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みなさんこんにちは、ドリーム・アーツ採用担当の山本です。
今回は、ドリーム・アーツの主力プロダクト「SmartDB(スマートデービー)」開発リーダーである鳥羽のインタビューです。プロダクトを作る楽しさ、難しさ、プロダクトの成長などを開発リーダーの視点から語ってくれています。
SaaSに興味がある方、プロダクトマネージャーを目指す方、女性としてのキャリアや働き方に関心がある方など、いろんな方にぜひ読んで欲しい濃い内容の記事となっています!
「デジタルの民主化」を実現する大企業向け業務デジタル化クラウド「SmartDB」のお客さまが増えている。
今回は製品開発責任者である鳥羽希にスポットライトを当て、製品やチーム、お客さまに対する熱い想いを聞いた。
ITに携わって20年、行き着いた答えは「プロダクトを作る楽しさ」
「SmartDB」の開発責任者であり、今年「製品開発副本部長」に就任した鳥羽希。
ITに携わって約20年。新卒で入社した企業は大手のシステム会社。当時はITバブルも重なり過酷な労働環境ではあったが、パッケージ開発、受託開発、製品の導入、テスト、サポートなど幅広い経験とスキルを積み重ねてきた。そして2007年にドリーム・アーツに入社。決め手は「自社で製品を開発しており、かつお客さまとも直接会話ができる企業」だったことである。
ドリーム・アーツに入社して早速、製品開発部にジョイン。その頃から関わってきたのが「SmartDB」で、初仕事はそのテストだった。
当時は10人以下の小さなチーム。また、ドキュメントやインストーラーなど「SmartDB」を製品と呼ぶには「ない」ものが多い状態で一から作成したり、開発、テスト、ドキュメント、サポートと、一人で担う業務の種類が多く、この時に多様な業務経験を積むことができた。
その後、「SmartDB」に関わるサポート業務や導入プロジェクトの支援など、部署を異動した後も長く「SmartDB」に関わることになる。
導入プロジェクトではアドオン開発をするケースが多く、「SmartDB」のあと一歩の足りなさ、歯がゆさを感じていた。
転機は、とある大規模な金融系のお客さまとのプロジェクトでアプリケーション導入のリーダーを経験したことだった。
「プロジェクトの規模が大きく複数社が関連し中身も複雑だったのですが、体制がうまく機能して、お客さまにも助けられ、なんとか成功しました。相当苦労はあったが、やりきったおかげで初めて自信につながりました。一方で、多くのアドオンが入り、製品標準で提供できなかったことに、課題を感じていました。」と振り返る。
いよいよ製品開発へ、
SaaS事業へのトランスフォーメーション
導入プロジェクトが一段落した頃、製品開発へ異動の話が出た。
しかし、突然だったこともありかなり迷った末、最初は断ったという。しかし熱心なオファーだったこともあり、決意を固め異動となった。しかし現実は甘くはなかった。
「当時は製品力もそこまで高くはなく、体制も危うく完全に分業でチーム力も弱い状態。正直毎日不安しかなかったです。」
今やSaaSに生まれ変わったドリーム・アーツの製品群ではあるが、その頃はまだオンプレミス中心、カスタマイズで受託開発することは当たり前の時代。製品で実現できないならプロジェクトの中でエンジニアがアドオンを作って対応するという方向性。そんなこともあり製品自体へのフィードバックは少なく、製品が育つ環境ではなかったのである。
しかし、ほどなくして会社の大きな方針転換があった。
「これからはクラウドかつサブスクリプションの時代。SaaSとして製品を生まれ変わらせよう」と、事業のトランスフォーメーションが動き出したのである。
製品を半年足らずでSaaS化するために開発にはさまざまな経験を持つメンバーが集められプロジェクトがスタートした。製品が変わるということは、当然営業の売り方自体も変わる。継続して活用していただけるよう「カスタマーサクセス」の形も整えていくことに。組織横断で「SmartDB」中心の大変革プロジェクトが始まった。
「会社の方向性が変わったことで、社員の目線が徐々にプロダクトに集まってきました。視界が開けたと思いました。」
お客さまの数倍増、SmartDBの周辺は様変わり
そして突然のコロナウィルス感染症拡大。「紙やハンコで出社」「仕事と命どっちが大事?」という言葉が出るなど、デジタル化されていない日本企業の体質が浮き彫りになり大きな社会問題として取り上げられ、デジタルトランスフォーメーション(DX)がバズワードとなる。
コロナ蔓延は世の中にとってもちろんマイナスも大きかったが「SmartDB」にとっては追い風となった。お客さまの数はコロナ前と比べ3倍になった。
「今まで準備してきたことが、ようやく最近実績に繋がってきたという実感が出てきた」と語る。
しかし、手放しで喜べているかというとそうではない。
「日本を代表するような大企業のお客さまに提供しているという責任感・緊張感はメンバーみんな持ち始めていると思います。
現実としては課題が毎日出てくるので、浮かれる気持ちは微塵も持てないですね。」
SaaSブームもあり、競合となるサービスが次から次へと出てくる激しい世界。安心していられる時間はなく、常に進化を続けていかないとならない。
しかし、「ここだけは負けない」と思うところがあるという。
10数年お客さまに真剣に向き合ってきた結果とも言える「大企業特有の複雑な業務に対応してきた積み重ねの機能やノウハウ」だ。また、「長年協創してきたからこそ生まれるお客さまとの関係性」も他社にはすぐに真似できない大きな資産である。
「『単なる好きではなく、溺愛してます。』とお客さまからラブコールをいただくこともあるんですよ。(笑)」
これは開発者にとっては本当に嬉しい言葉だろう。特にお客さまが「感動」してくれるというのが嬉しいという。
「え!こんなこともできるんですね?!」と驚かれることが多いそうだ。
「ハマるお客さまが多いのは事実。できることが多いからマニア心をくすぐる?のかもしれませんね(笑)」
目指すのは「お客さまとの距離が近い開発者」
製品開発チームは直接お客さまと対話する機会を積極的に設けている。
「国産」の良いところ、「直販」の良いところを思う存分味わっていただきたいという気持ちからだ。
「『製品開発の人と直接お話ができるのですね!?』と感激されることも多いです。」
なぜこんなにもお客さまとの対話を大切にしているかというと、「SmartDB」という製品の特性が関係してくる。
大企業の業務改革を得意とする「SmartDB」はその他の単機能のSaaSとは全く異なり、それぞれお客さま固有の実業務を理解しなければさらなる進化ができないのだ。
「自分達で開発していても正直わからないんですよ。結局聞くしかなくて。」
製品がクラウドベースになったことはかなり大きい。どのように利用されているかのデータをもとにさらに活用していただくためお客さまと対話する機会も増えた。
対話するなかで、利用するお客さま側の変化も感じているという。
以前は「統制」を目的とした厳しい目をお持ちの情報システム部の方々の利用が中心で、製品の足りない箇所を指摘されることが多かった。しかしDXが叫ばれるなかで「デジタルの民主化」を目指す「SmartDB」の世界観に賛同してくれる企業が増え、ここ数年では業務部門の方の利用が激増した。
「最初、業務部門の自分には無理と思っていたが、やってみると楽しかった。」など、お客さまの感動体験は生の声となって製品開発チームに届く。
そんな声を聞くことで、しっかりとお客さまの役に立っていると実感することが増えてきたという。
40人の凸凹チームのバランサー的役割
「SmartDB」は日本と中国の大連を合わせて40名。この大所帯のチームを鳥羽はどうマネジメントしているのか。
「みなエンジニアとしては優秀ですが、それぞれ得意なところと苦手なところがあり凸凹。チーム力が低かった頃は世話を焼く役割でした。」
しかし最近になってこの役割に変化が出てきたという。
「最近はメンバーが自律して動くようになり、少し役割が変わってきました。人数が多いので、役割分担しつつ協創することが必須になるのですが、そこを私の方でうまく繋ぎながらバランスを取ってチームとして最大限のパワーに昇華させるようなイメージです。その辺りは自分が得意なところですね。」
「SmartDB」を人間の性格に例えると、社内では「質実剛健」と表現される。
世の中の最先端をいく尖った製品であれば、技術知識も秀でている人がグイグイとまとめた方がうまくいくかもしれない。しかし「SmartDB」は複雑な業務、組織構造、文化をお持ちのお客さまにしっかり寄り添うことで活用につながる製品だ。製品だけが先をいくというよりも、お客さまと協創することによって徐々に価値が上がるという特性を持った製品なのだ。
そんなお客さまとエンジニアの間のクッション・中継・翻訳者になれるのも自身の特性が生かされている気がするという。
チームの中で大きな存在の中国メンバー
チームには中国(大連)のメンバーが多いのも大きな特徴だ。
質実剛健と表現される「SmartDB」だが、チームメンバーの性格も日本・中国揃って「質実剛健」であるという。
中国のメンバーとの接し方で特に意識しているところはどこか聞いてみた。
「中国のメンバーはみな日本語がある程度話せます。が、ネイティブではないので、とにかく言葉を丁寧に噛み砕いて伝えています。焦らずじっくりとコミュニケーションすることが重要だと思っています」
実は中国大連は子会社ということもあり、当初は受身な気質が色濃かったそうだ。
しかしそれでは良い製品は作れないと鳥羽は思った。
「私としては親会社と子会社という関係ではなく、対等な関係でありたい。その方が必ず良いものが生まれるし、皆も幸せだと思う。なので、受け身・請け負い気質を変えるために色々とトライし鍛えていきました。その結果、とても自律的に動いてくれるようになりました。」
出張で大連に行くとメンバーは本当に家族のように歓迎してくれるという。
2019年出張時、中国大連のメンバーと共に
少し先の未来は「SmartDBを起点に広がる世界」
「本当に役立つものにしたい、という気持ちをずっと持っている」
と、鳥羽は語り始めた。
「SmartDB」の少し先の未来について聞いてみると、やりたいことが色々と出てきたが、全体の方向性としては「広がり・つながり」だった
もっとさまざまな業務に対応できるよう、カバー範囲広げたいと常に思っている。
足りないことはまだ多いと感じるが、競争力はついてきた。
特徴を出す意味で新しい「ダイナミック・ブランチ機能」を2021年に公開した。生まれたばかりの機能だがお客さまの反応を見るとポテンシャルはかなり高い。また、企業内だけでなく企業間の業務をカバーする「コラボレーター機能」への新たな要望も多く、更なる拡張を目指す。さらに外部システムやSaaS連携の範囲を増やすなど、「SmartDB」を起点に広がる世界を目指したいという。
「さまざまなお客さまに育てられてきた『SmartDB』。長い年月を経て積み上げてきた価値ある資産を受け継ぎつつ、さらに進化させていきます。予測がつかないスーパーVUCAの時代ですが、製品自体も革新を続け、お客さまのDXを支える要となる製品でありたいと思っています。」
「女性活躍に関する状況の情報公表」はこちら
https://www.dreamarts.co.jp/company/actionplan/
出典:ドリーム・アーツ2022年6月1日ダイバーシティリアルレポートより
いかがでしたか?
プロダクトが成長するために、そしてこれからも成長していくために、リーダーを筆頭にいろいろな立場の人が協創していることが伝わったのではないでしょうか。
これからも社内のメンバーはもちろんお客様とも協創し、SmartDBは進化を続けていきます!