「暮らしを楽しく豊かに」——ライブコマースで買い物をエンタメに変える
── 事業内容について教えてください。以前取材した時はAI採用サービス「レジュメノー」でしたが、大きく変わったそうですね。
小平:はい、僕たちは今、KURASHI Entertainment(クラシエンターテインメント)という社名で、TikTok Shopを主戦場にしたライブコマース事業をやっています。
自分たちで毎日ライブ配信をしながら、日用品・美容品・健康食品を販売するTikTokチャンネルを運営しています。毎日1000〜5,000人の方がリアルタイムで見に来てくれて、コメントのやりとりをしながら「この商品いいよ!」と紹介していく。いわば、テレビショッピングのTikTok版ですね。
ただ、僕たちがやりたいのは単なる物販じゃないんです。
── というと?
小平:一言で言うと、「買い物を楽しくする」ということです。
AmazonやRakutenで買い物をするとき、便利だけど、楽しいかと聞かれるとそうでもないですよね。でもライブコマースは違います。配信者と視聴者の間にリアルタイムの「絆」が生まれるし、「この人が勧めてくれるなら買おう」という信頼がベースにある。これはECではなく、エンターテインメントなんです。
将来的には、にじさんじのANYCOLORがVTuberのタレント事務所として複数のIPを束ねているように、僕たちもライブコマースのチャンネルを複数立ち上げて、M&Aでも束ねていく「MCN(マルチチャンネルネットワーク)」を目指しています。
誰も辞めなかったチーム
── ピボットをする中で、チームは崩れなかったのですか?
小平:これが僕たちの最大の強みだと思っています。創業以来、正社員は一人も辞めていません。AI採用から始まって、何度も事業の形が変わったのに、全員が一緒に勝つまでやると言い続けてくれました。
全員が42 Tokyoの同窓生です。年齢も経歴もバラバラだけど、お互いの実力と人間性を知っているからこそ、ビジネスが変わっても信頼関係は揺るがなかったです。
CTO/テックリード 西本 凌(にしもと りょう)
学生Profile: 1992年生まれ。大学院で電子システム工学を専攻。ソフトウェア開発会社を退職後、2021年10月に42 Tokyoへ入学。エンターテインメント企業でゲームのバックエンド開発を経験した後、弊社のテックリードに就任。社内での愛称は「アルパカさん」。
小平:42 Tokyoには難関のペアプログラミング課題があるんですが、僕はその課題を西本さんと一緒に解きました。そのときに感じた技術力の高さは、頭ひとつ抜けていた。今も自社ECサイトのShopify構築からデータ分析基盤まで、技術面はすべて西本さんが支えてくれています。
バックオフィス・商品選定・配送リーダー 村松 泰聖(むらまつ たいせい)
学生Profile: 1992年生まれ。大学卒業後、パチンコ店で働きながらフリーランスライターとして生計を立てる。コロナ禍で42 Tokyoの記事を読み、2022年1月に入学。2024年4月に正社員入社。
小平:村松さんの強みは、圧倒的な熱量と泥臭さです。42 Tokyoの校舎に泊まり込む勢いでコードを書き続けていた人で、今もその姿勢は変わらない。
以前、「なぜそんなに頑張れるの?」と聞いたことがあります。返ってきた答えは「みんなを驚かせたいから」でした。単に仕事をこなすんじゃなくて、「人が驚くものを作りたい」という純粋な動機で動いている。スタートアップに不可欠な泥臭さを体現してくれる存在です。
今は商品選定から梱包・発送まで、バックオフィスの全般を一手に引き受けてくれています。注文が急増する中で、そのオペレーション力がなければ僕たちは回っていません。
コマーサー 仲程 潤弥(なかほど じゅんや)
学生Profile: 1999年生まれ。滋賀県出身。2020年10月に42 Tokyoに入学。システム開発会社での勤務を経て、正社員入社。
小平:仲程くんは、「人たらし」という言葉がぴったりの人間です。初対面でもすぐに相手の懐に入れる天性のコミュニケーション力がある。
42 Tokyoの最終課題はチーム開発なんですが、半年から1年かかる長丁場を乗り越えるには、技術力以上に「チームを明るく保つ力」が大事だった。仲程くんは、まさにそれができる人でした。
今はライブ配信のメインコマーサーとして毎日画面の前に立っています。視聴者からのコメント一つひとつに反応しながら、信頼関係を築いていく。彼がいることで毎日ポジティブな空気が生まれています。
── KURASHI Entertainmentの成長について教えてください。
小平:2025年の秋にKURASHI Entertainmentをスタートしたとき、最初の月はほとんど売れませんでした。正直、心が折れそうになる数字でした。
でも、2ヶ月目からは明らかに異常とも言える顧客熱量に手応えを感じ始め、そこからは毎月倍近いペースで伸び続けて、数ヶ月で売上は20倍以上になりました。フォロワーも急速に増えていて、視聴者の多くが少しでも楽しい生活を求める主婦の方々です。
── その急成長の要因は何だと思いますか?
小平:一番大きいのは、「コミュニティの力」です。
ライブコマースは、商品の良さだけでは売れません。視聴者が「この場所に来ると楽しい」「このコマーサーのことが好き」と感じてくれて初めて購買が生まれる。実際、一度買ってくれた方の約半数がリピーターになってくれています。
これはコマーサー初めチームがの毎日ライブで築いてくれている信頼関係の成果です。
── 今後の展望は?
小平:まずは月商の桁を一つ上げることが直近の目標です。大型イベントの企画も準備しています。
また同時に、自社ECサイトを立ち上げました。TikTok Shopだけに依存するのではなく、LINEと連携したCRMやポイントプログラム、ファンクラブを通じて、自分たちのお客様と直接つながる仕組みを作っています。
そしてその先に見ているのが、MCN(マルチチャンネルネットワーク)としてのスケールです。各チャンネルで確立した「勝ちパターン」、配信の型、商品選定のノウハウ、CRMの仕組みを横展開して、新しいチャンネルを立ち上げたり、すでに成長しているチャンネルをM&Aで束ねていく。
にじさんじのANYCOLORが複数のVTuberを「箱」として運営しているように、僕たちはライブコマースの世界で同じことをやりたい。個人の力に依存するのではなく、「仕組みとして再現可能なコマースエンタメプラットフォーム」を作ること。それが僕たちの本当の挑戦です。
AIの時代になろうとも、人々がショッピングをするという習慣に変化はなく、また合理的なショッピングがAIに加わろうとも、エンターテインメントという要素を含んだショッピング体験はより価値を増してくると私は信じています。
そして、この時代にこそできる挑戦をぜひ皆様と一緒にしたいため、興味のある方はご連絡をお待ちしております。
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