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地方の大規模商業施設と地元商店は、トレードオフか!?

我々のところに「地方都市における大型商業施設」のコンセプトワークの依頼があったのは、沼津に「ららぽーと」建設の事業決定がされる前だった。沼津市といえば、人口が20万人にも満たない地方都市。そんなところに「ららぽーと」のような巨大な商業施設ができたら、地元の商店はどうなってしまうのか。我々はすぐに、地元商店街へのハレーションを想像した。しかし、沼津を中心とする静岡県東部のリサーチをすすめるにつれ、地域の奥深い豊かさや、人々の優しさ、強さ、そして町の楽しさにふれるたび、前述の憂慮が杞憂であることを確信するに至った。そして、「地方の大規模商業施設と地元商店は、トレードオフか!?」。この問に真っ向から向き合う場所づくりをスタートさせた。それが「沼津コート」。

「沼津コート」は、「ららぽーと沼津」内にある共用コミュニティスペースとして、「ららぽーと沼津」の開業と同時の2019年10月にオープンした。

「ららぽーと」は、スーパーやグローサリー等の食物販から、ファッションや雑貨などの物販はもちろん、多彩な飲食店や、ゲームセンター、シネコンなども入居する、ワンストップですべてが揃う巨大な総合型の商業施設だ。「ららぽーと沼津」のターゲットエリアは、車でだいたい40分圏かそれ以上の圏域。毎日大勢の人々が、車を飛ばしてここに来て、食事して映画見たり、ちょこっとおみやげ買ったりなど、半日楽しく過ごしていく。このように毎日人口が一箇所に集中する場所って、なかなか地方都市には無く、希少な存在である。沼津市のような地方都市では、日中街路を歩いている人影はまばらで、ららぽーとのように人口が集中しているということは、お祭りでもない限りありえない。これは、ウォーカブルな範囲にコンパクトに都市機能が集中していない(都市機能が市中広域に分散している)ため、どうしても車移動が主となり、街路の人影がまばらとなるという、地方都市にはありがちな状況をつくってしまうためだ。だから仮に、志のある若者がイケてるコーヒーショップを立ち上げても、目の前を通る人影がまばらで、広報活動にも苦労することになる。結局は同じ空気感を共有するの仲間内だけのマーケットとなってしまい、その「仲間内コミュニティ」を大切にするがあまり、他のコミュニティとのつながりが希薄となり、最終的には存続の危機がいずれ訪れる。このようなケースは、多くの地方都市アルアルであり、志を持つ若者の大きなハードルとなっている。でも、地方にはたくさんの才能があり、技術があり、アイデアがある!我々は、それを絶対に見過ごせない!

一箇所に人口が集中している場所は、たくさんの人々の目に触れる事ができる。閑散としている場所は、ひとの目に触れる機会も少ない。地方都市の街路と、ららぽーと内の通路では、圧倒的な通行人数の差がある。だからこそ、「沼津コート」のような共用コミュニティスペースが、ららぽーとの真ん中で、前述のような若者のコーヒーショップ等を紹介することで、地域を、市中を、活性化させていこう!、というのが、「沼津コート」のコンセプトである。そう。「沼津コート」のモデルは、非常にシンプルなのである。

「地方の大規模商業施設と地元商店は、トレードオフか!?」この問いに答える、などとなにやら難しそうに言っているが、「沼津コート」のモデルは非常にシンプル。心臓のように「沼津コート」がポンプの役割を果たすということ。心臓は、動脈で体中に栄養と酸素を送り、静脈で心臓にまた血を戻していく。「沼津コート」も同じ。地元の良さをららぽーとの真ん中で知ってもらい、市中に人々を送り出すということ。

たくさんの人が集まる巨大な商業施設だからこそ、毎日沢山の人に、地元地域の面白い“モノ・コト・ヒト”に触れていただくことが可能なのだ。だからこそ「沼津コート」のスタッフ(コミュニケーター)は、地元で頑張っているセレクトショップや、デザイナーや、アーティスト、陶芸工芸作家さんや、素敵な農産品やおもしろいおっちゃんなど、日々発見に努め、ららぽーとの真ん中で紹介し、その魅力を知ってもらい、「沼津コート」から、市内へ、地域へ、送客をはかっていく活動に楽しく汗をかいています。その活動も1年が過ぎ、今では逆に、地元の方々から「沼津コート」を活用したい、という声を多くもらうようになり、様々なイベントやワークショップ、ギャラリー展示などの開催を通じて、多くの人々が繋がっていく場所に育ってきた。これらのイベントは、ららぽーとの集客にもつながっている。結果、まさにトレードオフではなく、WIN=WINの関係を構築したことになった。地元のイケてるモノがいつもキュレーションされている物販や、イベントなどを通じて面白いヒトに出会える。そして、それを楽しんでくれる人がいる。さらに、次は私がこの場所で発信していこう!という、地元の志やアイデアのサーキュレーションが生まれれば、そのトライアングルはまさに「3方良し」の場所となっていくだろう。

「沼津コート」スタッフ(コミュニケーター)の役割は、地元地域の、面白い“モノ・コト・ヒト”をたくさん集めて、繋いでいくこと。まさにコミュニティ・ビルド。これからも、地域のコミュニケーターとして機能し、大規模商業施設と地元を繋いでいきます。


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