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貿易テックスタートアップShippioで1年働いてみて思うこと

(こちらは1年前に公開された記事の再掲です)

こんにちは!Shippio大阪支社セールスの川嶋です。
2020年3月30日にShippioにジョインして、ちょうど1年の節目を迎え、ITやベンチャーとはそれまで無縁だった私が、デジタルフォワーダーShippioで1年働いてみて思うことを書かせて頂きます。

はじめに

「デジタルフォワーダー」って聞いたことがない方がほとんどだと思います。
また、普段物流に携わられていない方からすると「フォワーダー」という言葉自体が耳慣れない言葉だと思いますので、簡単に説明させて頂きます。

まず、フォワーダーとは、海上、航空、陸送手配から通関までの手配を行う物流事業者のことです。 
Shippioはフォワーディング、通関、陸送に加えて、見積依頼、貨物の動静確認、貿易書類管理、請求書管理などの貿易業務をクラウド上で一元管理し、業務を完結することができるサービスを提供しております。

ソフトウェアを提供しているSaaS型企業として誤認されている場合も多いのですが、国交省から貨物運送利用関連免許を取得しており、実際「モノを動かしている」ことをここでは抑えて頂ければ幸いです。


物流畑出身の私は恥ずかしながらUIという言葉の意味を知ったのはShippioに入ってからで、初めてUIという単語を聞いた時、「UI」=「友愛」=「鳩山元首相」が脳内でイメージされてました。

大黒ふ頭を駆け回ることからはじまった社会人生活

まず、簡単に私のこれまでのキャリアを紹介させてもらいます。
私の場合、新卒で物流業界に飛び込みましたが、特に高い志があったわけではありませんでした。
ただ、漠然とした海外への憧れがあり、「物流会社であれば、将来はどこか海外で働けるかな」くらいな気持ちで、物流会社に入社しました。


(私の就活の様子)

私の社会人生活は、大黒ふ頭を駆け回る毎日から始まりました。
港の荒くれ者のおじさん達に可愛がって頂いたのも良い思い出です。
その後、貨物の国際輸送(フォワーディング)や通関を行う部署に異動になり法人営業に従事し、中国での駐在も経験させてもらいました。
この物流会社での経験が自分のキャリアの軸となっており、社内外の多くの方々に育てて頂いたことを今でも大変感謝しております。

なんとなく飛び込んだ物流業界で感じた課題

国際物流のダイナミックさ、奥深さ、面白さの虜になっていった一方で、他社との差別化が図りづらい労働集約型の業界構造、値段勝負になりがちな営業方法に疑問を持つようになっていました。
物流業界は、一般的に荷主(物流会社にとっての顧客)が物流会社に対して圧倒的に強い立場にあり、物流会社は荷主からの言いなりということも珍しくありません。

この荷主と物流会社の関係性が現在の「物流クライシス」を招いたとも言われております。おおまかな流れとしては以下の通りです。
①荷主から物流会社に値下げ要請を行う→②物流会社から子会社や協力会社に値下げ要請→③末端の物流企業は値下げを受け入れざるを得ない。→④給料は低いまま、長時間労働環境に陥りがち→⑤結果、物流業界が魅力のない業界になり、人材が不足する
というまさに負のスパイラルです。

これらの問題を解決するには、業務のIT化、自動運転技術の確立が必要であることは、当時の私にもなんとなく分かっていたのですが、ITや自動化の知見のない自分にはどうすることもできないと諦め、傍観者となっていました。

であれば、より強い立場の荷主で、さらに物量の多いメーカーで荷主側の立場からも物流に携わりたいと思い、中国から帰任したタイミングで大手電機メーカーへ入社しました。

そこでの業務は物流企画であり、実際貿易実務を行うことはありませんでしたが、それでも、輸入実務担当部署のみなさんが1案件ずつ各船会社のHPで動静(貨物の出港日、入港日、通関日、納品日)確認、メールや電話でのやりとりを行い、その情報をエクセルにまとめ、スケジュール管理をしていました。

一般的に言って、貿易業務の世界では、エクセルでスケジュール管理していればまだ良い方で、紙に書き込んだり、勘で管理(勘ピューター、イギリス英語とかではないです)で管理している場合も珍しくありません。

貿易実務は上記のように非効率の塊のような業務ですが、実務担当者の方が課題感を抱えて業務を行っているケースは稀です。
仮に、課題感を抱えてたとしても、システム構築を行う場合数千万円~数億円の費用がかかるため、「この業務のやり方は変わらない」と諦めているケースがほとんどです。

乗るしかない!このビッグウェーブに!

モヤモヤした気持ちで働いている中、アメリカの現地スタッフから「デジタルフォワーダーのFlexportを使用したいので、会ってくれないか」という話があり、Flexportアメリカ本社の営業担当者とミーティングする機会がありました。

彼らの営業方法は、従来の物流業者のそれとは全く異なり、彼らのビジョンや物流業界の未来、次世代の貿易管理方法を熱く語るというものでした。

レガシー産業とよばれる物流業界にもプラットフォーマーが現れたと強い衝撃を受けたことを今でも鮮明に覚えています。

デジタルフォワーダーという新しい業態に興味が沸いた私は、物流会社時代の同僚がShippioで働いていることを思い出し、彼に連絡を取り、代表の佐藤、COO土屋と話しをさせて頂きました。

旧態依然とした物流業界の仕組をITの力で変革しようと真向勝負を挑んでいるShippioのVisionとMissionに共感し、また、Shippioも当時大阪支社の立ち上げを計画していた時期でもあり、大阪支社立ち上げメンバーとして入社させて頂くことになりました。

「よく大企業の安定を捨てて、ベンチャーに行ったね」と周りから言われたこともありましたが、「Shippioであれば、間違いなく自分のこれまでのキャリアを存分に発揮できるし、このチャンスを逃すと一生後悔する。乗るしかない このビッグウェーブに!」という想いで、迷いはなかったです。
(この時、大阪に一緒にきてくれた家族にも感謝してます。)


入社後、その他のShippioのメンバーとも交流し、各人が本気で物流業界を変えようという熱い想いと気概をもっており、本当に素晴らしい会社に入れたことを実感しました。

「絶対にやってやる!」と意気揚々と大阪赴任2020年4月6日に大阪支社での仕事をスタートさせた翌々日の4月9日から緊急事態宣言が発令され、在宅勤務開始という波乱の船出となりました。

2020年4月、5月は顧客開拓のためアポイントのコールをかけるも、自動ガイダンスが流れたり、担当者不在であったり「戦わずして負ける」という焦燥感がありました。
6月頃から「Web meetingであれば問題ない」という企業も増えてきて面談が徐々に入るようになりました。

面談ができるようになると、クラウド上で見積もり依頼から、案件の進捗管理、貿易書類の管理ができるShippioのサービスは在宅勤務対策としてニーズにうまくマッチし、多くのお客様から引き合いをもらえるようになりました。

ガラケー(もしかしたらポケベル?)を使っている人にスマートフォンを売る難しさ

お取り引き頂いている、お客様から「Shippioのクラウドサービスは、ガラケー、もしかしたら、ポケベルからスマホに乗り換えるみたいなものなのかもね。スマホに慣れたらもうガラケーには戻れない。」と言われたことがあります。

これはまさに言い得て妙で、売る側からの観点から見ても、ガラケーを使用している人に如何にしてスマホを使用してもらえるかを考え、売っていくことに似ていると思います。

入社前はもっと簡単に売れると思っていたのですが「DXかデラックスかなんやしらんけど、うちはデジタル化とかもうえーですわ」と言われたりして、デジタルアレルギーとまでは言わずともなかなかすんなりと受け入れてもらえないこともあり、それが自分にとっては意外でした。

アレルギーを持っている方をどう取り込んでいくかが、今後Shippioが発展していく上でのキーポイントとなりますが、今はまだ確固たる営業の型みたいなものを確立できているわけではなく、常に試行錯誤を繰り返しながらセールスを行っております。

一方で、コロナ感染拡大により在宅勤務対策、デジタル化、ペーパーレス化を目的としてお問合せ頂く機会も増えて潮目が変わった印象もあり、今がまさに攻め時という感じがしております。

デジタルフォワーダーというと華やかに聞こえるかもしれませんが、
やっていることは非常に泥臭く、正直悔しい思いをすることも多くあります。
しかしながら、使用しているお客さんから「Shippioのクラウドサービスを導入して業務が楽になった」という感謝の言葉を頂けた時は、本当に嬉しい気持ちになり、「Shippioこそが非効率な貿易業務からの解放の救世主である」という信念をもって仕事に望めています。

さいごに

どの業界、どの職種で働くかということも大事ですが、「誰と働くか」ということも非常に重要であることは言うまでもありません。

桃李成蹊という諺の通り、Shippioの創業者佐藤・土屋の元には業界を本気で変えようという高い志をもった素晴らしいメンバーが集まっており、Shippioでは判断や行動の指針を定めたAnchorsがあります。
その一つに「仲間を信じぬく、仲間の挑戦を自分ごと化する」というのが私は大好きで、Shippioのカルチャーを物語っていると思っています。

それを象徴するエピソードを最後に一つ紹介します。
私が東京まで出張したある日、代表の佐藤とAMの勝股と車で外出し、60分制限の路上パーキングに車を停めて、商談に向いました。
商談後、車に戻ろうとするも、どこに車を置いたのかわからなくなってしまい、更に雨まで降り始めました。
普通の会社なら激詰めされる場面ですが、代表の佐藤はそんなことは一切せず、雨の中を一緒に走り回って車を探してくれました。

申し訳ないと思うともに、この会社でやってやろうと思う気持ちがより一層強くなった出来事でした。


(CEOを雨の中走り回らせて、反省のない我ら。車の停車位置忘れるって、逆の立場なら私は激詰めしてますね。間違いない。)

さて、業界を変革するため真向勝負を挑んでいるShippioですが、現在一緒に働いて頂ける仲間を募集中です。
物流業界以外にバックグラウンドを持ったメンバーも活躍しています。

▼元外資系IT企業出身のSalesメンバーのストーリー
https://www.wantedly.com/companies/company_shippio/post_articles/387716

異なるバックグランドを持った多様なメンバーが、集まってることこそが、Shippioの強みでもあります。

この記事を読んで、興味をもって頂いた方は是非以下よりお声掛けください。

川嶋

株式会社Shippio's job postings
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