こんにちは！Digital Platformer株式会社（以下「DP社」）です 。

今回は、アプリチームとAPIチームを兼任し、開発エンジニアとして活躍する中出 翔也さんへのインタビューをお届けします。

大学院を卒業後、大企業、ヘルスケア系スタートアップを経てDP社に入社した中出さん。これまでを踏まえて「DP社が1番合っている」と嬉しいお言葉も飛び出しました。そのキャリアの遍歴と、中出さんが思うDP社の魅力について、たっぷりお話を伺いました。ぜひご覧ください！

開発グループ　アプリチーム　中出 翔也
大学院修了後、組み込み系エンジニアとしてキャリアをスタート。電気回路設計を含むハードウェア寄りの開発に従事する。その後、個人開発をきっかけにソフトウェア領域へと軸足を移し、モバイルアプリエンジニアへ転向。
現在はモバイルアプリ開発を中心に、OIDC などの認証・セキュリティ領域の実装や API 設計・実装にも携わり、他チームとの連携・橋渡しを行っている。2023年より当社に参画。

DP社は3社目。ブロックチェーンを使った事業に惹かれた

――中出さん、本日はよろしくお願いします！まずは簡単に自己紹介をお願いします。

中出：私は大学院卒で、院生時代はコウモリの研究をしていました。コウモリと言っても生物学的なものではなく、生物模倣という分野でした。ざっくり言うとコウモリがやっていることを自動車など工学的に応用しようという研究ですね。そこでプログラミングに出会い、卒業後には組み込み系の仕事ができる大手メーカーに就職しました。

 ――1社目にそのメーカーを選んだ理由は何ですか？

中出：生物模様の研究で行っていた組み込み系のことが楽しかったので、それをそのまま仕事にしたいと思ったからです。割とやっていることが近しかったので、その会社を志望しました。

――念願叶い、組み込み系エンジニアとして働かれたと。

中出：そうですね。組み込み系をやりつつ電気系もやっていたので、回路図を読みながら組み込みを作っていました。赤外分光分析装置という赤外線を使った分析装置がありまして、それを作っていたんです。大学や製薬会社向けの機械で、赤外線を物に当てることで、その物の性質が何に含まれているのかがわかるんです。1台数百万円、数千万円するんですよ。

――非常に大きな規模感ですね。

中出：数マイクロといった世界の挙動を制御しなければならず、かなり難しかったです。化学やメカの知識も必要でした。そこでは2、3年働き、次に入ったのはモバイルアプリを作っているスタートアップでした。

――大企業からスタートアップに移られたんですね。転職理由は何だったのでしょうか。

中出：大企業からスタートアップに移ったのは、大企業の風土やスピード感が自分の性格に合わなかったためです。大企業では意思決定に時間がかかりがちで、なかなか自分のやりたいことに取り掛かれませんでした。

そうした背景もあったのですが、転職を検討することになった最初のきっかけは、副業や個人での開発でした。ソフトウェア系の開発を副業でやっていたのに加え、個人でモバイルアプリの開発もしていたんです。きっかけは兄に頼まれてiOSでモバイルアプリを作ったことで、そこで楽しさに気付いたんですよね。そこから個人でモバイルアプリ開発をがっつり始めました。そのうちのひとつは、SNSでバズって結構な収入にもつながったんですよ。それを機にモバイルアプリ開発の仕事をメインにしたいなと思うようになり、転職先を探して…という流れでした。

――転機になったバズったアプリは、どんなものだったんですか？

中出：STEPN※専用の収支管理アプリですね。やっていること自体はそれほど大したことではなかったんですが、特化させたことで需要が結構あったようで、上手く刺さったのかユーザー数が増えました。iOS版を作ったあと、Android版も作りました。

※STEPN：日常の移動量をアプリで測り、NFTスニーカーを通じて報酬が付与される形式の「Move to Earn」サービス。運動習慣づくりに利用されている。

――そのあとはどのような経歴を積まれたんでしょうか。

中出：小規模なスタートアップで、ヘルスケア系の会社でした。iOSとAndroidいずれの開発にも関わりました。その後、元々自分がやっていた個人開発がブロックチェーンに関連するものだったため、何かしらブロックチェーン技術に携わりたいという想いでDP社に入社しました。

――DP社を初めて知った時の印象はいかがでしたか？

中出：最初はちょっと怖いなと（笑）。正直、技術には興味があったのですが業界には良い印象がなかったんです。でも、面談で話を聞いているうちに安心できたといいますか。技術的にもすごくしっかりされているんだなという印象も受けましたし、そこで大丈夫だと思いましたね。松田CEOとの最終面接でもDID/VCを使ってどういう世界観を作り、表現するのかというお話があり、可能性のある会社だなと思ったことを覚えています。また、実際にブロックチェーンを活用してプロダクトをリリースしている会社も少ないと思っているので、その点も大きかったです。

――なるほど。そのほか、何か惹かれたポイントはありますか？

中出：トチツーカにも惹かれましたね。実はトチツーカが使われている石川県は、私の出身地なんですよ。地元が好きで、石川に携われることをしたいと思っていたのもあって、そこにすごく惹かれました。

※トチツーカ…北國銀行とDP社が共同開発したデジタル地域通貨アプリ。銀行口座からチャージできる預金型ステーブルコイン「トチカ」と、自治体から付与されるポイント「トチポ」を使用することで、石川県内のトチツーカ加盟店にてキャッシュレス決済を行うことができる。

入社後、プロダクトに関わり始めてから実際に自分でも石川でトチツーカを使いました。店員さんにも利用状況を聞いてみたところ、数十人くらいは使っていると聞きました。地域での数十人ですから、結構使われているんだなと感じましたね。

※DP社メンバーもトチツーカを現地で使ってみました。その記事はコチラ

――自身が関わっているプロダクトが使われているのは、嬉しいものですよね。

中出：そうですね、純粋に嬉しいです。個人アプリだと対ユーザーだけですが、トチツーカは銀行、加盟店と地域のいろいろな人たちを巻き込み、つなげている感覚があるので。地元に帰ったときに「これ作ったけどどう？」と聞けるのも嬉しいですね。

アプリチームとAPIチームを兼任中

――DP社での担当プロジェクトやチームについて教えてください。

中出：主にトチツーカのプロジェクトに携わっていまして、そこに加えてSHIKIアプリにも関わっています。チームとしてはモバイルアプリチームに属してはいるんですが、ちょっと今は特殊で、APIチームにもお邪魔させてもらっている状態ですね。いずれも開発メンバーとして動いています。

――兼務ということですね。どういう理由で今の状態になったのでしょうか。

中出：昨年（2024年）、自分がエンジニアとしてもう少し広くいろいろなところを触りたいと相談し、APIチームに半年ほどいたんです。その後、アプリチームに戻ってきたのですが、APIチームの人手が足りないということで、両チームに入る状態になりました。ここ1カ月くらいの話です。

――あらためて、DP社の開発グループ内のチームについても軽くご紹介いただけますか？

中出：現状はアプリ、API、インフラ、SHIKIのバックエンドチームと、計4つのチームがあります。このうち、私が属しているのがアプリチームとAPIチームですね。アプリチームは現在5人くらいです。

――技術やプロダクト面でおもしろいと感じている部分はありますか？

中出：難しいところではあるのですが、金融を扱うものとして、まさにFinancial-grade API、いわゆるFAPIと呼ばれるものに準拠したものを作ろうとしているんですね。英語しかないような規格を見ながらやらなければならないので、そこが非常に難しいです。

加えて、DID/VCとの関連もあるので前例がほぼないんですよね。そのため情報を集めようにも集められない。調べても、正解かどうかがわからないのが1番大変です。

――前例がないことへの挑戦は大変そうですね...。

中出：何人かエンジニアで話はするんですが、「結論、これで大丈夫だ」と言い切れない不安感がありながらも、それでも進めないといけないので、そこが難しさですね。ただ、元々研究が好きなタイプなので、自分にとっては面白さでもあります。

――他におもしろいと感じるところはありますか？

中出：今、アプリでKotlin Multiplatformという比較的新しい技術を使っていて、そこにさらにRust Libraryとか、普段使わないようなものをさらに組み込むという結構特殊なことをしているんです。ここでしかできないことっていう感覚があって楽しいですね。ものすごくビルドが大変ではあるんですけど、そこのCIやアーキテクチャ設計が結構楽しかったです。

――「ブロックチェーンっていわゆる仮想通貨ですか？」と思っている方がDP社で働くおもしろさはなんでしょうか？

中出：私もブロックチェーンはイコール仮想通貨みたいなレベルでしか思っていなかったんですけど、「いやいや、そうじゃない」というのがDP社に入って感じたことですよね。違う可能性を秘めたものであるということを知れたのは非常に大きいなと感じています。

「仮想通貨をやりたいんだ」という人には合わない会社かもしれませんが、ブロックチェーンという技術を追求してみたい人にとっては、新しい可能性を知れるんじゃないかなと。そういう意味で、すごくおすすめできる会社だと思います。

――そのほか、エンジニアの方に伝えたいおもしろさはありますか？

中出：銀行系のアプリのため、意外と金融機関の知識も必要で、そこが割とおもしろいんじゃないかと思います。説明会なんかもAPIのエンジニアの方がしてくれたりするんですけど、ドメイン的なところで「へえ、そうだったんだ」と思うことが多いですね。セキュリティに関する考え方が格段に違うなと感じることが多いんですよ。「セキュリティよりもローンチだ」という方針の会社もあると思うんですけど、DP社にはローンチと同じくらいセキュリティを重視しているところがあると思っています。セキュリティに関して、実体験を持って学べる環境があるのは魅力ですね。

フルリモートだからこそ会話を重視。関係値を築くことが業務効率への近道

――カルチャーや働き方についても伺いたいです。中出さんは2025年10月で入社から2年が経ちますが、DP社のカルチャーや文化で「いいな」と思えるところはありますか？

中出：技術的な課題に対して理解のある方が上にいらっしゃる印象があります。「リファクタをします」と言っても断られることが多いと思うんですけど、DP社でそういうのはあまり感じたことがないです。きちんと説明して伝えれば、割とすぐ「じゃあ、すぐやろう」と言ってもらえるので、そこはいいなと思いますね。

あと、挑戦しても良い風土がある。それこそ、私もAPIチームに行かせてほしいと話をしたわけですが、伝えてから1カ月くらいですぐ異動になりましたので。「これをやりたい」という積極的な希望を受け入れてもらいやすい会社だと感じています。

――1点目に関して、なぜそういう文化が根付いているのだと思いますか？

中出：エンジニアサイドもビジネスサイドの視点を持っているのかなとは感じています。そのため、本当にやらなくていいリファクタを提案しないんですよ。要は「お客さんがこう思うから、こっちをしたほうがいいよね」という前提で進めたり提案したりするエンジニアが多いんです。経営層に技術への理解があるだけではなく、エンジニアもビジネス寄りの考えを持った方がいるからなのではないかなと感じています。

――働き方についてはいかがですか？中出さんは福岡在住ということでほぼフルリモートですよね。

中出：そうですね。会社が月1回の出社を推奨していまして、ピザパーティーを企画してくれていたり、月1は東京に出てくるようにしています。

リモートではありますが、なるべく直接話すのが大事だと思っているので、テキストで終わるようなことも、忙しくないときにはあえてSlackのハドルで「話しませんか？」と呼びかけて話すようにしています。雑談チャンネルでは、割と頻繁にハドルが行われていますね。テキストコミュニケーションでは難しい場面があることを、なんとなくみんなわかっているのかなと思います。

DP社に向いているのは「落ちているボールを拾える人」

――中出さんが思い描く今後のキャリアについてお聞かせください。

中出：いわゆるスタッフエンジニアを目指しているんですが、今の評価制度にはそのフローがないので、スタッフエンジニアを目指せる人事制度がほしいという話を会社にしています。スタッフエンジニアを目指すとなると、アプリ知識だけでは足りないと思うので、APIチームに行ったり、いずれはインフラもできるようにしていき、キャリアをつないでいきたいです。

スタッフエンジニアにはいろいろな型があると思っているんですが、私が目指しているのは「アーキテクト型」と呼ばれる、全体設計に責任を負えるエンジニアですね。日本では管理職にいくのが普通なので、スタッフエンジニアを重視していないところが多いんだと思います。。海外だとスタッフエンジニアがいるのが普通なので、DP社にも重要性を普及させたいです。エンジニアのキャリアパスとしても魅力的だと思います。 

 ――中出さんはどんな人にDP社に来てほしいと思いますか？

中出：組織体系も結構変わるため、それらを一緒に考えたり、変化を楽しめたりする人が向いていると思います。あとは、銀行のシステムに興味がある人ですね。知識は今の時点でなくてもいいので、興味がある人に来てほしいです。

スキル的には、基板は割とできていて、それをネイティブ側で実装するだけのところまできているので、ネイティブ側の固有の問題を解決できる知識のある人、特にiOSについてOSレベルの知識がある方だと嬉しいです。

逆に合わないだろうなと思うのは、言われたことだけやればいいという感覚の人ですね。あと、横のコミュニケーションが苦手な人も今後大変かもしれません。これは私の場合、もともと大きい組織で慣れているので、それが活きているのかなと思うんですが、他のチームとのコミュニケーションに嫌悪感を抱くような人はあまり向いていないのかもしれないです。プロダクト数に対して、人数がまだ少ないため、落ちているボールがたくさんあるんですよ。それらを拾えることが大事かなと思います。

――あらためて、DP社で働くおもしろさやメリット、求職者の方に伝えたいメッセージをお寄せください。

中出：あらゆる可能性を秘めたプロダクトに携われるのがDP社の1番のおもしろさだと思います。世界でDP社にしかできないといっても過言ではないプロダクトに携われるのは、エンジニアにとって大きいメリットだと思います。

カジュアル面談だけでもいいので、1度DP社の雰囲気をぜひちょっと味わってほしいですね。エンジニアと話したい方は私がすぐ出ていくので、ぜひお話しましょう！

――ありがとうございます。最後に、中出さんはDP社に入って良かったですか？

中出：良かったです。たぶん、今までの会社で1番合っていると思っています。

――嬉しい回答をいただきました。中出さん、本日はありがとうございました！

今回は、大企業から個人開発、スタートアップと様々なフェーズを経験されてきた中出さんにDP社の可能性や変化する組織に身を置くことの楽しさについてお聞きしました。

当社では、次の時代をつくるビジョンに共感し、一緒に挑戦してくれる仲間を引き続き募集中です！

この記事を読んで、まずは一度話をしてみたいと思っていただけたらぜひ気軽にご応募ください。

企画・編集：株式会社スリーシェイク