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製造業に携わるすべての人にチャレンジできる環境を創造し、エンジニア魂に火を付けるCTOでありたい

2020年5月にCTOに就任。製造業のICT活用やスタートアップ企業の支援、ものづくりに関わる若手を育成していく産学連携支援など、製造業の未来を創っていく事業を積極的に推進している青木さん。

前職時代から「口も手も出す」スタイルで、まさにO2の大切にするコンサルタントの素養を持ち合わせていたことから、転職時に相談した人材エージェントに「青木さんはO2がぴったりなのではないか」と言われたそうです。

あらゆる事に首を突っ込む “おせっかい” がアイデアを 生む

――前職では、インクジェットプリンターの技術開発に携わっていらしたんですよね

キヤノンの記録技術研究所で4年間、主にインクジェットプリンターの研究に従事していました。事業本部に異動した後は、プリントヘッドの新規技術開発に始まり、量産までですね。社内横断のCAE タスクフォースにも参画し、CAEを活用した設計のフロントローディングを展開していました。

――社内横断プロジェクトへの参画。イノベーションが起きそうな予感がします!

実は参画できなかったプロジェクトもあるんですよ(笑)プリント技術を使用する製品共通の横断プロジェクトです。ただ、正式に参画はできなかったのですが、時間を見つけてプロジェクトにはちょこちょこ顔を出して、自分のアイデアを聞いてもらったり、いま課題になっている事が何かをヒアリングしていました。横断プロジェクトに限ったことではなく、常に社内のあらゆる事に首を突っ込む、というのが私のワークスタイルでした。

アンテナを張り巡らせていたことが、実際にプリントヘッドの新機能開発に役立ったケースもあります。インクは一定期間使われていないと水分が蒸発してしまう性質があるため、ポンプのような機構を使って補助する必要があるのですが、ある時、このポンプの工程は無駄じゃないか?と思いました。そもそも蒸発しにくい仕組みにすれば良いのではないか、と考えたのです。

実際に開発に乗り出してからは、通常半年程度かかる工程を2ヶ月間で評価用のプリントヘッドを開発、実証まで完了させました。発案当初は、機能やスケジュールについて社内の反対もあったプロジェクトでしたが、“このスピード感でやらないと世の中を変えられない”という強い意思でやり遂げました。

――2ヶ月って開発期間としてはかなり速いですね!

このプロジェクトこそがまさに、日頃から社内のいろんな人とあれこれアイデアの壁打ちをして、おせっかいをしていた賜物です。新しいことをやりたいと思った時、どのピースとピースを組み合わせればパズルが完成するのかを素早くイメージできたことが功を奏しました。

試したいアイデアに近い設計書が過去にあったはず・・・とか、知見を持っていそうなのはあの人だ! みたいに日常の会話で積み上がった情報から、まさに引き出しを開けるように浮かんで来るんです。あとは実現に向けてどう組み合わせて行くかを考える。過去のものは遺産ではなく、全て次への種です。

「技術」という共通言語を武器に、お客様の文化を知り伴走する

――何を実現したくてO2に転職を決めたのですか

キヤノンでは事業本部に異動した後も大小さまざまな社内改革に携わり、いくつもアイデアを出してきました。しかし、変えられないことにも直面しました。その1つが、協力会社さんが相次いで事業を終了されたことです。どんなに素晴らしい技術を持っていても、お世話になった企業でも、事業の継続に関しては前職の私にはどうすることもできませんでした。

2つ目は、エンジニアなら誰でも一度は考える “もっと自分が作ったモノで人に喜んでもらいたい” という想いです。

上記のような思いをぼんやりと抱えながら10年くらいが経ち、いよいよ転職を決意した先に居た人材紹介会社の担当が、偶然にも友人だったのです。製造業に対する思いやチャレンジしたいことを伝えると「青木はO2が合うんじゃないかな」と勧められました。O2はこのとき初めて知りましたし、当初はコンサルなら大手有名外資でしょう、と考えていましたから。しかし、自分をよく知る友人が言うなら・・・という思いで、O2に応募しました(笑)

――青木さんのコンサルティングの考え方を教えてください

私が大切にしているのは、お客様が実現したい世界を正しく理解すること、そのためにお客様の文化を知ることです。

コンサルティングはお客様の課題を改善・解決すること、お客様に製品やサービスで利益を出していただくお手伝いをすることです。そして、利益という結果だけでなく、その過程にどれだけ関われるかがコンサルタントの真の役割だと考えています。

例えば、従業員の満足度を上げていくことが業務効率改善と収益UPに繋がるという話をします。少し離れた工場に時間ごとに目視で確認に行っていた業務があるとします。これを工場にセンサを付けて移動せずに遠隔で管理することで、従業員の移動による体力消費と都度仕事を中断するストレスを減らすことが可能になります。また、移動時間を他の仕事に割けるため、幅広い仕事に従事できるという利点も生まれます。

この事例を「今どきそんな事で悩むのは遅れている」と感じるか、「その手があるのは知っているけど実際にどうやれば良いのか分からない」、と思うかは業界によってまちまちでしょう。しかし、前出の例の様に、当たり前だからこそ疑問を持たず、不便さを受け入れてしまっているケースや、一方の企業や業界での当たり前が、他方ではまだ試されていない場合もあります。

そこに気づき、背景を知り、どのような方法で解決することが本当にお客様の描く世界や未来とマッチするかを考え抜くことが、事例を多く持つ、我々コンサルタントの強みであり仕事です。単に技術を改善し手法を変えることはコンサルティングとは言えません。

―― “首を突っ込む&おせっかい” 意味で他にも実現できたことはありますか

数という意味でも、たくさんの“おせっかい“ができていますよ。O2入社後は、前職と比べて10倍以上ものプロジェクトに携わっています。製品形態にもよりますが短いもので1年、長いものだと3年くらいの期間が必要となります。O2では、1つのプロジェクトは3ヶ月~1年単位のスケジュールで、同時に複数携わることが殆どですので、平均すると年間5から5プロジェクト、製品期間で比べると10以上のプロジェクトを担当しています。

O2の社風として、幹部メンバーに意見を伝えれば権限移譲してもらえることも多いので、お客様へのコンサルティング内容(おせっかい)もコンサルタントの裁量に任せてもらえます。

たとえ経験したことのない業界や課題であっても、お客様とO2のコンサルタントには「技術」という共通言語があります。不明点があれば社内に居るたくさんの“元技術者”が持つ経験とメソッドを集合知として組み合わせれば必ず答えが見つかるんです。

エンジニア魂に火を付けるCTOでありたい

――スタートアップ企業や学生の育成にもチャレンジされていますよね

次世代リーダー人財の育成活動を行っています。その一つが製造業の方々とジェネレーションZの中高校生と一緒に新しいモノ・コトを創出する活動です。そのひとつとしてCURIO-SCHOOLとMono-Coto Innovationを共催しています。

浜野製作所さんが行っているGarage Sumidaという、ものづくりイノベーションを支える活動にも参画し、スタートアップ企業の支援等も行っています。

個人的には、おもちゃショーや兵器の展示会など、仕事に関係がなさそうな業界も覗いて見るようにしています。面白いカラクリや安全性を確保する技術など、思わず膝を打つようなアイデアがもらえたりするのが刺激になります。ものづくりに失敗はつきものだと分かっているからこそ、完成に至る過程でどのような施策を繰り返したのかを想像するのも楽しいです。

ものづくりって時間がかかるんですよね。だからこそ、私は、ものづくりに携わる人々に “失敗を恐れずにチャレンジできる環境づくり” が提供できたらと考えています。

――CTOとして実現していきたいことを教えて下さい

エンジニアにとって最も幸せな時間は "新しいコトを考えている時間" ではないでしょうか。しかし、考えるにも試すにも時間が必要ですから、エンジニアの時間を創出するための、集合知による効果的な設計手法と、生産の自律化を支えるAI技術の確立がCTOである私の使命と考えています。まだ世の中に無い商品、新しい組み合わせをどんどんエンジニアと生み出していきたいですね! そのためにもICTの活用は必要不可欠だと考えます。

時間だけでなくエンジニア魂に火を付ける着想の提供やマーケットに流通させる、フィットの手法を伝えていくことも私の役目です。

幸いにもO2は、各社で培った勝ち筋から思考するノウハウ、長くマーケットフィットさせるアフターサービスのあり方を持ち合わせています。O2の集合知とお客様独自の技術をマッシュアップ(相互作業)させ、独自の「エコシステムインテグレーター集団」に進化させていくこと。製造業支援といえばO2というシンボリックな活動をさらに行っていきたいですね。

                                インタビュー日:2020年5月27日

O2のホームページでもCTO青木がカルチャーについて語っております。ぜひコチラでご覧ください

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