こんにちは、クロスログの宮原です。
このたび、クロスログで新しい福利厚生の導入を決定しました。光熱費補助と食事補助、それぞれ月5,000円です。
光熱費補助は9月から、食事補助は10月からスタートします。
この2つは私が決めたものではありません。メンバーから挙がってきた声をもとに決まりました。
そもそも私は、社長が勝手に決めた福利厚生に、いいものはないと思っています。使うのは私ではないので、私が思いつきで用意したところで、当たるかどうかは運です。だから意見を聞いたうえで採用する、というスタンスでやってきました。
ボトムアップで決めること自体は、これまでもやってきたつもりです。出張交通費の策定なんかもそうでした。ただ今回は、その声の集め方がこれまでと違いました。
書きたいのは福利厚生の中身よりも、声の集め方の話であり、自分としては大きめの反省がありました。
とはいえ、まず福利厚生の話も少しします。フルリモートの会社ならではの、選び方もあると思います。
フルリモートでの福利厚生の選び方
クロスログは完全フルリモートの会社です。全員が出社せず、自宅で仕事をする前提で環境を整えています。
そうなると、まず通勤交通費が発生しません。その分をメンバーに還元したい気持ちはずっとありました。
一方で、いわゆる「オフィスに置く」タイプの福利厚生は、やりたくてもできません。ウォーターサーバー、無料自販機を置くとか、またイスなどの家具や設備に投資するなど、そのような選択肢はそもそもオフィスに誰もいないので成立しないのです。他社の福利厚生の事例を見ても、うちの環境だとそのまま使えないものも結構あります。
その中でやれることはありますが、オフィスに対してではなく、一人一人の在宅環境に合わせないと意味がありません。そんな中、ありがたいことに事業が軌道に乗ってきて、メンバーのやる気や定着、そしてこれから入ってくる人が入りやすくなるための福利厚生を、ちゃんと考えられるフェーズになってきました。
その第一弾として決めたのが、光熱費補助と食事補助でした。
(1) 光熱費補助 (月5,000円・9月開始)
こちらはシンプルです。
通勤交通費がかからない代わりに、メンバーは毎日家にいます。当然、エアコン代もネット代もかかる。働くために発生している負担なのに、個人の生活費として乗ってきてしまうわけです。ここは会社が一部持つべきだろうと考えて、全員一律で支給することにしました。
もちろん、これで全部まかなえる訳ではありませんが、少しでも足しになればという金額です。フルリモートを選んでいる以上、避けて通れないコストだと思っています。
(2) 食事補助 (月5,000円・10月開始)
こちらは HQ さんの「食事補助HQ」を利用させていただきます。社員ごとにクレジットカードを発行し、街中のお店が社食になる、というサービスで、購入額の半額が補助される仕組みです。
ちょうど食事補助の非課税枠が、月3,500円から月7,500円に引き上げられたタイミングでもありました。1984年から40年以上も据え置かれていた枠が、2026年4月支給分から倍増しています。いま食事補助の波は完全に来てるな、と感じます。
まず前提として光熱費もですが、一部社員だけが利益が出るのではなく、食事は全社員共通で必ず発生するものであることで選定してます。そのうえで、食事補助を選んだのには、光熱費とは少し違う狙いがあります。
在宅勤務が続くと、外に出る理由がなくなるんですよね。これは自分自身もそうなので実感があります。半額が補助されるなら「ちょっとコンビニでコーヒーでも買ってこようかな」となるかもしれない。そういう小さなきっかけになったら嬉しいなと思っています。
また、訪問の合間の時間をカフェで過ごすようなときにも使えます。用途が広いので、それぞれの働き方に合わせて自由に使ってもらえるんじゃないかと。
金額をどう決めたか
5,000円という額に、明確な根拠があるわけではありません。キリがいいこと、それからスタートはミニマムに、という2点です。
一番よくないのは、大きく始めて後から下げることだと思っています。まずは小さく始めて、無理なく続けられることを確認しながら、育てていければと。
合わせて月1万円。シンプルに言えば、それだけ昇給したのとほぼ同じことになります。
どのように決まったのか?
さて、ここまでが制度の話でした。
問題は、この2つがどうやって決まったのかです。
私は普段からメンバーと1on1をしています。回数もそれなりに重ねてきましたし、そこで挙がった要望には、できる範囲で応えてきたつもりでした。
だから、「うちは要望を気軽に言える関係性ができている」と思っていました。思っていました、というのがポイントで、これが本当に「つもり」でした。
きっかけは、バックオフィス担当のやまてぃが動いてくれたことでした。
メンバーに対して、福利厚生や働き方についてのアンケートを取り、あわせて1on1を実施してくれたんです。「福利厚生のことでも働き方のことでも、何でもいいので気軽に話してください」という内容で。
これ、私以外のメンバーが1on1をやったのは、会社として初めてでした。
想像していなかった要望が出てきた
結果、自分が想像していなかった要望が、いくつも挙がってきました。
しかもそのいくつかは、私には言いづらかったことだったんです。私が直接聞いていたときには一度も出てこなかった話が、間に一人挟まっただけで、するすると出てくる。
正直、ここまで違うのかと思いました。
でも、考えてみれば当たり前なんですよね。代表に面と向かって「この制度がほしい」と言うのは、それなりに気合いがいる。断られたら気まずいし、そもそも「こんなことを言っていいのか」の判断も難しい。
私は「気軽に言っていいよ」と言い続けてきたつもりでしたが、言っていいか言いにくいかを決めるのは、言われる側ではなく言う側なんです。当たり前のことなのに、分かっていませんでした。
というより、「気軽に言える関係だ」と自分で思い込んでいたこと自体が、聞き手としての想像力を止めていたのだと思います。ここが一番反省しているところです。
相談の経路は、意図的につくるもの
学びを一言でまとめるなら、こうなります。
組織が大きくなるにつれて、「誰に言うか」の選択肢を意図的に用意しないといけない。
人数が少ないうちは、全員が私に直接言えばよかった。それで実際に回っていました。でも人が増えると、私との距離感は人によって違いますし、入社時期によっても違う。同じ「直接言ってね」でも、届く人と届かない人が出てきます。
だとしたら、経路を増やすしかない。私に言う道と、私以外に言う道。それを関係性任せにせず、仕組み化する。「うちは風通しがいいから大丈夫」で済ませてはいけなかったな、と。
フルリモートだと、なおさらだと思います。隣の席の人と話すこともなければ、飲みの席でぽろっとこぼれる機会も少ない。言うためには、わざわざ時間を取って画面越しに切り出さないといけない。そのハードルの高さを軽く見積もっていました。
そして怖いのは、経路が足りていないことは、足りていない側からは見えないということです。
要望が挙がってこないとき、それが「不満がないから」なのか「言いづらいから」なのかは、区別がつきません。私は楽観的に前者だと思っていました。今回たまたま別の経路ができたから見えただけで、そうでなければずっと気づかないままだったはずです。
大きく拡大することが目的の会社ではないですし、最少人数で業界にインパクトを与えるほうがカッコいいと思っています。だからこそ1人1人が大切で、同じ組織に所属してくれたからには充実した日々を過ごしてほしい。そう思っているので、その気持ちを関係性ではなく仕組みに変換しないといけなかったということです。
これから
今回挙がってきた声のうち、すぐに形にできたのが光熱費補助と食事補助でした。
一方で、応えられなかった要望もあります。ただ、それらも流さずにきちんと管理して、順番に進めていきます。「聞いたけど何も起きなかった」が一番よくないと思っているので、ここは責任を持ちたいところです。
福利厚生は今後も増やしていく可能性はありますが、決め方は今回のやり方を続けます。私が思いついたものではなく、挙がってきたものから形にしていく。そのほうが確実により良い制度になると考えています。
そして、私自身の1on1もこれまで通り続けます。むしろ、経路を増やしたからこそ、私が直接話す場はより大事になると思っています。
この人数だからこそ、代表の私がメンバー一人一人と会話できる状態は、意地でも維持したい。3ヶ月に1回は必ず、そういう場をつくっていきます。私の方からも話したいことはあるので、きっかけとしての枠がちゃんとあるのは、お互いにとっていいことだと思っています。
制度が増えたことよりも、声が挙がってくる経路が一本増えたこと。そのうえで、私に直接言う道も残っていること。この2つが揃ったことが、今回の一番の成果だと思っています。何事も経験ですね、ほんとに。
まずは9月と10月、動かしてみます。
引き続き「在宅医療を当たり前に」を実現するべく、プロダクトにも組織にも向き合っていきます。クロスログを、どうぞよろしくお願いします。
先月8月に実施した全社集会。真面目に会社の未来を考える回でした。
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