こんにちは。プリモ動物病院グループで制度設計を担当している関野です。
制度の話は、どうしても「評価は公平か」「納得できるか」といったテーマに意識が向きがちです。もちろん、公平性は重要です。
ただ、制度を設計する立場として、最初に整えるべきだと強く感じているのは、公平性より前に“土台”を揃えることです。
土台が揃っていない状態で評価だけを精緻にしても、現場ではむしろ不満や疲弊が増えてしまいます。
今日は、評価制度の議論で見落とされがちな「公平より先に整えるもの」を、できるだけ分かりやすく整理します。
評価制度がうまく機能しない原因は「評価の精度不足」ではない
制度が機能しないとき、よく聞く声があります。
「評価が曖昧だ」「人によって基準が違う」「頑張りが伝わらない」。
確かにそう見えるのですが、原因を分解すると、評価そのものよりも前に、次の3つが未整備なケースが多いです。
- そもそも役割が曖昧
- 期待される行動が言語化されていない
- フィードバックの運用が設計されていない
評価は最後に“点数”を付ける行為ですが、点数以前に「何を点数化するのか」が曖昧なら、どれだけ公平にしようとしても限界があります。
“公平”より先に整えるもの①:役割(ロール)をはっきりさせる
評価は、本人の人柄を測るものではありません。
本来は「役割に対して、期待された行動がどの程度できているか」を確認する仕組みです。
にもかかわらず、役割が曖昧だと評価がこうなります。
- なんとなく忙しそうな人が高評価になりやすい
- 誰かの穴埋めをする人が損をしやすい
- “目立つ仕事”だけが評価されやすい
真面目で責任感のある人ほど、この歪みに巻き込まれやすい。
私はこれが一番、もったいないと思っています。
だからまず、職種や経験年数に応じて「今の役割」「次に期待する役割」を明確にする。
評価は、その後についてきます。
“公平”より先に整えるもの②:期待値(基準)を言語化する
役割が決まったら、次は「何ができたら合格か」を言語化します。
プリモでは「Growlog」という成長支援システムを導入し、言語化された自身の成長や目標をいつでも何処でもスマホで簡単に確認できます。
ここが言語化されていないと、評価は必ず“空気”になります。
言語化のポイントは、精神論ではなく、行動に落とすことです。
例として、同じ「主体性」でも——
- NG:主体性がある
- OK:忙しい時に優先順位を相談できる/必要情報を先に揃えられる/判断に迷ったら早めに確認できる
こうやって“観察できる言葉”にすることで、評価のブレが減り、本人も成長の方向性が見えるようになります。
“公平”より先に整えるもの③:運用(フィードバックの設計)をつくる
制度は、作った瞬間がピークになりがちです。
現場で回らなければ、制度は存在しないのと同じです。
評価制度を機能させるには、以下のような運用設計が必要になります。
- いつ、誰が、どの情報をもとに評価するのか
- 評価前に、本人が振り返る機会があるか
- 面談で「次に何を伸ばすか」まで合意できるか
- その後の育成(研修・OJT)につながるか
制度を“評価のための制度”にしない。
評価はあくまで、育成と連動して初めて意味を持ちます。
制度設計で大事にしているのは「頑張る人が報われる構造」
私は、制度を設計するときにいつも考えることがあります。
それは「真面目に頑張る人が、損をしないか」という一点です。
現場には、目立たないところで支えている人がいます。
準備を丁寧にしている人、周囲の状況を見て動ける人、空気を整えてくれる人。
そういう人が「評価されにくい」「消耗する」「辞めてしまう」。
この構造は、個人の問題ではなく、仕組みの問題です。
制度設計の役割は、そこを放置しないことだと思っています。
評価の前に、“土台”を揃える
評価制度は、公平であることが大切です。
ただし公平性を語る前に、まず整えるべき土台があります。
- 役割を明確にする
- 期待値を言語化する
- 運用(フィードバック)を設計する
この順番を間違えないことで、評価は「裁くもの」ではなく、
人が育ち、安心して働き続けられるための仕組みになっていきます。
私たちの仕組みに興味を持っていただけましたら、ぜひ一度オンラインでお話をしましょう。