インフラエンジニアの仕事は地味だと言われる。
派手なUIもなければ、「すごい!」と拍手をもらえる機会も少ない。
それでも私は、この仕事が案外楽しいと思っている。
まず、思い返すと一番ワクワクしたのは、初めて自分が設計した環境が動き出した瞬間だった。
ケーブルを挿し、設定を書き込み、電源を入れる。
機器のランプが順番に点灯し、ログが流れ、サービスが立ち上がる。
“無”だったところに、自分の手でインフラが生まれていく。
誰も見ていないが、その瞬間だけは自分の中でだけ花火が上がる。
そして、何より楽しいのは「原因を突き止める瞬間」だ。
障害対応と言うと、焦りとプレッシャーのイメージが強いが、その裏に実はエンジニアの本能を刺激する“解決の快感”がある。
バラバラだった情報が一つに線で結びつき、「あ、ここか」と気づいた瞬間のあの感覚。
探偵が真相にたどり着いたような、パズルの最後のピースがはまったような、あの静かな達成感。
どんなに眠くても、その瞬間だけは眠気が吹き飛ぶ。
また、チームで問題を乗り越えたときの一体感も好きだ。
「こっちはクリア」「ログここまで確認済み」「このルートがおかしいかも?」
複数人の知識と経験が重なり、ひとつのトラブルを解いていく。
誰かが立派なスピーチをするわけではないが、作業が終わった後の小さな「ありがとう」や「助かった」の一言がじんわり効く。
インフラは“個人技”のようで、“チーム戦”でもあるのだと実感する。
そしてもう一つ、楽しいことがある。
それは、誰かの「普通の毎日」を支えているという実感だ。
家で動画が途切れないことも、会社でメールがちゃんと送れることも、
オンライン会議がスムーズに開けることも、
すべて“何も起きていないこと”が成果の証になる。
目立たなくても、誰かの日常の滑らかさに、自分の仕事が繋がっていると感じられる。
それは、不思議な誇らしさがある。
インフラエンジニアの仕事は、派手さとは無縁だ。
だが、静かに、確実に、世界を裏側から支えている。
その重みと手触りが、私にとっては何よりの“楽しさ”になっている。