みなさんはじめまして!
北海道の浦河で「神馬建設」という工務店の社長をしている神馬充匡(じんば みつまさ)です!
【プロフィール】
学生時代から17年間土木を学んだ後、 実家の工務店にもどり、現在は神馬建設の代表取締役をやっています。 やらない後悔より、やって後悔。 一度きりの人生。楽しくやりきろうって思っています。
「どこでもできる仕事」を、わざわざ人口1万人のマチでやっています
建設業は、どこにでもある仕事です。北海道でも、東京でも、沖縄でも、イエは建てられ、道路は舗装され、水道は直されます。
だから正直に言えば、この仕事は浦河じゃなくてもできます。
それでも僕は、北海道の浦河町という、人口1万人を切ろうとしている小さなマチで、工務店をやっています。
この記事は、その「わざわざ」の中身を、できるだけ具体的に書いたものです。
スナックで言われた、ひとことから
僕は苫小牧高専の土木工学科を出たあと、建設会社で12年ほど現場監督をしていました。そのうち10年ほどは関東で暮らしていました。
あるとき浦河に帰省して、地元のスナックに顔を出したら、父の建てたイエに住んでいる方にこう言われました。
「お前の親父は、俺が『こういう家が欲しい』と言ったら、それ以上のものを作ってくれたぞ」
自分の仕事の先にいる人の顔が、こんなにはっきり見える。しかも建てて何年も経ってから、その評価が本人の口から返ってくる。
関東の大きな現場では、味わったことのない手触りでした。
2010年にウチに入り、2018年に三代目として代表になりました。あのひとことが、いまも仕事の基準になっています。
イエづくりは、まちのこしである
ウチは「家」ではなく「イエ」と書きます。
家(house)は、壁と屋根でできた箱です。30年で使い捨てられる消費財です。 イエ(home)は、帰りたくなる場所です。住まい手とつくり手が一緒に育てていく資産です。
ウチがつくりたいのは、後者だけです。
そしてもうひとつ、大事にしている言葉があります。「まちのこし」です。
外から人や物を呼び込む「まちおこし」ではなく、いまここにある「らしさ」を守り継ぐこと。あるものさがし、あるものみがき、あるものえばり。見落とされていた地域の価値を見つけて、言葉にして、誇りを持って自慢する。その3つのステップだと考えています。
浦河は、近隣の市まで片道2時間かかります。いわば陸の孤島です。人口減少も高齢化も担い手不足も、日本が10年後に直面する問題が、このマチではもう起きています。課題先進地域、という言い方があります。
そういう場所で、工務店が一軒なくなるとどうなるか。
雨漏りを直せる人がいなくなります。給湯器が壊れても、すぐに来てくれる人がいなくなります。イエを建てられる会社がなくなれば、若い世代がこのマチに住む選択肢そのものが減ります。
だからウチにとって採用は、会社の人員補充ではありません。このマチが続くかどうかの話です。
イエをつくることは、まちの風景をつくることです。その職人を育てることも、また風景づくりの一部だと思っています。
怒鳴り声のない現場をつくるのに、何年もかかりました
代表になったとき、僕は現場のことがほとんどわかっていませんでした。経験も、技術も、職人としての年季も、すべてスタッフのほうが上でした。
自分より出来る人たちを、自分がまとめる。それがスタートラインでした。
建設業の現場には、ヒエラルキーがあります。職長が怒鳴り、若手が萎縮し、その圧力でなんとか仕事が回る。そういう現場を「普通」だと思ってきた人間が、この業界には多い。僕もそのひとりでした。
でも、それは組織ではなく、個人に依存した構造です。怒鳴れる人がいなくなれば現場は回らなくなる。恐れで動く組織は、恐れの根拠が消えた瞬間に崩れます。
それに、そういう職場は選んでもらえません。技術力がどれだけあっても、文化のところで弾かれてしまう。採用の壁は、そのまま職場文化の問題でした。
変えるためにまず変えたのは、自分の見方でした。
職人として未熟な自分が代表であることを、欠点として扱うのをやめました。凸凹だから、かみ合う。全員が同じ形だったら組み合わさりません。自分の凹を誰かの凸が埋めてくれているなら、そこにあるのはリスペクトと感謝だけです。
やったことは地味なことばかりです。
- 感謝を、言葉にする
- 困ったことを報告しやすい空気をつくる
- 「なぜ」を、怒鳴らずに問いかけに変える
- 代表が一番先に「知らない」と言える場をつくる
完成したとは思っていません。職場文化に完成はなくて、変わり続けることが文化なのかもしれません。
ただ、怒鳴り声のない現場は、もうここにあります。恐れではなくリスペクトで動くチームが、いまここにいます。怒鳴っていた頃の自分には、想像もできなかった状態です。
地方で働くことは、妥協ではありません
「地方に行くと年収が下がる」。よく言われます。額面だけを見れば、そうかもしれません。
でも僕は、地方で働くことは自己資本の最大化だと思っています。ウチが考えている、地方キャリアの4つの資産です。
1. お金 ウチの試算では、東京で額面500万円の人が自由に使えるお金は月7万円ほど。浦河で額面400万円なら月14万円ほどになります。家賃と駐車場と通勤の負担が、まるごと違うからです(住まい方やご家族の状況で変わりますので、ここは面談で一緒に計算しましょう)。
2. 時間 通勤がほぼゼロになります。片道1時間の通勤をしていた人なら、年間15日分以上の自由な時間が戻ってきます。
3. 人間関係 顔の見える関係で仕事をすると、20年後も「あのとき直してくれてありがとう」と言われます。お金には換算しづらいけれど、確実に積み上がる社会資本です。
4. 希少価値 現場が少人数なので、打席数が圧倒的に多い。大企業なら10年かかる経験を、3年で積めます。
そのかわり、逃げられません。
お客さんとは施工後も顔を合わせます。子どもが生まれたと聞き、親御さんが亡くなったと聞く。だから手を抜けない。それをプレッシャーだと感じる人には向きません。それを仕事のあたたかさだと感じられる人には、この仕事は特別なものになると思っています。
数字と制度で、できるだけ具体的に答えます
不安には、事実で答えたいと思っています。以下は2026年7月時点の数字です。
会社のこと
- 有限会社神馬建設/1972年創業、1987年設立/代表は三代目
- 従業員14名(スタッフ4名・大工10名/平均年齢55.5歳)
- 売上高2億1,000万円(2026年3月期)
- 事業は新築・リフォーム・アフターフォロー。リフォームは片道1時間圏内(約45km)に限定して、すぐ駆けつけられる範囲でやっています
雇用のこと
- 通年雇用です。北海道の建設業で当たり前だった冬場の季節雇用を、ウチはやめました
- キャリアは8段階のステージ制。年功序列ではなく、役割と貢献で評価します
- 3職種(大工職・施工管理職ほか)×3コース(もっともっと成長コース/着実コース/ゆっくりコース)の9パターンから、自分の速度を選べます
暮らしのこと(オーダーメイド型の福利厚生)
- 住まい:アパートを会社で手配。家賃は3ヶ月無料。その後3年間半額。
- 車:1年間無料で貸与、2年目以降は月2万円
- 移動:面接の交通費を支給。年3回の帰省費用を補助
- 学び:資格取得費用の補助と、学習時間の確保を会社がバックアップ
つくるものの基準
- 耐震等級3/全棟で許容応力度計算/断熱はU値0.28目安/気密はC値1.0以下
命と健康に関わる基本性能は、値引きの対象にしません。ここはプロとして譲れない一線だと思っています。
こんな人に、来てほしいと思っています
施工管理をしていて、「建築が好きだったはずなのに」と感じている人へ
工期と数字と複数現場と転勤に追われて、目の前の一棟と向き合えなくなっていませんか。ウチは規模では大手にかないません。かわりに、一棟ごとに施主の顔があり、引き渡した後も付き合いが続きます。転勤はありません。
未経験で、手に職をつけたい20代の人へ
採用してわかったのは、向き不向きの差は技術ではないということです。見ているのは、作業の「なぜ」を考えられるか。完成したイエに住む人の顔を思い描けるか。次に動く仲間のために手を打てるか。そして、小さな上達を自分で楽しめるか。技術は後から教えられます。この4つは、こちらから渡せません。
都会での暮らしに、少し疲れている人へ
辞めたいほどではないけれど、この生活を何十年も続けるのかと思うと違和感がある。そういう相談を受けることがあります。仕事だけを変えるより、暮らす場所ごと変えたほうが早いこともあります。移住の相談にも乗ります。住む場所も一緒に探します。
北海道に戻りたい人、地域の建築に関心が出てきた学生の人へ
Uターンで一番の不安は「戻りたいけど仕事があるか」だと思います。まずは仕事の中身を見に来てください。学生の方には8日間のインターンを用意しています。建築学科に限定していません。2023年の冬から2026年の春までに延べ56名が参加して、うち12名がまた浦河に来てくれました。就業体験というより、浦河というマチ全体を学びの場にするプログラムです。
逆に、合わないかもしれない人
正直に書きます。
GIVEせずにTAKEばかりの人、謙虚さと素直さを置いてきてしまった人、「今だけ、俺だけ、金だけ」で判断する人とは、たぶん噛み合いません。
ウチは五方良し(相手よし・世間よし・つくり手よし・未来よし・自分よし)で仕事を選んでいて、5つのうち3つ以上そろわない仕事は受けません。採用も同じ基準で考えています。入る側も、受け入れる側も、このマチも、みんなが「よし」でなければ長続きしないからです。
まずは、話をしに来てください
いきなり応募でなくて構いません。オンラインで話すだけでも、現場を見に来るだけでもいいです。面接の交通費は出します。
「どこでもできる仕事」だからこそ、「どこでやるか」に意味が生まれると思っています。
せっかく働くなら、名前を呼んでもらえる場所で。自分の仕事の先で誰が笑うかを、想像しながら手を動かせる場所で。
浦河で待っています。