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あなたの転職、エージェントに任せて本当に大丈夫?ITエンジニアが気をつけたいポイント

こんにちは、元バンドマンで今はIT企業で人事の仕事をしている兵永です。

「転職エージェント」のサービスを利用したことはありますか?

「人材紹介サービス」と呼ばれることもあり、仕事を探している人と企業とのマッチングをサポートしてくれるサービスです。自分の希望や条件に合う企業を探して無料で紹介してくれるとても便利なサービスのようにみえますが、実際のところはどうなんでしょうか?

採用する企業側からみても、求職者が「転職エージェント」のサービスを使ったほうが良いパターンと、そうでないパターンがあると感じています。

エージェント企業がどのように利益をえているのかや、企業側の思いも含め、ITエンジニアの「転職エージェント」の利用ポイントについてお話します。

・転職エージェントビジネスの仕組み

求職者からしてみれば、「無料で自分の希望の仕事を探してくれる!」や、「就職活動のアドバイスをしてくれる!」という有益なサービスのように見えますが、なぜ無料でそこまでしてもらえるのでしょう?

就活エージェントとは人材紹介会社のサービスを求職者側からみた呼び方で、人材紹介のサービスは一般的に以下の様なビジネスの流れとなっています。


▲人材紹介サービスの流れ

①求職者の登録とカウンセリング

・求職者はWebサイトなどで人材紹介会社のデータベースに登録し、希望する職種や勤務地、キャリア目標などを伝えます。その際に履歴書や職務経歴書を提出します。
・エージェントがキャリアアドバイザーとして面談やアドバイスをして、求職者の希望を明確にしていくこともあります。

②求人情報の提供

・エージェントが求職者の希望やスキルに基づいて、適した求人情報を提供します。
・中には一般に公開されず、人材紹介会社しか持っていない求人情報を提供することもあります。
・求職者は人材紹介会社が提供する求人情報の中から、応募するかどうかを決めます。

③応募・選考支援

・応募意思が固まったら、エージェントを経由して募集する企業に求職者の応募書類を送り、企業との間で面接の日程調整などを代行します。

④面接・内定

・求職者が面接を受け、内定が出た場合、エージェントが条件交渉や入社手続きをサポートします。


求職者は無料でこのようなサービスを利用できますが、それは採用する企業が人材紹介会社に採用手数料を支払う事でビジネスとして成り立っています。

通常は成功報酬といって、一人入社するごとに手数料の支払いが発生します。

入社する方の初年度の想定年収(1年間で得る予定の給与)の20%~35%くらいが現在の手数料の相場となっているので、例えば年収500万円の人材を採用した場合、企業は100万円~175万円を人材紹介会社に支払うことになります。

求職者からみたメリットとデメリットを簡単に整理すると以下となります。


●求職者のメリット

・一般には公開されていない求人情報を得ることができる。
・自分で求人を探す手間やコストを削減できる。
・カウンセリング、書類作成支援、面接対策など専門的なサポートを受けられる。
・給与や勤務条件の交渉などをエージェントが代行してくれる。
・入社後のフォローアップがある場合も。

●求職者のデメリット

・提案される求人はエージェントの取引先企業に限定される。
・担当者と相性が悪いと希望通りのサポートや求人情報を得られない場合がある。
・エージェントやカウンセラーによってサービスの質に差があります。
・エージェントは自社の利益を考慮するため、希望と異なる求人を勧められることもある。

求職者にとっては、ある程度受け身でも希望の求人に巡り合うことができる上、求人サイトだけでは分からない企業の情報をエージェントから共有してもらえる点も安心に繋がるのではないでしょうか。

とはいえ、企業や担当者によってバラツキが発生するものなので、ただただ受け身でサービスを利用するのも考えものです。

自分にあったエージェントを選んで、積極的にコミュニケーションを取ることが求められるようです。

・企業の人事から見た人材紹介サービス

企業がお金を払ってでも人材紹介サービスを利用するのは、やはり使うメリットがあるからなのは間違いありません。

短期間で適切な人材を見つけることができたり、エージェントがある程度要件にあった候補者を紹介してくれる事で無駄な採用工数を減らすことができます。

特に難易度の高いポジションの採用や、専門的なスキルや経験を求める採用の場合、エージェントのネットワークを活用することで効率的に進めることができます。

ただし、採用をする立場からすると人材紹介というのは大きな費用がかかるため、当然費用対効果が期待できる場合の求人で利用する事を考えます。

求職者を採用するにあたって、高額な手数料を払ってでも採用する価値がある求人であるということです。

逆に言えば、簡単に採用できるようなポジションの採用や、そのポジションに就いた人が得られる利益が大きくないと予想される場合、人材紹介を使う理由はあまりありません。

シーエスコミュニケーションの場合は、未経験エンジニアの採用などは自社への直接応募や、求人広告媒体からの採用が主流となっており、エージェントからの紹介はほとんど利用していません。

求職者によっては「手数料がかかってしまうなら見送りかな」という判断になったり、「エージェント経由じゃなければ採用してたかもな」と思わないことも無いのが本音です。

とはいえ、求職者有利の売り手市場が加速している状況なので、人材紹介の需要が高まっていることは間違いないと感じます。

現在は成功している採用手法でも、数年後も同じようなやり方が成功するとは限らないと考えています。

・転職エージェントの向き不向きと上手な使い方

求職者が転職エージェントを利用する時には、人材会社の思惑も、求人を出す企業の思惑も、考慮したうえで利用するのがいいのではないでしょうか。

人材会社は、既に記載したように想定年収が高い人物を企業に入社させる方が売上が大きくなるという仕組みがあります。

またエージェントが顧客企業のリクエストに答えるために、求職者がその企業を希望するように誘導するようなテクニックを使うこともあるようです。

早期に退職となってしまうと、企業への返金が発生するような規約があるため、退職を引き伸ばそうとするエージェントの話も聞いたことがあります。

本気で求職者に親身になって考えてくれるエージェントであれば、そんな心配は無いのでしょうが、サービスと言ってもビジネスであることには代わりありません。色々な利害関係がそこには生まれます。

自身が転職エージェントを利用した方がいいのかどうかもよく考えたうえで、利用するのであればすべておまかせと受け身になって考えるのではなく、希望職種や条件などはしっかり自分の意志を持ち、最終的には自分で決める覚悟を持って利用しましょう。

そういう意味ではITエンジニアの場合、自分のスキルや得意不得意を理解して、転職先に求める条件なども具体的に決まっている人の方が、転職エージェントを使っての転職に成功しやすいように思いますね。

今回は「転職エージェント」について、企業の人事側として見えていることや思っていることにフォーカスしてみました。

これから利用を考えている人に少しでもプラスの情報になれば嬉しく思います。

ここまで読んで頂きありがとうございました。


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