※2025年1月15日の社内報を公開しています
あけましておめでとうございます。セクション1の三村です。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
皆さん年末年始はどのように過ごされたでしょうか?僕は栃木の実家に帰省していたら眼鏡をなくしました。そして頭のすみには常に「罪と罰」がありました。
「罪と罰」。ドストエフスキーによる超有名ロシア文学ですが、タイトル以外は全く知りませんでした。しかしこれを「100秒でわかる名作劇場」で取り扱うことになり。脚本を担当することになりました。
文庫で3冊と、自分が今まで担当してきたものの中では圧倒的に長く、やっと原作を読み終えたと思ったところで正月休み。脚本を書くのは休み明けなので、それまでの間はうんうんと唸ることしかできません。
家にいるとずっと考えてしまうので、気分転換に通っていた美術予備校に顔を出しに行きました。教室にはデッサンがずらりと並べられ、私立の受験を控えた生徒たちが講評を受けていました。
「薄目で見るしかないね」ある生徒に講師がいいました。
「細かいところが気になって進められないのであれば、薄目にしてまず明暗だけ見るようにしなさい」
聞いた瞬間、これは使えると思いました。つまり「罪と罰」を薄目で見ればよいのです。それまでは原作を100秒にするためにどこをカットしようかと考えていました。そしてカットすればするほど原作からは離れていくので困っていましたが、しかし薄目で見ればどうでしょう。ディティールは見えなくなりますが、それはそれのままです。
屁理屈かもしれませんが、とにかく全てが解決に向かいました。まず、沢山いるキャラクターを薄目で見ると、主人公の友人、ラズミーヒンがぼやけていきました。彼は登場シーンも多く、病気の主人公を支えるとても良い奴なのですが、登場頻度だってディティールの積み重ねです。長くて覚えづらいロシア語の名前も、あたまに役割をつけるようにして、細かい部分は気にならないように努めました。消したのではない。今回は描きこんでいないだけなんだと言い聞かせました。
結果としては無事、脚本は出来て確認待ち。今はアニメーションの為の資料を作っているところです。映像を編集している時は、どのカットを使うか。どこを抜き取るかと考えるので、薄目の考え方は新鮮でした。具体的な技術というよりは気分の問題も大きいですが「これで行ける気がする」と思うことで解決することも多いような気がします。
そういえば、去年の自分の社内報を見返したら「「罪と罰」を読まない」という本を紹介していました。因縁があったようです。今度ちゃんと読んでみたいと思います。