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【updraft×流通経済大学付属柏高校 女子サッカー部】人としての成長とチームの勝利、両者の実現に向けて

updraftでは、2021年8月より流通経済大学付属柏高校女子サッカー部に向けてキャリア・チームビルディングトレーニングを提供しています。今回は、なでしこリーグで活躍されたのち、2020年度に監督に就任した浦田 佳穂監督に、チームを指導される上で大切にされていること、updraftのトレーニング導入後の選手たちの変化について話を伺いました。

updraft キャリアトレーニングについて

アスリートキャリアトレーニング事業「updraft」(https://updraft-sports.jp/)において、早期に自主自律型人材を育成することを目指し、小学生〜大学生年代向けにキャリアトレーニングを実施。同校女子サッカー部では、部活動を通じて、選手自身が自分で自分のことを深く理解し社会で活躍する人財になってほしい、そして、「結果を出す」という過程を通じて、自分自身の強み・弱み・特性を理解し、自分自身で意思決定できる人生を歩んでほしいという願いをこめて、キャリアトレーニング・チームビルディングトレーニングを実施しています。

※1:行動変革を促進し、人と組織の力を引き出すことを目的に開発された心理アセスメント。スポーツ庁委託事業「アスリートキャリアコーディネーター育成プログラム」に採用された。updraft(TOiRO)と事業提携し、キャリアトレーニングツールとして今注目を集めている。(画像:ビノベーションレポート受検結果例)

サッカーを通して全員が成長する、周囲から愛され必要とされるようになる

本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます!はじめに、選手の指導をされる上で大切にされていることをお伺いできますでしょうか。

浦田監督:女子サッカー部の理念として、「サッカーを通して全員が成長すること」「愛され必要とされるチーム・人になる」ことを掲げています。

選手・スタッフたちがこのチームでの3年間を通して「サッカーしかやってこなかったから…」ではなく、「サッカーをやっていたおかげでこれだけのことができるようになった!」「この組織にいたおかげでできることが増えた!」と自信をもって言えるようになってほしいと思いながら指導をしています。

サッカー部に所属し時間を費やす中で、チームの勝利を最終ゴールとせず、将来を見据えた自分の軸を育てること、人の幅を広げることに繋げて欲しいですし、好きなことをやっていく中で自分の引き出しを増やしていって欲しいと考えています。

「サッカーを通しての成長」「愛され必要とされるチーム・人になること」を大切にされているのは、ご自身のサッカー選手としての経験からでしょうか。

浦田監督:そうですね。自分自身、サッカーがものすごくうまかったかといえばそうではありませんでした。最低限の技術はありましたが、目立った能力がない中でどうやってチームに必要とされる選手になれるか。技術力を高めること以外にも人としての信頼関係を築くことや、愛されるにはどうしたらいいかということを追求し、現役時代を過ごしてきました。

人から信頼を得る力は人間力につながると考えています。サッカーは技術だけでやるものでもないですし、技術だけではなく人間力を育むことを大事に過ごしてきたことで実績を残すことができましたし、信頼を得る力や必要とされる力が自分の良さだとも今では言い切れます。

自分からサッカーを引いたときに残るものは何か

25歳のときに現役を引退され、指導者の道を選ばれたのにはどんな背景があったのでしょうか。

浦田監督:大学の進学時には将来は教育に携わろうと決めていました。今となれば自分自身の素行が悪く反省をしている部分も多々ありますが、中学生のときに納得いかない学校指導をされたことがあり、自分が教員だったらもっとこうするのにな、と当時から自然と考えていましたね。

幼いときからサッカー選手を目指し努力していましたが、高校生のときに自分のプレーヤーとしての限界に気づき、サッカー選手以外の道に進んだときに、自分は周りに対してどんな力を持てば勝てるだろうかと考えるようになりました。

言語化することもそうですし、引っ張るリーダーシップというよりもみんなをまとめること(フォロワーシップをとること)が得意で、指導者としてマルチな選手を育てられるんじゃないか、そこが自分が上を目指せる場所なのではないかと考えていました。

大学進学後は部活でサッカーを続けながら、教員免許とサッカーの指導者のライセンスを取得しました。元々は大学卒業後すぐに指導者の道に進むつもりでしたが、周りの方々にアドバイスをいただいたこともあり、より良い指導者になるためにも、なでしこでサッカーを続けるという経験を積んでから、指導者の道に進むという選択をとりました。

高校生のときから自分の強みを分析し、サッカー選手以外の道について考えられていたのはどうしてでしょうか?

浦田監督:アカデミーという環境に身を置けたことが大きかったと思います。周りは日本代表になることを目指して入ってきている方ばかりで、身近に自分と向き合うことがとても上手で、自分はこうなりたいからこうする、と意志の強い先輩、同級生がたくさんいました。

アカデミーでは当時、世代別日本代表に学年から3〜4人入ることが当たり前の世界で、高校1・2年生のときに世代別日本代表に入れるか入れないかという厳しい現実に向き合うことになります。私も含め、そのタイミングで自分の将来に真剣に向き合い、考え直す生徒が多かったですね。アカデミー卒業後もそれぞれの道で活躍されている方が多く、今も刺激を受けています。

一人一人の資質をデータ化して指導に活かせることに面白さを感じた

今回、選手・スタッフの指導にupdraftのトレーニングを取り入れようと思われたのは、どういった経緯があったのでしょうか。

浦田監督:千葉県の国体選抜のときに同じチームで仲良くなったプロサッカー選手の上野選手からupdraftのことをお聞きしました。自分が指導をしていくうえで、追求していこうとしているものに対していい材料になると思いました。

人間的な素質はサッカーにもリンクしていく部分だと思うので、それがビノベーション®︎レポートで「特性」や「資質」を数値化することにより、具体的に目に見えて自己理解や他者の理解に活用していけることは面白いなと感じました。

納得できる理由がないと人は動けないと思うので、自分が選手・スタッフたちに対して抽象的に感じているものをより明確に説得力のあるかたちで伝えられるようになることに価値を感じています。

updraftのキャリア・チームビルディングのトレーニングを開始して、約1ヶ月ですが、チームに変化はありましたか?

浦田監督:会話がしやすくなったこともそうですが、チームにとってはものすごく変化がありました。第1回目のビノベーション®︎レポートの解説の後は「自分について、納得できました」「自分のネガティブな部分を受け入れられるようになりました」という声を聞きました。

2回目の目的・目標・視座の高さを体感で学ぶトレーニングの後は、見ている高さの変化を感じました。サッカーノートに書かれている反省が、今までの「これができた、よかった」から、「●●はできたけど、これができるようにならなくてはいけない」というように、できたことを褒めるだけでは満足せずに、こちらから言わなくても追求し始めるようになりました。保護者からも本人たちがトレーニングをすごく楽しいと言っているという声をいただきます。

選手たちのチームへの発信が変化

選手・スタッフの変化について、印象的なエピソードがありましたら教えてください。

浦田監督:例えば練習や試合の場面で、ただ「声を出そう!」と声をかけるのではなく、「●●のために声を出そう!」と目的も合わせて伝えるコミュニケーションに変化しました。

この間の試合でも、「応援してくれている人たちのために、もっとやらなきゃだめだよ!」と言ってくれた選手がいて、その子がそんな発言をするなんて、とその場のみんなが感動する、ということがありました。選手自身がチーム全体の視座を高く保つために自分で考えてチームに伝えてくれていることをとても嬉しく思いました。

2回目のトレーニングでは、視座の高さの取り方や自分がこれまで自己流で抽象的にフィードバックしながらやってきたもの、伝えてきたことがパッと現象として現れ、選手・スタッフたちが自分たちの中で整理をつけられた時間だったんだと思います。今チームに必要な要素を汲み取っていただき、リアルタイムでトレーニングを取り組めているので、とてもありがたいです。

updraftのサービスはどんな組織におすすめですか?

浦田監督:チームの立ち上げ期に近いようなところや、指導者の方針・考え方にもよると思いますが、ニーズに合わせて動いてくれる組織であれば納得して動いてくれると思います。強くするためにいろんなことを吸収したいと考え取り組まれているチームや科学的な手法を指導に取り入れている組織にはおすすめです。

高校卒業後の進路として、部活動を続ける学生が少ないと考えられる進学校にとってもおすすめのトレーニングだと思います。

高校女子サッカーの定義を変えていきたい

最後に、浦田監督が今後目指していることについてお聞かせいただけますでしょうか。

浦田監督:高校の育成年代に携わる中で、高校女子サッカーの概念を変えたいと考えています。「泥臭く走って怒られてそれが思い出!みたいなものでなく、もっと将来を見据えた指導、育成に力を入れるべきだと考えています。

現状、なでしこジャパンに高体連出身の選手は2名だけしかおらず、それ以外はほぼクラブユースです。クラブユースよりも人口の多い高体連の選手たちの育成に力を入れ、彼女たちがなでしこジャパンに入れるようになることで日本のサッカーがもっと強くなると思います。

大学にはいい指導者が増え始めていたり、高校男子サッカーでも少しずつ科学的な指導に取り組み始めているチームが増えてきたりとだんだん変化はしてきています。

サッカーで全国優勝することをゴールとせず、その先どの道に進んでも活躍できる人を育てるという視座で選手たちへ関わることを大事にしながら、科学的な手法を活用した指導法を確立していきたいです。その故に流経大付属柏高校が優勝することで、強いチームが取り入れているからとその指導方針が当たり前になっていくと思うので、自分がいいと考える指導方針を追求して、それが結果に結ぶつくことを証明したいです。

高校生年代からキャリアトレーニングを始めることをスタンダードに

今後、updraftに期待することはありますか?

浦田監督:高校生の育成年代のうちからキャリアについて考え、社会での活躍を見据えたトレーニングをすることが当たり前になってほしいです。

大学年代から始めるのでは遅いと思うので、こういったトレーニングを高校生がやっていくのが当たり前になったら、その先社会に出て行くうえでも、プロとしてスポーツを続けて行くうえでも自分の人生を歩める力になると思います。

各チームで取り組むというよりも、学校としての取り組みが広がっていったら素敵だなと思います。例えば、高校のスポーツコースに導入することで、これまでスポーツにしか力を入れてこなかったという子たちにとっても可能性を広げるきっかけになるはずです。

ありがとうございました!浦田監督とともに、高校女子サッカーの当たり前を変えていけるよう、これからも全力でサポートさせていただきます。

こちらのインタビュー記事は2021年9月28日時点の情報です。

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