東京ドームシティの新XRアトラクションがAWE Asia 2024でVR部門の最優秀賞を受賞
株式会社日本XRセンターのプレスリリース(2024年10月1日 08時11分)東京ドームシティの新XRアトラクションがAWE Asia 2024でVR部門の最優秀賞を受賞
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000110387.html
これはこちらのnoteの記事をウォンテッドリー用に短く編集したものです(https://note.com/potlatch/n/n50af6b140cf3)
VRアトラクションと大企業向けVRトレーニングを開発しているPotlatch(日本XRセンター)代表の小林大河です。前回の記事では、なぜ私が日本M&Aセンターを退職し、シリコンバレーで始めたのかを書きました。この記事では、当社がなぜインドに開発チームを持っているのか(オフショアではない)、なぜVRアトラクション事業を始めたのかを書きました。ぜひご一読ください。
シリコンバレーでは、波乱万丈なスタートアップ人生を期待していましたが、全くの無風。ハードシングスはなく、どれだけ足掻いても何も起きず、ただ月日が経っていく、この寂しさが空虚な自信を喪失させました。
起業noteの時の、Slackのビジネスマッチングアプリ(Potlatch)は、”サンフランシスコのエンジニアや起業家に、インドのプロマネやエンジニアが採用目的で会いたい”という、一方通行のマッチングニーズが大半を占めました。それだと両者のニーズが合致せず、私自身もインドに(当時は)興味がなかったこともありクローズしました。
*これはアイデアが悪かったより、B2Cアプリやプロダクト開発への僕自身の経験不足に尽きます。
その後、何をしようかと考えていたタイミングで、Quest 2を初めて触って衝撃を受けました。
衝撃を受けたQuest 2
これは次のデバイスになると考えました。日本のスタートアップシーンもスマホというデバイスの変化で大きくエコシステムが変化しました。このVRというデバイスの変化にかけようという想いでした。
実は、日本でプログラミングスクールに通っていた時にVRのコースがありましたが、当時は10万円以上のゲーミングPCをつかうPCVRが主流で、(僕含めて)PCゲーマーではない人が買うのは想像できませんでした。
VRをプレイするためにゲーミングPCを買いたいとは思えなかった
PCVRは、
ということも全く興味がおきませんでした。
しかし、スタンドアローンかつ手軽にハイクオリティなVRを楽しめるようになったQuest 2で一気に感覚が変わりました。プロダクトとしては、
に決めました。さまざまなプラットフォームの中で、日本M&Aセンター出身の僕と、楽天出身のCTOとの相性が良いと考えました。そのマケプレの扱う商品は、現実のお店で買えるものをわざわざ(VRヘッドセットつけて)買う人はいないため、3Dアセットにフォーカスしました。さらに、当時のWeb3の流れからNFT化して販売することにしました。そのアイデアと事業計画で二回目の資金調達を行いました。
しかし、VRヘッドセットのマケプレだけでも早すぎましたし、さらにNFTを組み合わせることで、
というスタートアップにおける最も多い間違いを犯しました。ローンチ3ヶ月でSnowXをやめ、他の事業を探し始めました。
チームを減らし、調達した資金が底を着きそうになったとき、私たちはVRを続けようと決めました。自分たちの事業、SnowXはうまくいかなかったけれど、VRが広がることが否定されたわけではない。むしろ、SnowXを通じてVRの魅力と、世の中の勢いを学びました。
これを決めたのはWeb3の経験を通じてでもあります。SnowXを作る中で、成功しているWeb3起業家の人たちとも会いました。彼らはWeb3の波がくる前から張り続けていました。いまはクライメートテックやAIにも波がきていると思いますが、基本的には、一般的に新しく伸びてる領域であれば、どれに張っても次のステージに行ける確率は変わらないと思います。それよりも張り続けられるか、の方が大きい。VRがくる、来ない、と世間で色々と言われる中で、インサイダーとしてプロダクトつくりつづけ、ユーザーが本当に感謝して使っているか、忖度なくお金を払ってくれるか、これだけ見ていればいいと腹を括りました。その中でチームも成長していきますし、できることも増えていきます。昨年の今頃、チームは4人でした。今はパートタイムも入れて25人で、社外の仕事のつながりも広がりました。これを活かせばいろんな企画やプロダクトができますし、成功させる確率が高くなっていきます。
VRをやることを決めてからは、B2Bかつ日本企業から始めようと考えました。なぜ日本企業に話を聞くことにしたかというと、シリコンバレーで成功した移民の起業家を見ている中で、いずれも自身の国や卒業大学のネットワークで初期プロダクトをつくり、その実績を持って米国企業にアプローチしていたからです。当たり前ですが、英語もよくわからない、ネットワークもない、実績もない人がエンプラB2Bの営業をするのは非常に難しいです。
*その意味で、今は東京ドーム、大手航空会社、大手製造業など、アメリカ進出している素晴らしい企業の実績ができ、これらの実績だけでもアメリカに営業する際には、クライアントにとってはかなりの安心材料になります。
そのために、シリコンバレーの中でも、サンフランシスコとは違うコミュニティで、大企業が集まっているサンマテオ、サンノゼの方にあるプラグアンドプレイや、楽天が運営するインキュベーションオフィスに入り、いろんな日本企業と話しました。その中で、もちろんVRは知ってるし、社内で活用していきたいけれど方法は決まっていない、といった声を4、5社から聞くことができました。
その後、担当の方々にVRを触ってもらうところから始め、企画や予算を一緒に作り、実現していく過程で、日本の本社とのやりとりが多くなり、私も日本に戻りチームを作ることを決めました。
2020年8月から3年ぶりに日本に戻りました。すると、既存投資家から顧客候補をご紹介いただき、いずれもすぐに当社プロダクトや受託開発の契約を頂くことができました。とても感謝する一方で、ネットワークやつながりが薄いシリコンバレーでやるのが難しいかを改めて感じました。
その間に、インドにもいきました。インドチームはSnowXの初期からありました、2年間ずっとリモートで、直接会ったことはありませんでした。
インドチームは、もともとインドで唯一VRアトラクションを開発していたkaleidozone(カレイダゾーン)というシード調達をしたスタートアップがベースです。Kaleidozoneも本社はサンフランシスコですが、インドで開発し、インドとアメリカでVRアトラクションを展開していました。しかし、世界中のVRアトラクション企業と同様に、kaleidozoneもコロナで解散することになりました。
*2020年には世界最大手のSandboxVRも民事再生を申請しました。
Kaleidozoneはコロナの影響で解散
実はKaleidozoneのCEOとシリコンバレーに渡った直後にプラグアンドプレイでつながっており(CEOはアメリカで本業のM&Aアドバイザーをしたことで意気投合しました)、Kaleidozoneを解散するので、従業員を引き取ってくれないか、と相談されました。その話を受けたことから、私たちのチームにはKaleidozone COOのRams、リードエンジニアのYokesh、リードクリエイターのAdhilが中心になりました。サンフランシスコにいたからこそ、インドでチームとVRゲームセンターのネットワークや実績をつくることができました。
インドは面白いです。
世界一の人口(14億人超)、若者が溢れており(平均年齢28歳、中国は38歳、日本は48歳)、お酒も飲まないのに、夜中1-2時に街中をぶらぶらしている若者が埋め尽くしている光景には日本にはない勢いを感じます。新しい電車ができたり、道路ができ、いつも車とバイクが道路を埋め尽くしています(交通ルールはひどく、車線を守る人は誰もいません)。経済発展も凄まじく、来年にはGDPで日本を抜き世界4位になります。VRも状況が一気に変わる可能性もあり、注視する必要があります。
渋滞かつルールがめちゃくちゃで、ほぼ正面衝突している
現在、(以前の中国が”世界の工場”であったように、)インドは”シン・世界の工場(ソフトウェア)”と言えるのではないでしょうか。Appleもビジョンプロの開発拠点をバンガロールに置いており、安かろう悪かろうではなく、高レベルなエンジニアがインドに多くいます。当社にはインドで結婚しているメンバーが3人いますが、それらの奥さん全員がソフトウェアエンジニアです。
*インドの生活
少し気をつけていれば問題なく過ごせます。しかし、特に食べ物には気をつけています。何を食べても辛いです。ケンタッキーもサブウェイも、サラダもチキンもバーガーもパスタも辛いです。水は怖いのでペッドボトルの水で歯を磨きます。累計滞在60日以上していますが、1度しか腹痛はでていません。
私たちは今、VRアトラクションとVRトレーニング事業を行なっています。VRトレーニング事業では、シリコンバレーのつながりや日本でのご紹介の中で、日本を代表するような企業との取引ができています。
近年、労働人口の減少でDXが進んでいます。しかし、多くの教育はPCやスマホで代替できず、未だに対面で行われています。それらの対面教育のDXにVRが効果的です。VRのメリットは2つで、1つ目はリアルの代替=遠隔拠点の研修、指導者の時間短縮です。
2つ目は、リアルを超える=現実で難しいトレーニングを、仮想空間で実現します。
このマーケットはすでに海外では確率されていて、例えばウォルマートは17,000台のヘッドセットを購入し、アルバイト含む全従業員の研修をVRで行っています。日本でも当社以外にもいくつかのスタートアップが展開しているため、VRに興味のある方でしたらマーケットが成長しているのはご存知だと思います。
VRトレーニング事業は、日本を中心に2-3年は既存顧客の課題解決に全力を尽くす予定です。というのも、エンタープライズは対面教育に大きなコストがかかっており、人手不足の解消のためにVR活用の余地が非常に大きいからです。そこでVRをつかった生産性改善を行なっていき、その上で海外にも繋げます。
VRアトラクション事業については、次の4年で世界における最初の勝負が決まります。世界最大手でa16zを中心に130億円調達しているSandboxVR*は次の4年で280店舗、二番手のZero Latency VRもすでに100店舗を超え、体験者は述べ400万人を超えました。また、来年だけで新規50店舗以上(既存店舗比50%)の展開を予定しています。
*SandboxVRとWeb3のsandboxは異なる会社
VRアトラクションは、映画制作のようなビジネスです。いくら良い映画を作っても、映画館がないと上映できなません。だからSandboxVRは130億円を調達し、Zero Latency VRは初期からフランチャイズ戦略で、自社のロケーション(≒映画館)をつくりつつ、そこで遊ぶアトラクションを作っています。*東宝が、直営の映画館を作りながら映画をつくるのと同じです。
きっかけは、2022年末頃に東京ドームの新規事業室の赤木さんがシリコンバレーに来られた時に、起業家友達の後藤さんに紹介されたことでした。当時はSnowXをやっていたので、Web3、VR、シリコンバレーについてざっくばらんに話していました。その中で、(STYLYが手がけた11月22日にオープン予定の)宇宙体験施設TenQのVR化や、屋外MR体験など様々なディスカッションをしました。その時はそれで終わったのですが、翌年6月のIVSで新規事業室長の安間さんと改めて出会った時に、メインである東京ドームシティの中で、VRアトラクションをやるので企画を考えたいと聞きました。遊園地の常設アトラクションなので、R&Dやイベントではなく、限られた予算で投資回収も考え、回転率を高める必要があるという話でした。最初は、遊園地なので、ライド型(椅子などに乗ってVRヘッドセットをつけるタイプ)を中心に5本の企画を作り、ディスカッションしました。どれも面白くなりそうだが、これといった決め手がない中で、会議は煮詰まっていきました。今思えば、どこかにあるコンテンツ、技術なので、新鮮味がなかったのでしょう。そんな時、2023年10月末、Quest 3が発売され、Mixed Realityと呼ばれる、現実に3Dを混ぜることができるようになりました。これを体験した瞬間に、Quest 3を使って、SandboxVR、Zero Latencyにはない新しいXR体験をつくろう!とチーム一致で動き出しました。
に幾つかの与件を加え、案を絞り込んでいく中で、ドラクエVRを制作した実績のある白井さんにコンセプトディレクション兼シナリオライターとして入っていただけました。
そしてできたのが、"現実と仮想=現代と未来を行き来する"MRシューティングゲームでした。
まだQuest 3も出たばかりで、情報も非常に少ない中で、常設MRアトラクションの開発は、技術的な挑戦が色々とあり(レイテンシー、マルチプレーヤーにおけるオクルージョンなど)、さらにオペレーションのために演出も削り洗練させていく必要もありました。しかし、2024年初夏に4割ほどのプロトタイプができた時には、全員がこれはいける!と確信していました。
そして、8月に行われた世界最大のXRの祭典であるAWEに出展した際には、スタンドアローンかつMRでマルチプレーヤーを実現したことからMetaのメンバーにも絶賛され、さらに、VRの最優秀賞を受賞しました。
来年にむけて、大きな企画が複数動きはじめています。2027年にVRアトラクションの売上20億円、その内半分を自社ロケーションで稼ぐための仕組み作りを始めています。日本でのロケーションXRの拠点を作ることで、アメリカのSandboxVRやZero Latencyと協業できる体制にします。私たちが日本のIPと組み、ゲームを作り、SandboxVRのロケーションに展開するのも遠い日ではありません。VRトレーニングでは、既存顧客に貢献し、将来的には海外含めて広げていきます。
去年の今頃3人だったチームは、日本、インド、香港、カナダで最高のメンバーが入ってきてくれ、25人になりました。
3人のころインドにて
これらのメンバーは、東京ドームさんを中心に素晴らしいクライアントとのプロジェクトをやりたいと集まってくれました。クライアントの皆様にはこの場を借りて改めて感謝申し上げます。
私たちはオフショアの会社ではありません。サンフランシスコで始まり、そのつながりからインドチームができ、最後に日本チームを作った、グローバル企業です。*さらに、インドでVRに挑戦できている唯一の日本企業です。
元kaleidozoneのCOOであり、当社No.2のRams、kaleidozoneのリードエンジニアであったYokesh、15年以上のキャリアを持つベテランのPK、若手ですがすでに全体のPJリードをしているKPに加え、SandboxVRの創業メンバーや世界初のVRMMOであるZenithの初期メンバーに加え、
東京タワーのARアトラクションを作ったKingさんが、アートとゲームのディレクション、ドラクエVRをつくった白井さんがシナリオライター兼演出として東京ドームPJに入ってくれました。KVとファサードデザインは元ティフォンの祭田さんなど、XRエンタメにおける最高のクリエイティブチームで、誰1人がいなくても、ここまで来れることはなかったと思います。
当社にはCXOクラスの幹部が私以外にいません。次の3年は全員が創業メンバーであり、メンバーにとってもチャンスだと思います。いい人と一緒に働き、幹部になっていく、そんなことができるタイミングです。
私たちは一緒に100兆円企業を目指せる人材を募集しています!
採用基準
- レールに乗っていない、自分で選択したことがある人
- 厳しい環境に身を置き、何度も失敗しながら、諦めず、何かしらの成果を残した人
- 数字や成果、スケジュールから逃げない人(辛いことを直視し、立ち向かえる勇気のある人)
- 自分の役割を全うできる人(他人ができないことを解決する)
- 勉強をし続け、スキルアップできる人
- チームに優しくも厳しくもできる人
- 嘘をつかず、誠実でいる人
- テック担当はビジネスを、ビジネス担当はテックを、上流は下流を、下流は上流を学び協業できる人
- Disagree and Commit
- VRやグローバル展開に興味がある人
- Born global
私たちは世界で活躍するために生まれました。日本でもインドでもサンフランシスコでもなく、グローバルに活躍します。
- Outsiders at origin
私たちは何者でもありません。常にこの原点を忘れず挑戦し続けます。
- Collaborate to succeed
プロフェッショナルとして、様々なバックグラウンドや価値観を超えて、成功するために協力します。
最後になりましたが、3年間無風状態でも、ずっと100兆円企業をつくることだけを考えてきました。ここからも100兆円を目指して、堅実に大きな判断をしていきます。その過程で、みんなが心を揺さぶるものをつくり、他の人と一緒に成功する、このプロセスを永久にやり続けます。