「専門家の知識を顧客の成果に」をミッションに掲げるITスタートアップの株式会社iDOOR(アイドア)。前編に引き続き、取締役COO・CFOの児玉洋貴に話を聞いていきます。児玉COOは共同創業者の岡田湧真CEOと共に、iDOORをいかに成長させていこうと考えているのでしょうか?
税理士・公認会計士から見たiDOORの未来は?
――iDOORが今後取り組んでいきたいことについて、もう少し詳しく聞かせてください。
良いコミュニケーションとは何かを考えるとき、量と質の両面から考える必要があります。ただ、例えば税理士と中小企業の経営者のコミュニケーションの現状を見ると、確定申告書の作成や記帳代行といった業務が目立ち、経営を良くするコミュニケーションの絶対量が少ないのが現状です。
ですから、まずはコミュニケーションの量が増えることが大切で、その量に貢献できるのがL-MagaZineです。
また、コミュニケーションの時間が取れないという問題は、ITを活用した効率化をさらに促していくことが重要です。会計ソフトのクラウド化が進んで久しい中、専門家という「ヒト」でしか担えない、経営者の真のパートナーたる業務に時間を割かなければなりません。
このように考えると、L-MagaZineをCRMソリューションの一つとして位置付け、新たなプロダクトも必要になってきます。
――例えばどのようなサービスでしょうか。
専門家の「翻訳機能」をサービスにする、といったことでしょうか。
法改正が私たちの生活に直結することもありますし、補助金や助成金の情報は企業の資金調達に直結することも少なくありません。士業の業界内の競争を勝ち抜くため、クライアント企業や個人に対し、情報提供して顧客獲得に伝えようと考える方々も現れ始めています。
ただ、その情報提供が本当に伝わるものになっているかと言われると、そうはいいがたいのが実情です。
とある補助金の申請について、省庁のホームページのリンクや、法律の条文をそのままお客様と共有する専門家の方もいます。そうなると、受け取る側は「結局どういう事ですか?」と感じてしまいますよね。専門的なことを噛み砕いてから発信することは、簡単なようで実はとても難しいのです。
既にL-MagaZineがこの一端を担っていますが、さらにこの「翻訳機能」を先鋭化させるというのもあり得ます。
世の中に情報があふれていますが、士業という専門家、かつ顧問先というフィルターを通じて発信される情報は、経営者にとっては行政機関が発表する内容とも、業界知識を持たない人によるまとめ記事とも、全く異なるのですよね。
日本にある中小企業は99%を超えると言われています。その中小企業の経営に欠かせない専門家をユーザーとして抱えるiDOORができること、いえ、しなければならないことは、無限にあると思っています。
求めるのはフォワード的、ディフェンス的、そしてその橋渡しとなる人材
――経営者である岡田さんを一番そばで見て、感じることはありますか?
岡田さんの経営者としての姿を見て一言で表すなら、「圧倒的に手数(てかず)が多い」ですね。
営業、マーケティング、システム開発、採用、ありとあらゆる施策を打ち、iDOORという企業を前へ前へと進めています。とにかく着想から動き出しまでのスピード感が速い。例えば昨年12月から公開している「士業DXメディア:DOOR’S」(リンクを張る)も1カ月くらいで形が出来上がって、あっという間に世の中に出ていました。
――岡田さんはインタビューで、「児玉さんというプロフェッショナルと共にiDOORがスタートできたという事実が、自分のアイデアへの自信になっている」と話していましたよ。
それはうれしいですね。ただ岡田さんの周りって、自分に限らずプロ意識のある方々が多いように思います。現在も多くの協力者と共にL-MagaZineを運用していますが、岡田さんは仕事の時、「あなたにお任せします」という趣旨の発言をすることがあります。
これって一歩間違えばうまくいかないのではないか、とか、投げやりなのではないか、と思われそうなのですが、岡田さんは仕事をする以上は誰もがプロ同士、仕事をお願いするには信頼する、という意識が、気持ちよいくらいに明確なんですよね。
これまで、様々な経営者と仕事をしてきましたが、岡田さんのような方は見たことがありません。
岡田さんがものすごいスピード感で事業をグロースさせているので、ユーザーとなっていただける専門家や事務所の数が予想以上に増え、サービスの未来が広がっているので、iDOORで働く仲間を増やさなければならないところです。
――どんな方にiDOORへジョインしていただきたいですか。
私にとっての目標は、良い士業の事務所が増え、それによって中小企業の経営を活性化させ、日本を盛り上げること。ですから、その目標に共感していただけることに尽きます。
その上でさらに言えば、先ほどお伝えしたように「あなたに任せます」と言われる環境を喜びと感じて、iDOORを成長の機会にしていただける人、フォワード的なスタンスで経営を広げている岡田さんと一緒に攻めの施策を打っていける人、ディフェンス的な立ち位置でカスタマーサポートなどができる人、ディフェンスとフォワードの橋渡しができるような方と一緒に働きたいですね。
私自身、このL-MagaZineのサービスを考えたのが岡田さん以外の誰かだったら、「一緒にやろう」とまで動かなかったと思います。こんな私たちと一緒にシードのスタートアップを成長させたい人がおられたら、ぜひ一度お会いしたいです。