1年目のキャリアである「データエンジニア」としての経験です 。 チームのドキュメントが足りないのであれば、直接データを見て理解する 。自分で媒体ドキュメントを眺めてみる。
AIは細部で「嘘」をつくことがありますが、人力で泥臭く手探りに調べる力は、真実に辿り着くための最後の砦になります 。
4. AIが「PMの右腕」として機能した瞬間
一方で、人間が泥臭く動くための「余白」を作ってくれたのは、間違いなくAIでした 。
- カオスな情報の整理: 乱雑にまとめられた課題や施策を、AIと対話しながら構造化していく作業は、人よりも圧倒的にスムーズでした 。
- 概要のクイックキャッチ: 詳細までは追いきれない膨大な媒体情報を、ざっくりと要約して把握する際に非常に重宝しました 。
- 現場の効率化をコードで支援: 障害復旧を行うCSチームの作業において、AIにコードを書かせて無駄な工程を省くなど、実務レベルの改善も行えました 。
明確な目的がある場合や、相談相手、あるいは「優秀な部下」として、AIは最高に頼りになるパートナーです 。
5. AIと共に、PMの未来を考える
現在、ようやくPJの整理が進み、次のステップが見えてきました 。今後は、多すぎるドキュメントの整理や手作業の自動化など、チーム内の課題をAIと共に解決していきたいと考えています 。
今ではPMとしての私の仕事の一つとして、目的意識を持ち、課題を発見し、AIが活躍できるフィールドを整備することが大切になってきています 。そして、自分の仕事をもっとAIに渡していけるようにしたい。そうすることで、人間はもっと人間にしかできない価値創造に集中できるはずです 。
保守PJという巨大な迷宮も、AIという松明(たいまつ)があれば、きっと面白い冒険に変えていけると確信しています。