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クライアントさんのありがたい言葉と気遣い

およそ一か月半にわたって行っていた防水工事がつい先日無事に終わりました。

世の中の大きい工務店には、鼻で笑う少ない金額の工事かも知れませんが、僕らのような町の工務店にとっては大工事になります。

過去のストーリーにも書いた通り、弊社テツヤ工務店は㈱ケイワン建物(代表取締役 金達範)の系列社として2018年2月に、主に自社ビルのメインテナンスのために設立したからです。なので外注、しかも大きい金額の工事はやはり緊張します。お客様の大事な物件に手を付けるわけですから、いろいろ気を付けなければなりません。

もちろん発注者側も、そういう心配からうちだけではなくいくつの工務店から見積も取ります。「見積は三社まで」という言葉が常識となっている時代ですし、金額もそれなりに大きいので、発注側も慎重にならざるを得ません。

そういった競争の中で、仕事がうちに決まった時の嬉しさは言うまでもないです。しかし、嬉しい気持ちはあっという間に去っていき、次の日から緊張感に包まれます。

今回の工事もそうでした。延べ面積300坪の屋上の大きさに圧倒され、しかも十数年間防水工事をやっていなかったそうです。当然至る所に雨漏れが起きています。また十数年前に敷いた昔の防水シートを剥してみると、いつから溜まっていたのか誰も知らない濃密な湿気の匂いに襲われます。勾配も付けられていなかった。もうここまで来たら単なる防水工事ではないです。セメントコンクリート作業をして勾配も付け、プライマー塗りとヒビ直しなど事前工事もしっかりしないといけません。

それでも僕らの綿密な作業っぶりが気に入ったのか、毎日マンション管理団体の責任者が飲み物などを配ってくれて、見積に入っていないところも追加で発注してくれました。

追加工事は、普段受注側が作業中に「これもやった方がいいんじゃないですか」みたいな流れが一般的です。またそういう追加工事を嫌うクライアントさんも多々いらっしゃいます。クライアントは、今しなくてもいい工事なのにわざと、さらなる利益を求めてぶっかけて来ると思っちゃうわけです。

ということで、普段自分の口からは絶対追加工事のことを言いません。変な誤解を招くことがいやだからです。しかし、今回のように発注側の責任者の方が毎日チェックしに来ると、やはり気づくわけですね。工事を進めていくうちに綺麗になっているところと、そうでないところ(見積に含まれていない部分)がはっきり見えてくるからです。今回もまさにそういった感じでした。責任者の方がある日、

「見た目悪いし、ついでにこれもやってもらっていいですか。但し、養生とかはもういらないから、追加見積に養生や諸経費は軽減できますよね?」

と、たずねて来たのです。

いたって合理的な要求ですし(既に養生は終わっていますから)追加工事の諸経費は「気持ち」みたいなものですから、入れなくても全然かまいません。むしろこちらが言いにくい部分をクライアントさんが直接頼んできたことに感謝の気持ちでいっぱいです。

工事代金もすぐ振り込んでくれました。正直町の小さい工務店は、翌月末日まで待つのが大変つらいです。その気持ちも察してくれて、引き渡し後、請求書を出してから5日後に工事代金が振り込まれていました。あまりにも早かったので、感謝の電話をしたらこう言ってくれました。

「あんたも月末に大工たちの給料払うでしょう。大変苦労していただいたし、どうせ払わないといけない金だから早めに送っておいた。」

しかも彼は「そういえば近くの病院の天井が雨漏れしてるらしいけど、あんたたち紹介したから、見積取ってもらっていい?」と新しい仕事も紹介してくれました。

世の中、まだまだ大変な時期ではありますが、そういう時こそ「基本」を守りながら仕事をやっていくといずれ報われると思っています。また自分の代わりに営業までもしてくれるかも知れません。

まず基本を守って信頼を築いていく。全ての仕事に通じる法則ではないかと思います。

という気持ちで今日もお仕事、頑張ってください!

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