今、キャリアづくりの前提が大きく変化しています。
大きなテーマは、誰かが決めた正解(客観的価値)を追いかけるキャリアから、自分が決めた正解(主観的価値)の実現を目指すキャリアへのシフト。
これを巷では「キャリア3.0」と呼んだりしますが、間違いなくこれからのキャリアづくりにおけるベースの考え方になります。
今がまさにキャリア2.0から3.0への移行期
この記事では、「キャリア3.0」という考え方について、その背景にあるキャリア環境の変化と対策について紹介していきたいと思います。
目次
- 私たちは「キャリアの前提」の変わり目を生きている
- 働く期間はどんどん長期化へ
- スキルの賞味期限は短くなる
- ライフスタイルや働き方の多様化
- キャリア1.0/2.0ではもう限界がある?
- キャリア1.0:年功序列・終身雇用の川下り
- キャリア2.0:市場価値を高める山登り
- キャリア3.0:自分なりの幸せを生きるための「旅」へ
- キャリア3.0がこれまでのキャリア論と異なる点
- ワークライフバランスからライフポートフォリオマネジメントへ
- 自身の「幸せ」を自分の言葉で定義し、その幸せを生きる覚悟を持つ
- キャリア3.0時代のキャリア支援の形はコーチングとコンサルのハイブリット
- というわけで:キャリアは「つくるもの」になった
1. 私たちは「キャリアの前提」の変わり目を生きている
まずはキャリアを考える上で、労働市場にどんな変化が起こっているのか見ていきましょう。
● 働く期間はどんどん長期化へ
労働者人口は減少を続けている日本では、定年は伸び続けることは確定的です。仮に大卒者が22歳から働き始めて、定年が70歳となった場合、労働期間は48年です。果たして就職から50年続く企業がどれだけあるでしょうか?
※東京商工リサーチによると倒産企業の平均寿命は23.3年らしいです。
2030年には平均寿命が100歳を超えると言われている中で、定年はもっと後ろ倒しになる可能性が高く、そもそも「1社に人生を預けるキャリアプラン」そのものが成り立たなくなっています。
経団連もはっきりと終身雇用の崩壊を宣言している。
-NNNニュースより引用
● スキルの賞味期限は短くなる
仮に会社という「ハコ」は長く続いたとしても、50年間同じ事業をやっている可能性は非常に低いです。
任天堂は50年前はトランプや花札を作るメーカーだったし、Netflixは30年前は郵送DVDレンタルサービスを運営していました。当然当時と今では従業員に求められる技術やスキルは異なります。
特に近年ではAIの進化によって企業のビジネスモデルやそれに付随するスキルの寿命はどんどん短くなっています。「これを身につければ一生安泰」といったスキルなどもはやなく、常に自身をアップデートしていく必要があります。
● ライフスタイルや働き方の多様化
SNSの台頭などもあり、個人の発信力が高まった時代。
様々な情報やロールモデルにアクセスできるようになった結果、副業や複業といった働き方も一般化。
またリモートワークや各種ITツールの普及により、場所の制約も限定的となり、結果地方への移住など人生のプランニングの自由度もグッと高まりました。
SNSによって多様なロールモデルに触れることができるようになった一方で、
キャリアに対する焦燥感も増しています。
こうした変化を踏まえると、昭和・平成時代に機能していた「キャリアの常識」は、もはやアップデートが必要な時期を迎えていると言えます。
2. キャリア1.0/2.0ではもう限界がある?
「キャリア3.0」を理解するために、その前の“バージョン”を振り返ってみましょう。
● キャリア1.0:年功序列・終身雇用の川下り
入社すればあとは“流れ”に身を任せる。
良い大学を出て、有名企業に入社し、結婚、マイホームの購入、、、といわゆる幸せにおける「共通の正解」めいたものが存在した時代です。
日本経済や日本企業が大きく伸びていたので、終身雇用を前提に、会社が用意してくれるコースを進みながら社内の評価を上げていくのがキャリアの王道ルートでした。
● キャリア2.0:市場価値を高める山登り
自身で登る山を設定し、上へ上へ。
日本経済が停滞し、終身雇用神話が崩れ始めたこともあり、転職も含めたキャリア形成が当たり前になってきた時代です。
転職もネガティブなものではなく、自分のスキルを磨き、市場価値を上げてキャリアアップを目指すという、いわば「キャリアは山登り」という考え方が主流になりました。
3. キャリア3.0:自分なりの幸せを生きるための「旅」へ
そして今、今回のメインテーマである「キャリア3.0」が少しずつ主流になりつつあります。
「自分にとって最高の人生を描き、その実現に向かってキャリアを自由に設計していく」という、“旅型”のキャリア戦略です。
冒頭のキャリアの前提の変化を受けて、雇用形態も正社員として働くことが前提ではなく、複業や副業、業務委託や独立など人生のフェーズにおいて様々な形を選択することが可能になり、キャリアの自由度がグッと上がりました。
一方で、キャリアや人生の「正解」めいたものは消失したので、キャリアプランニングの難易度は格段に上がったと言えます。詳しく見ていきましょう。
4. キャリア3.0がこれまでのキャリア論と異なる点
キャリア3.0がこれまでのキャリア論と大きく異なる点は、「キャリアの目的」を主観的に決めることです。
キャリア1.0では、より大きく有名な会社に入り、その中で昇進することがキャリアの大きな目的でした。新卒市場に見る就職人気ランキングなどは、その時代の名残と言えるでしょう。
キャリア2.0では、「市場価値の向上」が大きな目的に。これも労働市場で評価されやすい(=高収入)のキャリアが一定決まっており、自分で決めずとも、ある程度正解がある世界でした。新卒のコンサル人気などはまさにそれを表していたかと思います。
キャリア1.0も2.0も、いずれも「キャリア形成」というゲームを攻略する上で誰がみてもわかりやすいルールやGOALがあることが見て取れるかと思います。いわば偏差値がわかりやすく決まっている大学受験型のキャリア形成に近いと言えるでしょう。
「2026卒 旧帝大/早慶 新卒就職人気企業 夏期ランキング」 ミキワメ就活調べ
このように客観的なランキング形式になることで目指すべきものを自分で決めずとも良くなる。
一方で、キャリア3.0におけるキャリアの目的は「自身で定めたGOALの達成」。いわば「主観的な成功の実現」です。これには偏差値のような共通指標もなければ、正解もないため、自分で「自分なりの正解」を決めねばなりません。
僕の友人に、外資系コンサルファームで年収1000万円以上稼いでいたものの、資本主義のど真ん中で生きるのに疲れてしまって地方に移住し、農業をしながら副業で案件などを受けて生計を立てている方がいます。当然コンサル時代と比べて転職市場での価値は大きく落ちてしまっているのですが、彼自身の幸福度は今の方が圧倒的に高いとのこと。これが彼にとっての今の生き方の「正解」です。
結局、周囲が羨むキャリアを持っていても、その状態が自身にとって幸せでなければ何の意味もありません。
また、終身雇用の前提が崩れた今、キャリアや人生のプランニングを会社の意向に任せていても誰も責任は取ってくれません。数年ごとに異動を繰り返し、深い専門性を持たないままにキャリア中盤を迎えてしまった結果、人生の選択肢が限定されてしまうケースもよく目にします。
キャリア3.0時代においては、「自分の意思で自分の人生やキャリアの方向性を決めること」がとても重要であるということを覚えておいてください。
その他にもいろんな視点から違いを語れるので、ここはまた別の記事で。
5. ワークライフバランスからライフポートフォリオマネジメントへ
1社で働くことが前提の時代は、「就業」と「その他」の時間調整を"ワークライフバランス"と呼んでいました。
キャリア3.0時代においては、副業/複業も一般的になり、その境目が非常に曖昧になるため、可処分時間全体を何にどう割り振るかの"ライフポートフォリオマネジメント"が重要な概念となります。
可処分時間全体を「時間資本」として捉えて、どう投下先のポートフォリオを組むのかを考える。
誰もが1日で使える時間は24Hと平等です。
働き方が自由になったからこそ、自らの持つ時間資本を何に投下して、何を得るのかをより深く考えていく必要がある時代になったと言えるでしょう。
キャリア3.0時代の個人の人生設計は、企業経営に近い。
6. 自身の「幸せ」を自分の言葉で定義し、その幸せを生きる覚悟を持つ
言うまでもなく、キャリア3.0時代のキャリア設計の肝は「自身の人生をどうデザインするか?」です。言い換えるならば「自身の幸せを自分の言葉で定義し、その幸せを生きる覚悟を持つこと」だと僕は考えています。
当然、目的地の設計によって、それを実現するためのキャリアの方向性も変わるし、時間軸も変わってゆくので、本来はここが定まっていないと本質的なキャリア支援は難しいと言えるでしょう。
"目指すべき港を知らなければ、いかなる風も追い風にはならない。"
ローマの哲学者 ルキウス・アンナエウス・セネカ
7.キャリア3.0時代のキャリア支援の形はコーチングとコンサルのハイブリット
とはいえ、「人生のデザインなんて自分でやるのは難しい、、」と思った方も多いのではないでしょうか?
だからこそ、僕が経営するXbetのエージェントサービスでは全てのコンサルタントに毎週コーチング研修を実施し、深いコーチング技術を学んでもらっています。
キャリア3.0時代においてエージェントの果たす役割は、希望条件に合致する企業を探して選考のサポートを行うだけでなく、そもそものGOAL設計から行う必要があると信じているからです。
Xbetではキャリア3.0型のエージェントサービスを提供しています。
コーチングとは、正解のないテーマに対して、コーチとクライアントが共に向き合いながら共に答えを創り出し、その実現を伴走支援していくアプローチです。
コンサルティングと混在されるケースも多いですが、コンサルはコンサルタントとクライアントの間の知識差をベースに、基本的には正解を「教える」ことで成立するアプローチであり、明確に目的や用途が異なります。
人生のGOAL設計は正解のないテーマであるからこそ、コーチングとの相性は抜群です。一方で、人生のGOALをキャリアを通じてどう実現していくのか?については、転職市場のことやキャリア構造、もちろん業界や会社や職種についての深い知識が必要になり、コンサルティングのアプローチも必要になってきます。
本質的なキャリア支援を行う際には、コーチングとコンサルティングどちらか一方ではなく両方必要であるというのが私のスタンスです。
Xbetではコーチングもコンサルティングも組み合わせながらキャリア支援を行なっていきます。
8.というわけで:キャリアは「つくるもの」になった
僕たちは間違いなく「働き方」の大きな転換期を生きています。そしてそれは自身の人生と向き合う大きなチャンスでもあります。
自分はどう生きたいのか?
自分にとって最高の人生とは何なのか?
毎日の仕事が忙しくてそんなことを考える暇がないよって方も、是非ちょっと時間を作って考えてみてください。
自分の人生は文字通り自分のものであり、どう生きるかも自分が決めていけるものです。
そして一人で考えるにはちょっと難しなと思った方はいつでも相談してください。
Xbetはそんな方たちのためにつくった会社です。
「キャリアの旅」を共に歩く伴走者として、ご一緒させてください。
もし今、少しでも「このままでいいのかな」と感じているなら――
それは、キャリア3.0的な生き方にシフトするチャンスかもしれません。
また次回の記事で、お会いしましょう!
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