「日本から森林がなくなってしまうかもしれない」
神戸大学で森林資源学を専門とする石井弘明教授は、そう警鐘を鳴らします。森が一世代育つには100年から200年かかる一方、国連食糧農業機関(FAO)によれば、わずか5年で日本の面積に相当する森が世界で失われているといいます。日本の森のほとんどは人の手が入った人工林・二次林であり、一度崩れると自然には元に戻らないこと、また鹿の食害によって若木が育たず「樹木の少子高齢化」が進んでいることも、その要因として語られました。
そんな石井教授が循環葬に関心を持ったきっかけは、代表・小池との出会いでした。
「倫理観に訴えるだけではなかなか状況は変わらない」という課題を長年感じていた石井教授にとって、森に収益をもたらしその資金を保全に充てる循環葬の仕組みは、腑に落ちる体験だったといいます。
ご先祖を敬い子孫を想う葬送と、樹木が世代を超えて交代していく営み。この二つに共通する「命のつながりを考える」という点が、結びつくきっかけになりました。
千葉・真野寺での森づくりにも、この考え方は表れています。枯死した人工林を皆伐するのではなく、一部の木を残しながら埋葬エリアとして整えることで、菌類や土壌の多様性を次の世代へつないでいく。森の整備は完全なリセットではなく、これまでのつながりを生かしながら未来へ渡していくものだと石井教授は語ります。
自分よりもはるかに巨大で長生きな森を前にすると、「自分という存在が何なのか」を考えるという石井教授。
日本では巨木や巨岩に神様の存在を見出してきた歴史があり、人間を超えた時間と日常的に接する研究者だからこそ、そこに何かを感じることがあるといいます。
「もともと自分のものだと言えるものは何一つない」という好きな仏教の言葉のとおり、自分の身体さえもいずれ自然へ還っていく。そうした眼差しを持てたとき、循環葬と森林再生の時間軸が、しっくりと重なってくるのかもしれません。
▼インタビューの全文はこちら
https://returntonature.jp/story/1220/