「コーディネーターってどんな仕事をしているの?」「どんなことがやりがいなんだろう?」そんな素朴な疑問にお答えするべく、NCL南相馬にコーディネーターとして着任した3名にインタビューを実施しました!
ー NCLとの出会いについて教えてください。
一関 前職で社会事業コーディネーターをしていた際、遠野で立ち上がったNCLの存在を知りました。面白そうだったので色々調べている時に、ちょうど以前から知り合いだった小高ワーカーズベース代表の和田さんがNCLに関わることを耳にしたんです。そこでNCLと南相馬が繋がって興味を持ちました。私は東北生まれ東北育ちなので、そろそろ東京での仕事は辞めて地元に戻ろうかと考えていた時だったのでタイミングも合いました。もともと復興関係の仕事で南相馬の事業者支援に携わっていて、深刻な人材不足を実感していたのもあって、自分が地域に入って、もっと近いところで課題解決に取り組みたいと思ったんです。
西山 私は日本仕事百科という求人サイトで見つけました。そのサイトは求人だけを載せるのではなく、その仕事に携わる方のインタビュー記事も掲載していて、読み物としてそのサイトを楽しんでいました。その中でNCLについての記事を見つけたんです。その記事に興味を持って調べてみるとNCL南相馬のコーディネーターを募集していることを知りました。以前から続けていたデザインの仕事の他に、地域でゼロから1を創る仕事をしたいと思っていたところだったので、応募を決めました。
井上 僕は、もともと一般企業で働いていました。でも、仕事が合っていないと感じていて。仕事を通じて自分が目指す未来っていったいなんだろうと考えた時に、長野県出身ということもあって、地域での仕事や消費的ではない社会像に漠然と興味を持っていたんです。でも、特別なスキルを持っているわけでもない自分が、ひとり地域に移住して仕事を始めるということに、具体的なイメージは沸きませんでした。そんな時にNCLの募集を見つけたんです。似た価値観を持ったメンバーが地域に移住してお互い助け合える仕組みが僕にとっては魅力的でした。
ー やりがいを感じた瞬間は何ですか?
西山 NCLとして活動していることが、結果的に地域の役に立てていることが多いことはやりがいではないしょうか。
井上 僕は目にみえて成果が見えた時にやりがいを感じましたね。2019年4月に「小高つながる市」というマルシェを開催したんです。地域の方の協力もあって、大勢の方々に足を運んでいただきました。他の様々な業務や活動も、将来的に地域の賑わいや活発さにつながることは分かりながら、すぐに結果が見えるものではなくて。マルシェは目の前で地域の方が喜んで下さったり、地域の賑わいを感じられたので、本当に嬉しかったですね。
西山 私は、ラボメンバーが一人ずつ増えていくことがすごく嬉しいです。南相馬で新しい仲間と一緒に働けることにわくわくするし、盛り上がっている地域をイメージしやすいので楽しいですね。
一関 震災後初めての海開きで最後に花火が打ちあがった時は最高でしたね。小さい子が初めて地元の海に入って、はしゃいでいるのを見た時、花火が成功した時は本当にやって良かったと思いました。普段は別の事業を行っているラボメンバーも一緒に取り組んでくれて、地域の人や市役所職員と密接にやりとりしながら協働できたので、イベントで地域が一体となった雰囲気が嬉しかったです。
ー 苦労や大変なことはありますか?
井上 移住してきたラボメンバーが新しい地域で戸惑わないようにサポートしていくことは難しいと感じることが多いですね。ここでずっと生活していた方にもそれぞれの考え方があるので、調整の仕方や橋渡しの方法は今も試行錯誤しています。
一関 私は、活動する中で人材不足を痛感します。シニアの方でももちろん精力的に活動していらっしゃる方がたくさんいるのですが、次世代の担い手がなかなかいない。若くて元気な人がもっといたら出来ることが増えるのにって思うことはたくさんあります。後継者やリーダーを地元で育てていくことが課題ですね。
西山 私が難しいと感じるのは成果が見えにくいところですね。まちづくりはすぐに結果が出るものではないので、モチベーションを保つのが難しいです。
井上 NCLでの立ち位置も難しいですよね。ラボメンバーとは上司でも同僚でもない。どういうスタンスで接するべきなのかはいつも悩みます。
ー これから南相馬でどういう役割を担っていきたいですか?
井上 僕は様々な文化を南相馬から発信できるようにしたいですね。例えば近隣都市圏だと自分の行きたいイベントや取り組みがあっても、身近ではなかなか少なかったり。アーティストのトークイベントなどが好きで、南相馬にもそういうものがあったらいいなと思ったんです。自分で仕掛けていくことによって住みたい町になったり、アートやカルチャーに携わるのなら東京に行くのが当たり前、という一般論を地域から切り崩していきたいですね。そういうことに挑戦できる余白が、ここにはあると思っています。
NCLの取り組みともつながりが深いと思っていて、例えばカルチャーの関わりでつながった人がNCL主催のイベントにコミットしてくれたり、NCLを通じて知り合った人とカルチャーイベントを企画したり。二軸の取り組みは自分の中でつながっています。
一関 時間の流れに合わせて地域を取り巻く環境や状況って常に変化していきますよね。それに合わせて人も変化していく必要があると思うんです。地域で人が幸せに暮らしたり組織がより良くなったりするような変化を後押しすることが私の役割だと思っています。かっこよく言うと「チェンジエージェント」。変革の担い手でありたいですね。
西山 井上さんは地域の外から文化を発信していきたいといっていたけど、私はその逆で。野馬追などの文化のまだ気づかれていない魅力を少し見方を変えることで発信していきたいです。そのことで今まで野馬追などを知らなかった方に興味を持ってもらえたらいいなと思います。
ー 直近の目標は何ですか?
一関 南相馬の海を起点に、福島沿岸部をブランド化したいと思っています。そのためには原発の根強い風評を払拭しないといけない。福島の海はサーフスポットとして価値が高いので、サーフィンを活用することで海のまちとしての魅力をPRしていけたらと思っています。地域の方々と一緒に地域資源をもっと価値あるものにしていきたいですね。
井上 僕は挑戦することが楽しいということを地域の中はもちろん外にも伝えていきたいです。そのためには、今挑戦している僕らやラボメンバーが毎日充実していることが大事ですし、そのことがもっと伝わるような取り組みも必要です。僕たちの活動を見て、自分も挑戦したい!と思う人や、南相馬って楽しそう!と思う人が増えると良いですね。
西山 楽しいことを伝えるためには自分自身が楽しまないといけないと思います。やりたいことに挑戦できる環境にあるので、お金の心配をしたり、出来ないかもしれないと思わずに、まずは躊躇せずに取り組んでみることを大切にしていきたいです。
いかがでしたでしょうか?三者三様の話から、コーディネーターという職種の多角的な面が少しでもお伝えできていればいいなと思います。
引き続きNCL南相馬では事務局コーディネーターを募集しておりますので、ぜひご興味のある方はご応募ください!