鍼灸院グループを経営する代表の金子が不動産テック事業を展開する異色の経緯に迫る | 株式会社クオリティ・ワールド
鍼灸院グループを経営する代表の金子が、不動産テック事業を展開する異色の経緯に迫るインタビューを実施。前編では、鍼灸師になるきっかけを与えた幼少期の原体験から挫折経験、そして "幸せ"の在り方を変...
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鍼灸院グループを経営する代表の金子が、不動産テック事業を展開する異色の経緯に迫るインタビューを実施。後編では、鍼灸師になる決断をした理由や、不動産テック事業を始めるに至るまでの道のりをお届けします。
前編はこちらからどうぞ!
—本格的に鍼灸師になろうと考えたのはいつだったのでしょうか?
高校の進路選択の頃です。私は学内でもトップクラスの成績を収めていたので、先生には「推薦でも中堅の大学に余裕で入れるぞ」と言われていました。
しかし、当時はバブルが崩壊。経済が活発化することはしばらくないと考え、就職氷河期が終わるのは遠いように感じました。そのため、大学に行ってサラリーマンとして働く道を選ぶよりも、自身の技術を磨き、手に職をつけた方が今後の人生に役立つと考えたのです。
地元の農業協同組合に就職するという選択肢もありましたが、今後は超高齢化社会になることや、三国志の影響で中国の医療に興味があったこと、そして母のマッサージの原体験から鍼灸師になることを決め、鍼灸師になるための専門学校に入学することにしました。
—鍼灸院を開業したきっかけを教えてください。
専門学校入学後、学生でありながらも鍼灸師の師匠のもとで働き、技術を磨きました。仕事への熱心な取り組みが評価され、副院長になるほどでした。中学時代まではいじめや複雑な家庭環境によって自尊心が低かった私ですが、この頃には「自分の努力次第で人生は好転できる」と確信していました。
さらなる挑戦、さらなる成長を求めて、私は自分の力で開業することを考えるようになったのです。
そして、25歳の頃、金融機関で資金を借り、ついに新横浜に鍼灸院をオープンしました。
—かなりお若くして鍼灸院を開業したのですね。経営は順調だったのでしょうか?
はい、当時は最年少でしたが、開業して半年も経たず、1日に40〜50人が来るほど人気の鍼灸院となりました。
施術中は、ただ肩こり等の治療をするわけではなく、患者さんとの会話を大切にするようにしていました。今でも、病気で奥さんを亡くしたシングルファザーの患者さんのお話はよく覚えています。その患者さんは、奥さんを亡くした後、彼女ができ、その彼女と再婚を考えていました。しかし、中学生の娘に軽蔑されてしまうのではないかと心配していました。私は、その相談を受けた時、「天国の奥さんは何と言うと思いますか」と質問しました。すると、「再婚して幸せになってほしいと言うと思います」と患者さんが泣きながら答えたのでした。
このように患者さんには心も身体もすこやかになってもらえるよう最善を尽くしていたため、患者さんからお手紙やお土産をよくいただいていました。お手紙に、「先生は僕の恩人です」と書かれていることもありましたね。
—患者さんファーストで、順風満帆な経営のように見えますが、苦労したことはあったのでしょうか?
もちろんあります。開業してからというもの、患者さんに慕われ、頼りにされるのが嬉しく、仕事に全力で取り組んでいました。
しかし、仕事に集中するあまり、自分の家族のことは後回しにしてしまっていました。子供の運動会なども行かず、かけがえのない子供の成長を見守ることもできませんでした。そして、家族とは別居してしまう始末でした。また、社員との関係性もうまく築けず、離職も多く発生していました。
さらに、自分自身も働いてばかりで、健康に気を遣えていませんでしたね。
—仕事に力を入れすぎるがあまり、家族や周囲の人、そしてご自身の健康を大切にできていなかったのですね。何か改善しようと行動はされましたか?
はい。患者さんには、健康や家族・周りの人を大切するべきとアドバイスをしているのにも関わらず、自分は自分の大切なことを大切にしおらず、一貫性が無意状態で、このままではいけないと感じるようになりました。そして、健康のために筋トレや朝の散歩を始め、人間関係を改善するためにセミナーに通ったり、コミュニケーションを学んだりと自己研鑽を始めるようになりました。
また、“幸せ”についても勉強するようになりました。
幸せには大きく分けて2つあることがわかりました。1つ目は、目標達成や報酬に対して感じる幸せです。こちらは強烈でクセになるような幸せで、どんどん次が欲しくなり、足りないと感じるようになります。
2つ目は、健康や身近な人を愛するといった、穏やかで心がじんわり温かくなる幸せです。ただ、こちらはきちんと自分を振り返り、探し出さないと見過ごしてしまいます。この2つの幸せのバランスを取ることが重要だと学びました。
しかし、自分を見つめ直した時、1つ目の目標達成や報酬に対して感じる幸せに重きを置きすぎて、2つ目の健康や身近な人を愛するといった幸せの方を大切にできていないと痛感しました。
それからは、人間関係、健康、自由な時間など、これまで自分が重視してなかった要素と仕事とのバランスを大切に生きていくようになりました。
—鍼灸院グループ経営から不動産事業テックを始めようと考えたきっかけを教えてください。
師匠の言葉がきっかけです。
私には、「この人が言うなら間違いない」と思える師匠がいます。
私は師匠に、バランスの取れた幸せを作りあげる極意を聞いてみました。
師匠からの答えは「最も大切なことは、最も大切なことを、最も大切にする」というものでした。
具体的には、
1.健康・家族・仲間を大切にしながら
2.生涯学び続け、大好きな仕事で世の中に貢献すること。
そして
3.「良い不動産資産を持つこと」と返ってきました。
私は、自分に不動産投資ができるかどうか、とても心配でした。また、正直不動産投資には「借金」「金儲け」というマイナスのイメージがありました。
しかし、師匠の教えもあり、全力で取り組みました。その結果、鍼灸院の経営を続けながら、わずか3年で7棟14億円の一棟マンションオーナーになることができました。保有戸数も100戸を超え、経営は驚くほど安定しました。
本業が鍼灸院で、コロナの影響を大きく受ける事業でしたが、不動産部門は全くの無傷でした。私が不動産投資を始める前にイメージしていたマイナスのイメージは完全に払拭され、不動産は私に「自由な時間」「経営の安定感」「心の安らぎ」をもたらしてくれました。
私が不動産投資を始めて確信したことは、安定した不動産事業・資産を持つと、経営者は健康になり、心や時間にも余裕が生まれ、本業でも挑戦したくなるということでした。
まさに、人生が変わることを実感したのです。
しかし、不動産投資には落とし穴も多くあり、私の周りにも失敗してしまった人もいました。その多くが、業者の言いなりになってしまったり、勉強不足の状態で決断してしまったりするものでした。
良い不動産資産は人生を大きく良い方向に変えてくれます。しかし、悪い不動産資産を持ってしまうと、反対に作用して後戻りできない状況に陥ってしまうのです。
そのため、「不動産業者の言いなりにならずに、自分で正しい知識を身につけ、たくさんの物件から自分の目的に沿った運命の物件に出会うことが大切だ」と師匠は語ります。この教えがあったので、自ら学び続け、地道に無数の物件情報の中から、運命の物件を見つけられるように努めました。
しかし、それは想像を絶する骨の折れる作業でした。そこで私は、膨大な量の物件をふるいにかけ、物件探索の手間を小さくするお手製のシステム「シムレジ」を考案しました。実は、私は鍼灸院の電子カルテを自ら独学で開発した経験を持っており、幸い簡単なデータベースであれば構築することができました。
これが私が本業に勤しみながらも、良い物件を大量に見つけ、保有することができる原動力になりました。不動産投資の仲間は、みんなこの「シムレジ」を欲しがりました。
これが、私たちが作ろうとしているものの原型となり、テクノロジーの力で優良な物件をふるいにかけ、運命の物件探しをその人の目的に沿って、より早く、確実にご提供できるツールを分かち合えれば考えるようになりました。
そして、多くの方々が不動産投資を始めやすくなり、資産形成を通じて幸せな生活を手に入れることができるような環境づくりに貢献したいという思いから、不動産テック事業を始めることにしました。
ー 一緒に働きたいエンジニアの方へのメッセージをお願いいたします。
私も鍼灸師として職人をやる中で感じたなのですが、
技術者・エンジニアの喜びには2種類あると思うのです。
1つ目は、
・自分にとって価値ある技術を高める
・自ら定めた目標を成し遂げる
・卓越した技術を誇る人物に成長する
ことではないでしょうか?
「自らの成長と達成」と言い換えても良いかもしれません。
2つ目は
・自分の技術や作品が誰かの人生をよりよくする実感
・お客様のよろこびの声
・市場のニーズを満たし価値を提供する
ことではないでしょうか?
「価値の提供・社会への貢献」とも言えるかもしれません。
実は、この2種類の喜びは混ざると最高の味わいになります。
どちらか片方だけでは味わえない、強烈な体験になります。
私たちは自社で開発したサービスを、自ら運営する塾生さんにご提供し、使ってもらっています。きっと、お客様の喜ぶ顔がイメージできる環境での開発は、あなたのモチベーションを刺激し、才能を遺憾なく発揮させ、エンジニアとして成長することができるでしょう。
そして、苦労して作り上げたシステムが、お客様の人生をより豊かにし、それが広がっていく様子を見ることができる喜びは、あなたのエンジニアとしての人生を血の通った、志ある、豊かなものにしてくれると信じています。
「自らの成長と達成」「社会への貢献」を同時に叶えたい、あなたの挑戦を待っています。