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【社員コラム】有機的なゴミの中で眠る

5月6日、3年ほど前にやってしまった背骨骨折の治療のために、所沢市にいるゴッドハンドを訪ねました。3ヶ月待ちの人気治療院。あんな女優さん、スタジオジブリのあんな巨匠たちも痛みを和らげるために通う場所です。背骨がくっついている肋骨の底あたりををゆっくり左右に動かす訓練をして治療は終了。背骨と肋骨と筋肉は体を支え内臓を守ってくれていて、その人に合った良きポジションにあることが大切です。1箇所でも微妙にズレただけで体全体に影響が及びますので注意が必要です。

先生に別れを告げるころには、こわばっていた筋肉や筋の緊張が取れて体が楽になっています。帰途、見上げるとこんな空。

上空の風が強いということがわかります。久しぶりに目にゴミが入りました。WOW。いてぇ充血。

最近、ゴミという言葉とデブリという言葉が脳内で一致しています。スペースデブリなどでデブリという言葉を知っている方も多いかもしれませんが、つまりはゴミのことです。宇宙にゴミが散乱しているということですね。そこに散乱しているのは無機的なゴミ、無惨に置いていかれた残骸。仕事を終えた人工衛星、ぶち上げられたロケットの破片などです。ゴミにも色々あるわけです。

『ジョジョの奇妙な冒険』という漫画がありますが、第2部のラスト、主人公のジョセフ・ジョースターに宇宙に吹き飛ばされた超生物カーズは地球に戻ること能わず「考える」のをやめます。宇宙でも死ねない体なので有機的なデブリとなりました。無機質なスペースデブリと違ってカーズは有機的なスペースデブリと呼んでもいいでしょうか。いつか地球に戻ってくるかもしれませんし。

最近、僕は有機的な方のデブリの中で寝る体験をしました。ゴミの中で寝るなんて想像つかないかもしれませんが、それがこちら。

なんじゃこりゃ?ただの枯葉の山?と思われた方もいると思います。

これは「デブリハット」というシェルターです。よく見ると枯葉の山に穴(入り口)が空いています。

ハットは英語で小屋という意味です(ピザハットやリンガーハット的な)

つまりこれはゴミの小屋です。

この中で、一夜を明かすことを想像してみてください。

チクチクするのか?寝心地はいいのか?足を伸ばせるのか?雨が降ったらどうするんだ?暖かいのか?ひんやりするのか?

チクチクしません。寝心地は人工物のベッドよりいいかもしれません。足は伸ばせるし自分の体温をこもらせてくれるので暖かいです。作る段階で気をつければ相当な豪雨にならない限り雨は入ってきません。もしかしたら豪雨も防げるかもしれません。内部はどんな構造をしているのかと言いますと。

(入り口の逆から見た写真)

こんな骨組みです。人間の背骨に当たる太めの倒木を1本、入り口付近の2本の木で支える3点支えの構造で、さらに少し細めの木を並べ屋根を作ります。まさに肋骨のように。この骨組みのポジションとバランスをしっかりとらないと崩れますので注意が必要です。

そこに枯葉を被していきます。細かい注意点などは割愛しますが、これは人間の体温を保持するための寝床(シェルター)です。

自然災害による被災、山での遭難などで1番重要なのは空気を確保、2番目は体温保持です。3番が水。35℃以下の状態3時間で人間は死にますので。そのためにもデブリハットはひらけた場所に、入り口は南東向きに作ります。一番冷える朝方、太陽の光をいち早く入れるためです。全ては体温保持のため。

枯葉に潜むダニにやられてダニアレルギーになる可能性もあるそうですが、寒さで体温低下するよりはましです。煙でも焚けばダニは死滅するでしょう。

そして、有機的なゴミ小屋、デブリハットの中で横になって考えたのは、枯葉や倒木はやがて朽ちて無くなっていくもの、でもやがて復活するもの、その自然サイクルの中の一瞬を利用する知恵であるということです。自然サイクルのあるものには勝てないなと。それが有機的なデブリを好きになった理由であり、有機的と頭につける理由です。

『ジョジョの奇妙な冒険』第7部「スティール・ボール・ラン」の中でジョニィ・ジョースターは「無限の回転」、第5部でジョルノ・ジョバーナは「生命エネルギー」の能力を発揮します。無限に回転する自然のサイクルには勝てないなと。

改めて、有機的なデブリと知恵って、すげぇ。

(焚き火の組み方の1つ、ティピ)

焚き火1つとってもデブリが必要、知恵が詰まっています。このような枝の組み方、葉っぱの入れ方じゃないと火がつかないし、長く火がもたないんです。

有機的なデブリとシンプルな構造って、すげぇ。今度、デブリハット立てにいきましょう!

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