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反射するな考えろ

ダイレクト出版の社員に向けて書いたレターを転載しています。

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To: ダイレクト出版のみんなへ
From: 小川忠洋


「仕事が早い」のと「仕事に反射している」のは違う。
目に見える行動としては、どちらも同じく素早く仕事をしているように見えるが、中身は全く違う。

みんなも心当たりないだろうか。

ウチで働いている人は大抵、仕事が早い。
ベーシックスに「スピード」とあるくらいなので、ぼくらがスピードを重視してるのは言うまでもない。

ただ、スピードが早いって言うのは、ただ単に作業を早くやるってこととは意味が違う。
無駄な作業をどれだけ早くやったところで、それに価値はない。
ポイントは、価値を生み出す仕事、優先順位の高い仕事を「素早く」やることで、これは、「考えて」「判断する」必要がある。


仕事の早い人には2つのタイプがいる。
それが、冒頭に言ったことでもあるが、2:8で早い人と反射的に早い人。

2:8で早いというのは、自分の仕事の目的や責任を理解して、たくさんある業務の中から、重要な2割を素早くガンガンやっていくタイプ。
あるいは、「主体的に早い」と言うこともできる。主体的に早いというのは、自分の頭で考え、判断して、やるべきことを素早くやるという意味だ。

一方で「反射的に早い」というのは、膨大な仕事の中から重要な2割を見出すことなく、片っ端から、どんどんやっていくタイプ。
あるいは主体的に早い人に対して言えば、優先順位を考えて判断することなく、思い付きを、日々、ひたすら実行するタイプ。

んで、どちらのタイプも、仕事の初歩では、そんなに問題ない。
つまりは、1プレイヤーとしてチームに参加している場合は、もちろん、2:8で早い人のほうがいいには決まっているが、反射的に早い人は大抵、頑張り屋なので、ひたすら作業を完了させていくから、最初のステージではそんなに悪くない。

ところが、成果を出して、と言うか成果を出せば出すほど、より高いレベルの仕事や責任が求められる。そうなった時に、大きな「差」がでてくる。

つまり、反射的に動いていた人は、突然、何をやるべきか「判断能力」が付いてない、あるいはその能力の経験値が低い、、、ということに気づかされる。
反射的なタイプが成果を出せていたのは、上司がやるべき仕事を「判断」していたからで、自分自身で判断する状況になると困るわけだ。

一方で、常に主体的に自分の頭で考え判断していれば、判断の経験値が積まれて、仕事の責任範囲が大きくなった時もそれなりの準備ができてるわけだ。


反射的なタイプによくあるのが、ジャスト・アイディア症候群だ。
まぁ、ぼくも人のことを言えたタチではないが^^;

つまり、思いつきを片っ端から実行していく。
寺本さん が昔、事業部門合宿で話してたように、PDCA > PDCA > PDCA ではなく、JD > JD > JD ( Just idea , Do )の繰り返しって感じ。

それから反射タイプが常に頭の中を占めているのは、もっとも最近の出来事や情報。
一番、最近起きた出来事や、最近読んだ本に「反射」しているわけだ。

その出来事に対し、今、対応すべきなのか?その情報に対し、今、やるべきなのか?
と、一歩立ち止まって考え、判断することなく、ただひたすら実行してしまうってことだ。

反射タイプは初期は人より早く結果を出すが、残念ながらそれっきりでそれ以降は伸びようがない。


仕事が早いことはトッッッッッても良いことだが、「反射」しているなら、それは仕事が早いって言えるか?

「げ?オレ、反射してるかも!?」と思った人、安心してほしい。
これは、誰もが心当たりがあることだ(笑)

大切なのはバランスだ。
思考や判断ばかりに偏ると、今度は実行力のない評論家みたいなのが出来上がる。

大切なのは「意図的に」仕事をすることだ。反射を減らして「意図的に」仕事をすることだ。


PS:
ちなみに脊髄反射って言葉があるが、これは外部からの刺激に対して脳を使わずに反射的に体が動くことを指していて、「頭を使わないで反射的に仕事をする」って言うメタファーでも使われる。つまり反射ってのは人間の脳を使わなくても動物でもできるってことだ(笑)

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