株式会社オービット
私たちは、工場で行われている外観検査(Visual Inspection)を、画像処理技術やロボット技術を用いて自動化するソフトウェアおよび検査装置を開発しています。1999年の創業以来、半導体・自動車部品・食品など幅広い業界で、1000台以上の検査装置を稼働させてきました。 外観検査は、製品の品質を守るために欠かせない工程です。しかしその多くは、今も人の集中力と経験に支えられています。自動化が進んだ工場であっても、検査工程だけは人海戦術が残り、「人員の半分以上が検査員」という現場も珍しくありません。 【パッケージソフトウェアの開発】 外観検査は検査対象が変われば条件も変わるため、一般的には対象物ごとに検査アルゴリズムを作り込む受託開発が主流です。この方法では、顧客ごとに最適化はできるものの、毎回開発工数がかかり、良い技術が生まれても守秘義務などの制約から横展開ができません。結果として、技術や判断が個別案件に閉じてしまいます。 私たちは10年以上前から、顧客から個別の開発費をいただかず、「同じソフトウェアを、さまざまな検査に使えること」を目指してパッケージソフトウェアの開発を続けてきました。特定の製品専用ではなく、条件設定や運用の工夫によって幅広い対象物に対応できることを重視しています。その結果、同一の画像処理ソフトウェアを、複数業界で継続的に利用していただいています。 【動作環境(ハードウェア)を含めた提供】 当初はソフトウェア単体での提供を行っていましたが、それだけでは工程として成立しないケースも多くありました。カメラや照明、PCの選定が適切でなければ、ソフトウェアの性能を十分に発揮できないからです。 現在は、PC・カメラ・照明などの市販品を組み合わせ、画像処理ユニットとしてセットで提供しています。単に「動く」かどうかではなく、「安定して動き続けるか」「再現性を保てるか」「現場で扱い切れるか」まで含めて責任を持つことを重視しています。 【ハンドリングを含めた検査装置の開発】 外観検査という作業は、それ自体では付加価値を生みません。検査を行ったからといって、製品の販売価格が上がるわけではないからです。そのため検査工程は、「ニーズは高いが、予算がつきにくい」厄介な位置づけになりがちです。 私たちはこの課題に対し、単に人を機械に置き換えるのではなく、「検査員より何倍も速い検査」を実現することに注力してきました。検査速度を大きく向上させ、工程全体のコストを下げることで、顧客に明確な投資効果をもたらす。その成果に比例した価値を提供することを目指しています。 【現場を前提にした仕事】 私たちの仕事は、机上で完結しません。実際の現場で装置を動かし、運用され、使い続けられて初めて意味があります。そのため、できないことはできないと伝え、条件を変えればできる道を一緒に考えます。技術を魔法のように扱うことはせず、工程として成立するかどうかを最優先に判断します。 派手なプロダクトではありません。楽な仕事でもありません。それでも、現場から逃げず、エンジニアの判断を大切にしながら、使われ続ける技術と装置を提供し続けています。