今回は、企画開発・サポート部 取締役CTOの細川 泰生 (ほそかわ たいき) さんとセールス&マーケティング部の新村 成世 (にいむら なるせ) さんの対談です。
当社のアンケートサービス『CREATIVE SURVEY』は、様々な新機能を搭載しながら進化してきました。それらの機能はどのように生み出されたのでしょうか?企画開発サイド、ビジネスサイドとして異なる立場で機能・サービスの向上に関わる2人から話を聞きました。
クライアントの要望を、汎用的に使えるスタイルに
――新機能や新サービスは、どんな流れで生まれることが多いのでしょうか?。
新村:色々なパターンがありますが、代表的な例として「スコアロジック」という機能を例にとって「要望」から「どう作っていったか」の道筋をお話ししてみましょうか。
ーーまず、スコアロジックとはどんな機能なのでしょう?
スコアロジックは、アンケートの選択肢ごとにスコアをつけることができ、そのスコアが自動採点される機能です。得点形式のクイズをイメージしてもらうとわかりやすいと思います。例えば、正解を選ぶと10点ずつ付与されて全10問正解すると100点、100点を取れた人には特典があります、というようなキャンペーンがこの機能によって実現できます。
当然クイズ形式で使用していただくことが多いのですが、eラーニングやマーケティングにも活用されています。
eラーニングの場合、社員のセキュリティ意識テストや、新入社員の研修テストにご利用いただいています。マーケティングのスコアリングでは、多くの方が1度は答えたことがあるであろうロイヤリティスコアの調査がいい例ですね。「満足いただけましたか?」に対して、「大変満足」を選ぶと5点、「まあまあ」を選ぶと3点みたいな。
少し見方を変えるだけで、様々な用途が考えられるのが、スコアロジックの特徴だと思っています。
――これはどういったきっかけで生まれた機能なんですか?
新村:きっかけは、あるクライアントからの「クイズキャンペーンがしたい」という要望でした。当時の『CREATIVE SURVEY』には該当する機能がなかったので、その要望に応えられて、なおかつ汎用性を持たせられる機能をつくろうということでスタートしました。
細川:クライアントからの要望は「アンケートを使ったクイズキャンペーン」であって「得点を出して採点できるような機能が欲しい」ではなかったのですが、そこを「自社サービスとして」どう作るか、が重要なところ。その1社だけのためにカスタマイズするのではなく、開発するのなら、その後の他社にも展開できるような用途が欲しい。つまり、汎用的に使えるようにしたい。じゃあどういうスタイルに落とし込むのがベストか、と社内で話し合った結果生まれたのが、質問ごとの採点機能「スコアロジック」だったというわけです。
ちなみに方向性が見えてからは速かったですね。アジャイル開発でどんどん進めて、そのクライアントには、最初に要望をいただいてから約2ヵ月で提供しました。
新村:この機能が搭載されたことで、セールスの可能性はグッと広がりました。単純な話、「eラーニングにも使えます」と言えるか言えないかで、eラーニング導入を考えている企業のニーズが取れるかどうかが大きく左右されますからね。
また「ただアンケート結果を出すのではなくてレーダーチャートにしたい」という場合、スコアロジックを使えば回答に点数が付与されているので、簡単にできます。これを言えるか言えないかもすごく大きい。既存クライアントに「こうやって使いませんか?」と提案できるのはもちろん、新規のセールスでヒアリングできるニーズも変わってきます。
それは、「つくる意味」を見出だせる機能か?
――新しい機能をつくる際、基準にしていることは?
新村:「スコアロジック」の場合クライアントからの要望がきっかけでしたが、要望があればその機能を絶対につくるかというとそうではありません。
セールス目線で言うと、「クライアントの要望どおりの機能をつくってもらって納品して終了」のほうが本当は楽(笑)。でも、会社としての観点で言うと、何でもつくればいいわけではないんです。機能のその先まで広げて考えていかないと。
細川:そういう意味では、セールス担当にはだいぶ板挟みになってもらっていると思います(笑)。自社でSaaSプロダクトを運営している以上、何をつくるかは長い目線で見極めなくてはなりません。ただ目の前にいる人の要望を満たすのではなく、その先にいるできるだけ多くの人の要望を満たすサービスは何なのかを考えるんです。
僕ら企画・開発サイドの人間は、基本的に直接クライアントと会わないようにしているんですね。その理由は、社の一員であるセールス担当のフィルターを通して、どう聞こえたか、それはいい機能か、今後の発展性があるのかを、フラットな目線でジャッジしたいからなんです。
新村:セールスとしても、その要望をいただいたクライアント以外への「売り方」を具体的にイメージできるかという視点は常に意識しています。「あのクライアントが興味を持ってくれそうだな」と担当者の顔が頭に浮かべば、その機能はイケるだろうというのは、僕の中で1つの基準になっていますね。
細川:クライアント、セールス、開発など、立場が違えば当然視点が違います。社内の話し合いでも、全員が同じようにユーザーファーストを考えていたところで、それぞれに視点が違う。だからみんなで意見を出し合うと話し合いが難航することもあります。しかしその時点で納得できず「つくる意味」を見出せないサービスには、つくる価値もないと思うんですよ。「なぜ?」に対し「この機能はこういう理由で絶対に必要」ということをどれだけ熱意を持って説明できるか。そこはとても重要です。
「思考のタネ」に芽を出させるために
――クライアントからの要望以外では、どこから新機能の発想を得ているのですか?
細川:週1の全社定例会議の場で、課題感や意見、クライアントからの質問等のトピックをシェアして、「思考のタネ」をまいています。そのタネを各々が持ち帰って、あとから「ちょっと思いついたんですけど」と話しかけられて議論が始まり、形になっていくというのはよくあるケースですね。
というと、僕が司令官的に指示を出して各自の役割を果たしてもらっているように感じるかもしれませんが、決してそうではありません。全員が自分の中で考えを深めていくのが良いサービスを生み出すポイントなんです。
思考の上で大事にしているのは、エンドユーザーから始めようという考え方です。
企画書を書く時って、コンセプトや意図があって、それを達成するにはどうしたらいいかという順序だと思うんですけど、当社の場合は逆。ユーザーが使用している姿、そこから得られる効果を想像して、じゃあ何があればいいんだと考えていくんです。
新村:細川さんは、ユーザーがこういう使い方をしていたよ、こういうアンケートをしていたよという情報を、逐次チャットでシェアしてくれていますよね。それも考えるいい材料、タネを育てる肥料になっていると思います。
細川:逆に言えば、タネをまかれても気づかなかったり、自分の頭で考えようと思わない人にとって当社は面白くないと思います(笑)。間違っていてもいいから、とにかく自分の言葉で喋ってみようと思える気概があるといいですよね。
自分の言葉で自分の意見を。サービスの成長に必要なのは全員の「マイボール感」
――これからもどんどん『CREATIVE SURVEY』を進化させていくために、社員にはどんな力が必要だと思いますか?
細川:「受け入れずして思想を嗜む」という言葉があります。人と人は分かり合えない、違う考え方で当たり前。大事なのは、自分の考えを持った上で他者の考えを嗜む能力だということです。まさにそれが必要な力だと思います。
その上で、エンジニアには自分の成長に対するハングリーさを持っていてほしいと思うんです。常に相手に問い、自分も問われる関係のなかでエンドユーザーを想像してサービスをつくり続けるには、流行りの言語やフレームワークができればいい、技術があればいいというわけではない。企画・開発力への期待に応え続けるためには、自分自身が成長し続けようという気持ちが不可欠です。「どういった自分になっていきたいか」という目標にハングリーである人が、仲間になってくれると嬉しいですね。
新村:僕は、ビジネスサイドであっても「ITが好き」「サービスが好き」という感覚を持っている人にジョインしてほしいです。そういう人は、自然とITやWebサービスにアンテナを張っているでしょうし、その意識がセールスとしてのレベルアップに繋がりますから。
セールスって極端な話、自社のサービスに興味がなくても売れればいいんですよ。それ自体は間違っていない。でも、それでは『CREATIVE SURVEY』を売るための説得力は得られないと思うので、自分がプロダクトオーナーであるかのように振舞ってほしいですね。当社のサービスを面白がって、自分だったらこうしたい、こういうことができたらいい、と自分なりの考えを持って、自分の言葉で語ってほしいなと。
細川:「マイボール感」ですね。
新村:そう、「マイボール感」。セールスだけ、開発だけ、カスタマーサポートだけ……と自分の業務領域だけではなく、全員がマイボール感を持ってサービスに向き合ってアップデートしていく。それがクリエイティブサーベイという会社の在り方だと思っています。
――細川さん、新村さん、ありがとうございました!
written by CASTER BIZ recruiting
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