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『”香りビジネス”の面白さは”最高”を追い求めることにある』

( インタビュー・編集 : 2022年入社 青山すみれ )

今回は、その独特の感性や言葉のチョイスから、社内で芸術家と称されることの多い若手社員に、香りの面白さやこれからの姿、そして、そんな香りと向き合うFITSらしさについてインタビューをさせていただきました!

< プロフィール >

近藤 優麻 (こんどう ゆうま)

2018年新卒入社。入社後3年間はセールスとしてドラッグストアの本部担当を務め、2年目からは人事領域を兼務し、新卒採用のコンテンツ(インターンシップなど)設計に携わる。4年目からはECサイト運営を主に行い、FITSの公式オンラインストアの運営・設計に携わると共に、香り事業のデジタル化、DX推進のチームで活動している。休日のルーティーンは、金曜日の夜に買った本を土日に近所のお気に入りの喫茶店でゆっくり読むこと。

香りビジネスは、「最適」ではなく「最高」を追い求める仕事である

ーー近藤さんが考える「香りの面白さ」について教えてください。

私が思う「香りの面白さ」は、「最適」ではなく「最高」を追い求めることができるところにあります。一般的に仕事というのは、誰がやっても同様に優れた成果になるような仕組みをつくり、再現性を高めて効率化することであると考えています。すなわち、「最適」を追い求めるのです。しかし「香り」は、人によって感じ方が違うからこそ、属人性を排除して「最適」を追い求めることは不可能であり、その代わりに、一人一人にとっての「最高」を追い求めることができると考えています。私たちが香りの解釈を届けることで、「最高」を創造していくことができるのが香りの面白さです。そして、再現性を高めて効率化していくことが難しい香りのビジネスでは、FITSが会社として存続すること自体が新しいチャレンジであると考えています。

また、香りは、瞬間瞬間で同じ香りを嗅いでも全く違う感じ方をします。一種の熱量のようなものが一瞬に宿るように私は思っています。上手に表現はできませんが、瞬間瞬間に表情を変えるという香りの特性こそに「香りの可能性」があり、これから私が挑戦していきたいところです。

一種の熱量という表現をしましたが、これはサイモン・シネックの「whyから始めよ」という著書から影響を受けました。そこで紹介されていたのは、人間の脳の中の「なぜ」を考え意思決定をする部分は、言語化を行う機能を持っていないそうです。だからこそ、私たちが意思決定をした理由を合理的に説明することは難しくて、時間がかかるのだそうです。

その「なぜ」を考える脳の部分には強大なパワーがあるとされています。

そして最近知ったのですが、脳の中で、嗅覚をつかさどる部分は、「なぜ」を考える部分と同じ箇所だということです。すなわち、「香り」をつかさどるのは「なぜ」をつかさどる強大なパワーを持つところ。言葉では上手に説明できない「こんな感じかな...」という直感の部分に「香り」が寄り添えるのではないか?と考えています。

皆さんも普段、論理的に考えて意思決定をしたつもりでも、どことなく「この選択をする気がしていた」なんて感覚があるんじゃないかなと思います。私はそこに論理ではどうにもならない部分があるんじゃないかと思い、そんな神秘的な部分に香りが介在できる可能性があると思うととてもワクワクします。それこそ、こういった部分に「最適」ではなく「最高」を追い求めることが必要な世界なのだと私は考えています。

承認欲求を満たす、その次のステップへ。「香り」の役割のこれからとは?

ーー今後FITSが向き合っていくべき「香りのこれからの姿」とはどういったものでしょうか。

30年続いてきたFITSがこれまで成し遂げてきた大きなミッションの1つは、日本で香水をはじめとした「香り」商品の供給量を増やすことでした。海外に比べて香り商品が普及していなかった時代に、海外の香水を輸入販売したり、日本人の文化や風習にマッチした商品を開発したりして、FITSは日本で香り商品が普及するきっかけをつくってきたと言えます。その結果、今では多くのブランドが香り商品を取り扱っていて、市場には香り商品が溢れています。香り商品に関わらず、モノに溢れている、需要を供給が大きく上回っている現代で、「あえて」商品をつくる理由・意味を私たちは今一度考え、言い切ることができるようにしなければなりません。その中で、香りだからできることが現在世の中にあるプロダクトによって満たされているかと言われるとそんなことはなく、他の事業領域と比べるとまだまだ余白が残っていて、その余白が私たちFITSがワクワクできる部分であり、挑戦すべき部分であると考えています。

そして私なりの「香りの余白」というものに対しての解釈をお伝えします。

これまでFITSは、香りを「着飾る」ことで「モテたい」「人から好意的に見られたい」という、マズローの5段階欲求でいえば承認欲求にあたる領域にはある程度応えてきたと自負しています。そこから新たなステージへジャンプアップするために、承認欲求の先の自己実現の欲求の領域(マズロー的な表現でいうと)にもアプローチしていかなければいけないと考えています。香りは一人一人違う解釈が可能なもので、「こうあるべき」というのをもっていないものだと思います。だからこそ性別や国籍、時間など、様々な価値観などを超えられる1つの媒介になれるのではないかと本気で思っています。まだまだこういった領域に手が届いてないのが現状ではありますが、香りの可能性や価値を証明するために今こそ私はFITSで頑張りたいと思っています。

そんな「香り」に寄り添うFITSらしさとは?

ーー働く中で、香りに向き合うFITS「だからこそ」だ!と思う部分はありますか?

解釈を届けて「最高」を目指す。そんな「香り」に向き合いながら働く中で感じることとしては、「解釈に向き合っているからこそ、明確な価値基準がない」ということです。だからこそ、香りのビジネスを行うためには「主観」をさらけ出す必要があります。例えば、社内では「この商品どう思う?」と香りのサンプルを渡されてアンケートを取られることが多いのですが、そこには良い・悪いといった明確な基準があるわけではないので、「自分はこう思う」と一人称で言い切ることが非常に大切です。一般論で、「世間ではこういわれているから」「周りでこれが流行っているから」というだけでは仕事が成立しないのが、香りと向き合うFITSで働く醍醐味です。「自分がどう思うか」という主観を日々重んじている人や、日常生活の中で「なぜこうなっているのだろう」と問いが多く浮かぶ人はFITSで活躍できるのではないかと思います。

そして、先ほどもお話したように、需要に対して供給が上回る現代でモノをつくる責任として、「自分はこういう世界をつくりたい」「こういう景色をみたい」と最初にビジョンを描くことが大切です。理想像が描けているからこそモノづくりができると考えています。香りやその他のプロダクトは、その理想を実現するためのツールでしかありません。そして、そういった理想を描くことができるのは企画などのクリエイティブ系の人々だけだと思われるかもしれませんが、そうではありません。例えば、私が向き合っているのはプラットフォームづくりであり、香りとの出会い方、場づくりのところに関与しています。その面でも、FITSのビジョンを明確にもっていなければ、1つ1つのアウトプットに必然性を持たせることができません。企画に限らず、どの領域を切り取っても全員がそこに関与していて、そういった手触り感や所有感が大きいのがFITSらしさだと考えています。

インタビューを終えて

「芸術家」と噂に聞いていた通り、その知識量と独特の感性から、確かで深みのあるお話をいただき、難しいながらも非常に興味深く聞き入ってしまいました。私の拙い文章力で伝わるかヒヤヒヤしていますが、皆さんに届きますように・・・(笑)。

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