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貿易テックのプロダクト開発が最高に面白い3つの理由

はじめに

こんにちは!2021年12月にShippioにプロダクトマネージャーとして入社した柳沼です。貿易業界を明るく変えるために、日々プロダクトづくりに励んでいます。

突然のド直球アピールで恐縮ですが、Shippioのプロダクト開発は今めちゃくちゃアツイと思っています。入社前から「これは面白そうだ」とは思っていましたが、実際に日々プロダクトづくりに取り組む中で「やっぱりこれは面白いぞ!」と確信した次第です。

このnoteでは
・なぜ貿易テックのプロダクト開発が面白いのか
・なぜ今こそ貿易DXを加速させる必要があるのか
を自分なりの視点でご説明します。

本稿を通して、貿易テックやShippioのプロダクト開発について少しでも興味をもっていただけたら嬉しいです。

Shippioのプロダクトについて

本題に入る前に、Shippioのプロダクトについて簡単に紹介させてください。Shippioは日本初の「デジタルフォワーダー」です。つまり、テクノロジーをフルに活用したフォワーダーです。

「そもそもフォワーダーってなんや...」

わかります...。私もつい数ヶ月前まで皆さんと同じように「?」状態でした。

フォワーダーとは、国をまたいだ輸出入を行うお客様(荷主)のご希望・ご依頼にあわせ、貨物を運ぶのに必要な海上輸送・航空輸送・トラック輸送・税関手続きなどを手配し、最適な国際輸送をアレンジする事業者です。


海外旅行のパッケージツアーをイメージすると理解しやすいかもしれません。旅行代理店がホテル・航空券・アクティビティ・現地の移動手段をすべてアレンジして提供してくれるサービスと同じ構造です。

しかし、貿易業界は旅行業界と違ってデジタル化が非常に遅れています。上述したような国際輸送の手配や手続きの多くは、電話、FAX、紙による管理で行われています。これが業務やコミュニケーションの非効率性、現場の重い実務負荷を招いているのです。

Shippioはこれらの課題を解消すべく、自社で開発したクラウドサービスを提供しています。お客様とShippioの双方がこれを活用することで、貿易業務の大幅な効率化を行い、ひいては貿易プロセスを根本から見直し変革することが狙いです。

Shippioクラウドサービス:貿易の状況をまとめて確認できるダッシュボード機能(デモ)


整理すると、デジタルフォワーダーとしてShippioが提供する広義のプロダクトは、
・最適な国際輸送をアレンジするオペレーション(フォワーディング)
・お客様とShippioの双方が活用するクラウドサービス
の2つです。

1. 貿易は人の生活と経済を支える基幹産業

前置きが長くなってしまいましたが、本題に移ります。

貿易テックのプロダクト開発が面白い理由。それは、貿易が人々の生活と経済を支える基幹産業であり社会インフラだからです。

「貿易」と聞くと、一瞬「ちょっと自分とは遠い世界かも」と思った方が多いのではないでしょうか。そう感じた方は、是非一度周囲を見渡してみてください。今日食べたお昼ご飯、着ている服、座っている椅子。身の回りのモノの多くは、無事に外国から輸入できたことでみなさんの元に届いています。

新型コロナウィルスの発生初期にマスク不足が深刻な社会問題となったのは記憶に新しいですよね。今は誰もが欠かすことなく毎日使用できていることは、私たちの生活が貿易に支えられている証拠です。「貿易」は、一見遠いように感じるけれども、実は全ての人にとって身近な産業です。

以下のグラフは、世界の海上輸送量(単位:百万トン)の推移を示しています。インターネットによる情報伝達のグローバル化とECの発達もあり、輸送量は増加トレンドにあります。言い換えると、人々の生活が貿易に依存している度合いはどんどん高まっています。


また、人口減少が続く日本では、多くの企業が外需を取り込むべく、製品の海外輸出を検討する必要性が高まっています。

このように、人と経済を支える社会インフラであり、日本企業の海外展開の基軸となる産業が「貿易」です。そんな領域の非合理を解消し新しいスタンダードを作っていく、社会的インパクトの大きなプロダクト開発、面白そうと思いませんか!?

2. 課題だらけの貿易業界。DXが急務。

貿易業界には解決すべき深刻な課題が大量にあります。

まず、先述したようにあらゆる業務がアナログな手法で行われており、長年にわたって改善されてきませんでした。
輸出入の案件は、大量の紙や秘伝のタレと化したExcelによって管理されています。
コンテナ船の運航スケジュールは、貿易実務担当者が複数の船会社のHPで都度確認してからExcelに転記して関係者に共有。コミュニケーションツールは電話やメール、時にはFAXを使うこともあります。
このような状態が続くと、業務は属人的かつ労働集約的にならざるを得ません。残業は減らず、本来取り組むべき新しい価値創出に時間を使うことができません。

一方で、国際物流の需要は増えるばかり。業務が非効率なままではどこかでパンクしてしまう恐れがあります。とりわけ人口減少が加速度的に進み若い労働力が確保しづらい日本では、事態の深刻さは言うまでもありません...。

これらに拍車をかけるように、新型コロナウィルスの影響で貿易業界はさらに混乱を極めています。経済活動が急回復しモノ需要が急増する一方、貨物輸送を担う労働者やコンテナが不足しているため、コンテナ船の大幅な遅延を招いています。これらはダイレクトに私達の生活に支障をきたしています。マクドナルドのポテトM&Lサイズの一時販売制限はわかりやすい事例のひとつです。



このような状態から、貿易担当者は
 ・いつ商品が届くのか
 ・いつから店頭で販売できるようになるのか
 ・請求書はいつ届くのか
といった情報について、社内外の様々な関係者から大量に問い合わせを受け、都度確認し返答をしています。これが現場の負荷をさらに増大させてしまっているのです。

つらつらと書きましたが、要約すると
「貿易業界は課題だらけ!DX待ったなし!誰かがやらないとヤバイ!」
ということです。

プロダクト開発に携わる人間にとって「課題が大量」というのは、頭を抱える状況ではありつつも、同時に大きなやりがいでもあるはず。貿易DXには無限の余白が残されているんです。

3. 課題解決が超難関

最後に、貿易業界の課題解決は超難易度が高い、ということをご説明します。
個人的にはこれが貿易テック特有の面白さだと感じています。

1. とてつもなく複雑な業界構造

貿易業界はとても複雑です。入社前からShippioのプロダクトについてインプットする機会は多々あり「複雑そうだなあ...」とは感じていました。が、実際に仕事をはじめてみると、想定の何倍も複雑じゃん!という所感です。完全になめていました...。

なぜ複雑なのかというと
・輸出入をしたい人(荷主)、貨物を運ぶ人(船会社やトラック会社)、その仲介を行いアレンジする人(フォワーダー)、貨物を保管する人(倉庫業者)、税関当局などステークホルダーがめちゃくちゃ多い。
・貿易はクロスボーダーの商取引。各国の商習慣や規制、言語、時差などまで考慮が必要。
・貨物の種類、輸送手段、貿易条件などによって必要な手続きが異なる
といった特有の変数や分岐が大量にあるためです。

以下は社内で整理した貿易取引の全体フロー(ボカし付)です。
ステークホルダーの多さと業務の複雑さが少しお分かりいただけるかと思います。
(これでもまだ表現しきれていない業務やイベントが多数あります)


2. Web上で完結しない、リアルな世界の不確実性

当然ですが、貿易の世界ではリアルなモノが、リアルな輸送手段を活用して、海を渡って運ばれてきます。言葉で書くと簡単ですが、ここには膨大な不確実性が潜んでいます。

先述したようにパンデミックの影響でコンテナ船が遅延することもあれば、社会情勢、天候、自然災害などが船のスケジュールに影響することもあります。また、様々な手続きで必要となる貿易書類に不備があった場合はイレギュラーな対応が発生しますし、税関の抜き打ち検査が行われることもしばしばです。

お客様(荷主)の輸出入を正確かつスムーズにサポートするには、リアルな世界で人によってモノが運ばれていることを再認識し、上記のような不確実性も加味したうえでプロダクトに落とし込んでいく必要があります。

このように、貿易テックの課題解決は本当に「超難関」だと身をもって感じています。だからこそ、プロダクト開発に関わる人にとっては、武者震いをするポイントでもあると思っています!

さいごに

ここまで読んでいただきありがとうございました。
貿易テックのプロダクト開発が、とても難しいけれど最高に面白い理由を、少しでも知っていただけたら幸いです。

今回は「貿易業界」というマクロな視点からプロダクト開発の魅力について書いてみましたが、今後はもっといろんな視点でShippioのプロダクト開発について発信していく予定です。

そんなわけで弊社Shippioでは、貿易テック領域で最高のプロダクトをつくるべく、一緒に航海に出る仲間を全方位で募集しています!是非、募集中の職種をご確認ください。

また、気軽にカジュアル面談にもご応募ください!直近での転職は考えていないけど話は聞いてみたい、という方も大歓迎です。職種問わず、ご連絡いただけましたら面談を調整します!

お待ちしております!

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