みなさんこんにちは!プラスアルファ・コンサルティング(以下PAC)岡田です。
全社員にClaudeアカウントを発行して、約半年。「使いたい人が使う」ではなく、「全員が使えるプロのツール」として定着してきました。前回は、PACがどのような経緯でClaudeを全社導入するに至ったかをご紹介しました。今回からは、実際に現場でどう使われているのかを、社員へのインタビュー形式でお届けします。
今回インタビューしたのは、弊社が提供するマーケティングソリューションである「カスタマーリングス」の営業グループのマネージャーであり、新規ソリューション「セルデモ」の考案者でもある松田さん。
Claudeとの出会いは、新規事業の現場から
松田さんがClaudeに本格的に向き合うきっかけとなったのが、新規ソリューション「セルデモ」の開発でした。
※ 画像は開発中のイメージです。実際の画面とは異なる場合があります。
セルデモは、「見せる」から「触れる」へをコンセプトに、体験型デモと商談管理を一体化したプラットフォームです。顧客が実際にデモ環境を操作することで導入後のイメージを掴んでもらい、案件化率・受注率の向上を支援します。松田さん自身が営業現場で感じていた「商談後のブラックボックス化」や「提案品質の属人化」といった課題を、そのままソリューションとして形にしたものです。
これまでは、仕様や画面イメージを手作業で作り込み、エンジニアに渡して実装してもらうというのが当たり前の流れでした。しかしClaudeを使うことで、その流れが大きく変わります。UI設計ツールでベースとなる画面を設計し、それをClaudeで実装することで、動くモックアップをスピーディーに自分の手で作れるようになったのです。
「もともとエンジニアに開発を依頼しようと思っていたが、Claudeがあったから一人で作れた」
※ 画像は開発中のイメージです。実際の画面とは異なる場合があります。
さらに、このモックアップを社内の定例会議に持参するスタイルが定着。「やりたいことと前提を伝えれば、こんな感じでできるよというイメージをすぐ共有できる。認識のズレが明らかに減った」と言います。
動くアウトプットをその場で見せられる——これは、従来のPowerPoint資料では実現できなかった体験でした。
この経験を通じて、「Claudeを使えば、アイデアをすぐ形にできる」という確信を得た松田さん。その発想は、次第にチームのマネジメントへと広がっていきます。
メンバーの動きを集め、ダッシュボードで"チームの今"を掴む
セルデモの開発で手応えを掴んだ松田さんが次に着手したのが、営業ダッシュボードの自動化です。
Claude導入以前、松田さんのチームが抱えていた悩みはシンプルながら根深いものでした。営業レポートはCRMから手動で加工して報告資料に乗せる作業が毎週発生。各メンバーの商談状況や次のアクションは個人の頭の中に散らばったまま、マネージャーがタイムリーに把握することは難しい状況でした。GeminiなどのAIはすでに使っていたものの、議事録作成など単発タスクへのスポット活用が中心で、「仕組み」として業務に組み込む段階には至っていませんでした。
そこで、セルデモの開発で培った「Claudeでアイデアをすぐ形にする」経験を活かし、営業チーム向けのダッシュボードをClaudeで構築。毎週発生していた定例向けレポートの作成工数が、ほぼゼロになりました。加えて、お客様との商談で利用するGoogle Meetの議事録を共有フォルダに自動集約し、要約・次回アクションまで自動生成。全商談履歴が一元管理され、全案件を自分の粒度でいつでも確認できる環境が整いました。
「各々の議事録の要約の粒度じゃなくて、自分が知りたい粒度で全案件がまとめられる。案件の進捗遅延や次のアクション漏れを、リアルタイムで把握できるようになった」
リアルタイムで状況を把握できるようになったことで、マネージャーとしての動き方が大きく変わった——松田さんはそう振り返ります。
蓄積した情報を、次の営業活動へ活かす
仕組みで集まった情報を「蓄積して終わり」にしないのも、松田さんの取り組みの特徴です。
過去の要件表の回答例をAIに学習させ新しい要件表への回答に活用したり、議事録の要約テキストをもとにプレゼン資料の骨子を作成したりと、蓄積された情報が次の商談へと循環する流れが生まれています。これまで個人の記憶や感覚に依存していた情報が、チーム全体で活用できる資産へと変わっていきました。
変わったのは、効率だけじゃなかった
業務効率化だけでなく、営業活動の質そのものにも変化が生まれました。
Claudeと画像生成AIを組み合わせた資料作成では、これまでの3分の1以下の時間で高品質なパワポ資料が完成。フリー素材を探す時間やマーケティング部門への依頼待ちも短縮され、営業現場だけでスピーディーに動けるようになりました。
「以前は、どうしても手作り感が出てしまっていた資料が、お客さんにとっても見栄えがいいものを、営業現場だけでスピード感を持って作れるようになった。これが最近一番使っててよかったと思うポイント」
これまで商談機会が限られていた業界向けにも専用資料を展開できるようになり、資料のデザイン品質の均一化・標準化も実現。担当者によるアウトプットのバラつきも解消されました。
AIは"相棒"だった——マネージャーが出した、自分なりの答え
AIは営業の敵か、相棒か——松田さんが出した答えは実に明快でした。
「相棒です。ただし、仮説・骨子・目的・意図は必ず人間が考えるべき」
AIに丸投げした資料はNG。自分のエッセンスが入っているかどうかが重要で、「目的とゴールとやりたいことと自分の意図をちゃんと指示の中に組み込む。壁打ちをしながら、人間がちゃんと修正することが重要」だと言います。
一方で、「仕組みを作ること自体が目的化し、本来業務を置き去りにしてしまう点は"敵"になり得る」とも。ツールに振り回されず、あくまで業務の目的から逆算して使いこなす姿勢が、松田さんのAI活用の根底にあります。
Claudeをまだ使っていないメンバーへのメッセージも、松田さんらしい言葉でした。
「日々の営業活動の中で、"ここをもう少し効率化できたら"と感じる場面は、誰にでもあると思います。そういった業務こそ、Claudeで解決できることが多い。まずは一つ、気になるところから試してみてください。やり方を考え始めれば、あとはAIが教えてくれますから」
いかがでしたでしょうか?
PACが目指すのは、AIを「業務効率化の目的」として使うことではなく、「意思決定の質を高める手段」として使いこなすこと。今回はそれをまさに現場で体現している事例をご紹介しました。