ダウン症の弟のおかげで気づけたこと
僕には、ダウン症の弟がいます。 そのため幼い頃から、もっと多くの人が「障がい」について理解と認知をするべきだと感じていました。
家の中では当たり前に共生していたのに、一歩外に出ると「障がい」という言葉が壁になる。 その違和感が、ずっと自分の出発点にあります。
知的障がいのある方々は、特別支援学校を卒業後、全体の約3割が就職。 残りの7割の方々は、障がい福祉サービス事業所で日常生活に必要なスキルを身に付ける支援を受けたり、 生活や仕事につながるような作業をしたりしています。
実は、この障がい福祉サービス事業所では 1日に約3件の虐待が報告されています。
厚生労働省の報告では、そのほとんどが支援者側の知識や経験の問題、支援者が受けるべき教育の不足が原因だとされているのです。
支援者の方自身も 「この方法は、本当に正しい支援につながっているのだろうか」 そんな思いを抱えながら日々支援に当たっています。
施設の利用者である知的障がいのある方々のためを思ってしていることが、 裏目に出てしまっていたり、 さらには無意識の虐待につながってしまっている。
そんな悲しい現状を変えたい。それが起業の発端です。
スペシャルラーニングという答え
2016年4月、障がい福祉業界では日本初となるeラーニングサービス「スペシャルラーニング」をローンチしました。
日々の業務に追われ、教育を受ける時間の確保が難しい支援者の方が、
スマホなどでスキマ時間を活用して学べる仕組みです。
サービスを始めて10年。
2026年3月時点で、累計ユーザー数は15.3万人。
累計事業所数は8,200事業所を超え、継続率は98%。
2,000本以上の専門コンテンツが、全国の現場で日々視聴されています。
全国の障がい福祉福祉事業所・自治体・企業に導入が広がり、
知的障がい・強度行動障がい・自閉症スペクトラム障がいへの理解促進と支援者育成を支えてきました。
そして事業は、障がい福祉業界の枠を越えて広がりはじめています。
障がい者雇用に取り組む一般企業への導入。
法務省矯正局との利用契約による、少年院在院者への対応教材の提供。
2025年大阪・関西万博では公式アドバイザーを担い、誰もが過ごしやすい会場づくりに関わりました。
2023年には、令和5年度バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰で内閣府特命担当大臣表彰 優良賞を受賞。
スペシャルラーニングは、障がい福祉のためのツールから、
インクルーシブな社会を実現するための“社会的基盤”になるサービスへと進化を続けています。
ビジョンのアップデート
ここ数年、イギリス、ニュージーランド、タイと海外視察を重ねるなかで、気づいたことがあります。
重度の知的障がいのある方への自立支援において、日本は世界でもトップレベルにあるということ。
テクノロジーの活用などまだ伸びしろはありますが、
日本モデルを世界に展開していける可能性は十分にあると感じています。
そして、もうひとつ気づいたことがあります。
これまで障がいのある方やご家族、支援者の方と関わるなかで、
僕自身が「命の尊さ」に触れたり、心が洗われたり、
大切なことに気づかせてもらう経験を何度もしてきました。
ビジョンの矢印は、一方通行ではない。
Lean on Meのビジョンを、こう更新しました。
「生涯を楽しめる世界」
障がいのある方も、そのご家族も、支援者も。
"障がい"を自分らしさや可能性として捉えられる人が増え、
関わるすべての人の生涯が充実している世界へ。
ミッションは、「"障がい"を社会に融和する」こと。
社会参加の機会を得づらかったり、自分の気持ちを伝えるのが難しい方の声を、社会へとつなぎ、
インクルーシブな社会を実現する「社会的基盤」をつくっていきます。
これからの10年を、一緒に
12年前、たった一人で始めた事業は、いま26名の仲間と進めています。
障がいのあるご家族を持つメンバー、福祉現場出身者、介護系SaaSベンチャー出身者、エンジニア、編集者── 異なる背景を持つメンバーが集まり、それぞれの視点で「社会のインフラ」をつくっています。
次の10年は、もっと面白くなります。 スペシャルラーニングのさらなる事業拡大、海外展開、新規事業の立ち上げ。
日本が世界に誇れる障がい福祉の知見を、テクノロジーと一緒に世界へ広げていきたい。
熱い想いや、独創的な発想、仲間を思いやる気持ち、 あなたにしかないエネルギーを爆発させてください。
Lean on Meは、これからの日本の障がい福祉業界にとって なくてはならない企業に必ずなります。
5年、10年後、何年経って振り返っても目立つ爪痕を、一緒に残しましょう。