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警察庁からベンチャー企業へ。異彩なキャリアを歩んだからこそわかる、FISMで描けるキャリアパス

FISMでは月に一度、会社のメンバーが仕事の手を止めてオフィスでお酒を酌み交わす「After7」という社内イベントを行っています。

今回はゲストとして、2019年1月より社外監査役としてジョインしていただいた筱﨑さんにお越しいただき、「ベンチャーでのキャリアパス」をテーマにお話しいただきました。


ー異彩を放つキャリアを歩んでこられた筱﨑さんー
そのキャリアを通して、決めたことは遣り抜きとにかく失敗を恐れず行動し続けたことにより、様々な功績を残されてきました。

経験したことのないことにチャレンジすることを、決してやめなかった筱﨑さんは「人ができないこと・やらないことを1つでもやるということは本当に自分の価値になり誰かに必要とされるということ」と語ってくださいました。

それでは、ご覧ください!


ゲスト:筱﨑 隆広 (しのざき たかひろ)さん

慶應義塾大学卒業後、1990年警察庁入庁。2003年に楽天株式会社へ入社し、執行役員として楽天グループ全体のガバナンス体制の構築を推進。株式会社楽天野球団の取締役としてプロ野球球団の創設に携わる。その後、株式会社クラウドワークス社外取締役、株式会社メルカリ社外監査役(現任)、株式会社メドレー執行役員。2019年、FISMの社外監査役に就任。2019年、一般社団法人大学スポーツ協会の立ち上げに参画し、常務理事(現職)に就任。


白枝
「今日は筱﨑さんに、我々2人から質問していきますー!」


筱﨑

「緊張するなぁ〜〜〜〜(笑)」



異色のキャリア?!警察庁から次のキャリアに選んだのは・・・


白枝
さっそくですが、筱﨑さんのキャリアについて聞いていきましょう!まずは自己紹介からお願いします!


筱﨑

はい。現在FISMの社外監査役を務めております、筱﨑隆広と申します。ざっとお話しますね!
ファーストキャリアに選んだのは役所でした。13年間警察庁に在籍し、その後は楽天に転職。三木谷さんの秘書を皮切りに、トータルで11年半勤めました。秘書をしていた2年半の間は社長室長として本当に朝から晩まで三木谷さんと一緒にいましたね。

「三木谷さんの経営センスが、自分のDNAに染み込んだ」と思えるくらい働いたので、自分でも「楽天市場を作りたい!」と思い、起業しました。世の中そんなに甘くはなく、結果的には3年で事業を畳むのですが、その後は縁があってメドレーにジョイン。現在は、大学スポーツを振興する一般社団法人で常務理事を務めています。


銭本
今、聞いただけでも個性的なキャリアですね。まず警察庁からのキャリアチェンジって珍しいですよね。


筱﨑

警察庁から転職する方は、極めて少ないです。
僕はいわゆるキャリア官僚として採用されたわけですけど、昔から好奇心旺盛だったからいろんなキャリアを積みたいと思っていたんです。なので、警察庁に入庁したその日から民間企業に転職することは頭の片隅にあったのだと思います。13年勤めて、官僚の世界では「一仕事終えた」感がありました。
そのタイミングで次のキャリアを考えました。


白枝
数ある企業の中でも、なぜ楽天だったのでしょうか?


筱﨑

三木谷さんの「痛快さ」に惹かれましたね。

実は警察庁時代に、当時の自民党内でやっていたIT政策に関する勉強会に参加したことがあったんですね。自民党は日々さまざまな政策を考えているので頻繁に勉強会をやっているんですよ。

その勉強会には、定期的に民間企業のトップがゲストとして呼ばれているんですが…
その日にいらっしゃったのが、確か、東芝社長時代の西室泰三さん、アスクル社長の岩田さん、そして楽天の三木谷さんだったんです。今でも鮮明に覚えているのですが、そのときの三木谷さんが痛快で。

議員や官僚の前で「Only paranoid survive!」と言ったり、「経営で重要なことは人より先に失敗することで…」と語り出したり。失敗という言葉が辞書にない世界の人達を前にそうおっしゃるのですから、みんなフリーズする一方で、自分だけはグッと惹き込まれていました。



激動の11年半!新しい日本の文化を作るために奮闘

銭本
天にご転職されてからは、三木谷さんのかばん持ち→楽天球団立ち上げ→コーポレートガバナンスと、楽天の中でも異彩を放っていますよね。なんでかばん持ちからスタートしたんですか?


筱﨑さん

三木谷さんとの最終面接のときに、僕から「かばん持ちさせてください!」と言ったんですよね。
そもそも民間企業での勤務経験がないから「うちで何やります…?」状態。でも、三木谷さんの経営哲学を1から10まで学びたかったから、内定が出るかわからなかったけど言ったんです。

無事、内定が出て働くことになるんですけど、出社したその日から本当にかばん持ちでした(笑)
そこから2年半ずーーーっと一緒に仕事してました。
なんなら土日も一緒にいたので、三木谷さんの奥様からも「筱﨑さん、本当にいつもお世話になってます。私より旦那と一緒にいる時間長いですよね…(苦笑)」と言わましたね。

あ、ここ笑うところですよ!



で、転職して2年目に楽天イーグルスの立ち上げをやりました。
僕がやったことは、仙台に行って「球場作り」と「地元経済界のパイプを作ること」と、あと一番大きいのは行政とのコミュニケーションを取ることでしたね。


銭本
もともと仙台にパイプはあったんですか?


筱﨑さん

それが一切なかったのです。個人的には仙台に行ったこともなかったです(笑)

当時を振り返ると、朝9時頃に三木谷さんが、仙台に人を送りこもうと切り出して、誰が行くんだ?という話になり…「筱﨑、頼む!」となって、結果的に僕が行くことになりました。そこには三木谷さんの深い読みがあって、まずは宮城県、特に当時の浅野知事と良好な関係を作る必要があって、役所の論理を知っている元役人の私が選ばれたのです。

スピード重視の楽天ですから、確か、決まってから4時間後には仙台へ…つまり9時に指示されて、午後1時には仙台にいて、それから県庁に挨拶に行ったと思います。


一同

すごーーーーーーーーーーーーーーーー!(驚愕)


筱﨑さん

僕は東京生まれ東京育ちだったけど、そこから半年仙台に行くことになりましたね。
ただ、さすがに1人だと土地勘もないですし心細いので、当時東北大学の大学院卒でその年の4月に採用されたばかりの新卒を連れて行きました。本当は上京して東京で頑張りたい!と思っていたみたいですけど、それよりも「プロ野球チームを作れるなら、喜んで行きます!」と二つ返事で承諾してくれました。本当にありがたかったです。

「新しい日本の歴史・文化を作る」という想いで、朝から晩まで働きましたけど、今から思えばよく頑張ったなーという感じです。懐かしいな〜フラッシュバックしてきました(笑)


銭本
東京に戻って来られてからは何をされていたんですか?


筱﨑さん

戻って来てからしばらくは社長室長に戻り、その後執行役員になったんですが、コーポレートガバナンスを担当していました。主に会社の制度やルール作り、それらを浸透させる役割ですね。



目指すは「ひとりダイバーシティ」

銭本
今でもさまざまな企業の役職を兼務されていると思いますが、仕事に対する考え方ってベースに何があるんですか?



筱﨑さん

子どもの頃からずっと好奇心旺盛で、「人ができないことをやりたい」と思っていたんです。
今って、ダイバーシティという言葉がわりと一般化されていますが、僕は「ひとりダイバーシティ」を目指しています。1人の人生でいろんな経験をできるっていいなと思います。結果的に重要な役割を任されたときに、正しいジャッジを下せると考えています。

起業して失敗もしましたが、それも自分の中で正解だったと思います。
楽天を卒業した直後も、僕がまだ経験したことのない「スタートアップ」なフェーズの役員を勉強の意味を込めていくつかやりたいと思って、自ら何社かの門を叩いたんです。
そのとき僕の経験を買ってくれたのは、クラウドワークスとメルカリでした。2社とも評価してくれたのは、楽天が「500人→1万人超に成長する基盤作りを手掛けた経験」だと思います。なかなかできない経験ですし、やり切った実績は何事にも代えがたいですからね。

つまり、人ができないこと・やらないことを1つでもやるということは、本当に自分の価値になり、誰かの役に立ち、必要とされるようになるということです。
現在、大学スポーツの振興をやらせてもらってますけど、そういうところは今でもあります。


白枝
クラウドワークスもメルカリも、今ではみんな知っている会社ですよね?何を思って当時は選択されていたんですか?


筱﨑さん

それが自分でもよくわからないんです。結果的に僕が関わった会社は上場してますが…!(笑)
と、いうのは冗談で、次のフィールドを選ぶ際にはその会社のトップに魅力があるかを見ています。つまりその人に自分が盗みたい何かを感じるかを判断基準としています。
三木谷さんも(山田)進太郎さんも然り。ビビっと来るものがあるんです。
なんでしょう、感覚的なものなのですが…



キャリアと、これからのFISMと

白枝
そんな中、聞かずにはいられないので聞きますが…FISMにビビっと来たのはどこだったのでしょう…?


筱﨑さん

実は、FISMは初めて役員のオファーがきて受けた会社だったんですね。
それまでは自分で全部アプローチしてきたんですけど、非常勤取締役の佐々木さんと社外監査役の松崎さんから紹介されて…実際に銭本さんに会いました。で、ビビっときたんですよ。

そのとき何を感じたかというと、FISMは僕の全く知らない世界だったんですね。
そして銭本さんがそのとき言った

「マーケティングの新しい世界は、絶対これなんです」

という力強い言葉に大きな可能性を感じたんです。まだまだわからないこともたくさんあるんですけど…。自分の経験がその成功を後押しできるのなら、という想いで引き受けることとしたんです。


銭本
最初は断られるかと思ってましたが…タイミングとスピードがよかった。もはや懐かしいですね。


白枝
まだまだお話伺いたいですが…最後に、一言いただいてもいいですか?


筱﨑さん

まだ20-30代の方が多いと思いますが…若い皆さんにはいくらでも可能性はあります。
そしていろんなことを経験することで納得いくキャリアパスを見つけることができるんじゃないかと思っています。どうかわくわくできるキャリアを積んでいってください。

今いるFISMという会社のフィールドを最大限活用して、会社とともに自身の成長もしていっていただきたいです。それは会社を大きくするだけでなく、たとえFISMを離れても価値を発揮できると思います。

今は単体の事業ですが、今後多角化していくと思います。
楽天も最初は楽天市場だけでしたけど、僕が辞める頃には子会社が地球の裏側のものも含めて数十社になっていました。

FISMももっともっと大きくなります。それに思いを馳せながら、そして足元を踏みしめながら、今をしっかり頑張っていきましょうね。監査役なのでみなさんのことウォッチしてますよ!



編集後記ー

「自分とは違う世界の人だ」「才能があるからできることだ」とついつい決めつけがちですが、どんなにすごい人でも決して努力を怠らないからこその素晴らしい功績があるものだと改めて気づきました。
FISMでは、これからもっと積極的にAfter7にゲストをお招きしようと企画しております!

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