受験生の人生に、本気で向き合う。セレクトエージェント創業の原点と未来
努力しても報われないとき、人は挑戦を続けられるだろうか?
今回お話を聞くのは、株式会社セレクトエージェント代表の平本一星さん。平本さん自身も、フルタイムで働きながら消防士試験に挑み、3度の不合格を経験しました。それでも挑戦を続け倍率25倍の試験を1位で突破しました。
努力しても報われなかった経験と、挑戦によって人生が変わった経験。その両方が、現在運営する消防士試験予備校FFS®と公務員予備校CAMPUS™の原点です。
なぜ、公務員受験支援の事業を始めたのか。受験生に届けたい価値と、その先に描く未来について聞きました。
平本 一星
大学卒業後、大手メーカーに入社。休日に参加した被災地の復興支援ボランティアをきっかけに消防士を志し、働きながら採用試験に挑戦する。消防士として勤務した後、母の介護を機に退職し、ベンチャー企業へ。勤務の傍ら、公務員試験に苦しむ受験生への情報発信や個別支援を始め、2022年に株式会社セレクトエージェントを設立。現在は、消防士試験予備校FFS®消防士ゼミナールと公務員予備校CAMPUS™を運営している。
挑戦する人を、ひとりにしたくない
––– FFS®・CAMPUS™は、どのような想いから生まれたのでしょうか?
僕自身の経験が、事業の原点になっています。母子家庭で育ち、奨学金を借りて進学しました。社会人になってから消防士を目指しましたが、親からの援助を受けられない中、フルタイムで働きながらの挑戦でした。
努力しているのに結果が出ない。周りからも「もうそろそろ他の道に行ったら?」と言われる。そんな苦しさを、僕自身が経験しています。でも、挑戦を続けたことで、人生が大きく変わりました。だからこそ、努力している人が一人で悩み、自分の可能性を諦めてしまう状況を変えたいと思ったんです。「挑戦する人を、ひとりにしたくない」その想いから、まず消防士を目指す人のためのFFS®を立ち上げ、その後、公務員を目指す人全体を支援するCAMPUS™へと事業を広げました。
公務員受験支援の“当たり前”を変える
––– サービスをつくるうえで、既存の予備校にどのような課題を感じていましたか?
いくつかありますが、自分の経験を踏まえて3つにすると
①公務員試験の経験を踏まえた指導が十分ではないこと
②必要なときにいつでも相談しにくいこと
③受験生が孤独になりやすいことです。
公務員試験、特に面接では、模範回答を覚えるだけでは十分ではありません。本人の経験と、実際の仕事内容をつなぎ、自分の言葉で話せるようにする必要があります。だからこそFFS®・CAMPUS™では、受講生を直接指導する人に、必ず元公務員を配置しています。
また、受験期間中は、少しの不安がどんどん大きくなってしまうものです。面談の予約が取れない。質問をしても、数日間返信が来ない。そうした時間をできるだけつくらないために、質問には原則24時間以内に返信し、困ったときにすぐ頼れる環境を整えています。
そして、挑戦を、一人で続けなくていいことも大切にしています。
受験が長期化すると、一人で努力を続けるのは簡単ではありません。講師も在籍する受験者コミュニティのトークルームでは、受講生同士が進捗や情報を共有し、励まし合っています。講師との縦のつながりだけでなく、同じ目標を持つ仲間との横のつながりも、挑戦を続ける力になると考えています。
––– 教材や指導では、どのようなことを大切にしていますか?
教材や指導内容を、常に最新の状態にすることにもこだわっています。
公務員試験は、職種や自治体によって内容が異なり、試験の傾向も変化します。一度つくった教材を使い続けるのではなく、最新情報や受講生の結果をもとに、継続的にアップデートしています。
実際に、他校で数年間学んでも合格できず、FFS®・CAMPUS™に来る方もいます。私たちは、その方の努力が足りなかったとは考えていません。
これまでの勉強や面接を振り返り、どこでつまずいているのかを見つける。元公務員の指導者が、その人の経験や強みを掘り下げる。最新の情報をもとに準備し、困ったときにはすぐ相談できるようにする。
特別な方法があるわけではありません。合格に必要な支援を、一つずつ丁寧に積み重ねていく。それが、FFS®・CAMPUS™の考える伴走です。
何年落ちたかで、可能性を決めない
––– 支援するうえで、最も大切にしていることは何ですか?
受験生の可能性を、最初から決めつけないことです。偏差値が高くなくても、経歴に自信がなくても、公務員試験に挑戦する資格は誰にでもあります。
18歳から25歳まで、7年間消防士試験に挑戦し、面接で落ち続けていた方もいました。一緒に面接の方向性を見直し、合宿にも参加してもらいながら、その人自身の経験や強みを整理していき合格を掴みました。
フリーターから公務員試験に合格した方もいます。最初は自信を持てなかった方が、1年間の挑戦を通じて大きく変わり、複数の自治体の試験に合格したこともあります。
公務員試験では、これまでの経歴だけでなく、自分の経験をどう捉え、これからどう生きたいのかを伝えることができます。
だからこそ、挑戦する前から自分の可能性を諦めてほしくないんです。
「合格しました」以上に嬉しい言葉
––– 合格の先に、どのような価値を届けたいですか?
受講生から、「FFSに入ってよかった」「CAMPUSに頼って人生が変わった」と言ってもらえることがあります。それが、僕たちにとって一番嬉しい言葉です。
口コミは、取材時点で約280件。評価は5点満点中4.9をいただいています。もちろん、合格実績も大切です。ただ、届けたいのは合格通知だけではありません。
「挑戦してよかった」
「ここに頼ってよかった」
「かけがえのない仲間ができた」
そう思ってもらえる時間をつくりたい。
卒業した受講生が、誕生日や年末年始に連絡をくれたり、近況を報告してくれたりすることもあります。試験が終わったら関係も終わるのではなく、その後の人生でもつながっていられる。それも、FFS®・CAMPUS™の大切な価値だと思っています。
一人で始めた事業が、70名のチームになった
––– 創業当初は、どのように事業をつくったのでしょうか?
最初は、本当に全部一人でやっていました。YouTubeの企画・撮影・編集、公式LINEの返信、教材や学習サイトの制作、営業面談、講義、相談会、合宿、イベント、採用、クレーム対応、売上管理まで、すべてです。
1日16時間ほど働いていた時期もありました。それでも、ほとんど利益は残りませんでした。ただ、目の前の受講生に向き合い続ける中で、少しずつ合格実績と信頼が積み重なっていきました。
現在は、約70名のスタッフが事業に関わっています。私一人で支援するサービスから、多くのメンバーがそれぞれの役割で、受講生の人生に向き合うチームへと変わりました。
現在は、元公務員以外のメンバーもそれぞれの特性を活かして活躍する組織へと成長しています。
上場の先に、より多くの人生の転機をつくる
––– 2028年の上場を目指す理由と、その先に描く未来を教えてください。
上場を目指す一番の理由は、サービスへの信頼性を高めるためです。
公務員試験は、その人の人生や進路を大きく左右します。受験生やご家族に「この会社に進路を預けても大丈夫だ」と思っていただくには、合格実績だけでなく、会社としてのガバナンスや透明性も必要です。
会社としての信頼を高め、組織や仕組みの力を使いながら、より多くの挑戦を支えるための手段として上場を目指します。現状のサービスをもっと伸ばした先に、公務員向けの転職支援や、新たなスクール、コミュニティづくりにも挑戦したいと考えています。
公務員になることも、新しい仕事へ進むことも、どちらが正解というわけではありません。大切なのは、その人が納得できる選択肢を持てること。株式会社セレクトエージェントは、試験合格のその先の人生まで支えられる会社にしていきたいと思っています。
人の可能性を、信じられる人と働きたい
––– 最後に、未来の仲間へメッセージをお願いします!
FFS®・CAMPUS™の仕事は、人の人生の転機に関わる仕事です。
自分たちのアクションによって、挑戦を諦めかけていた人がもう一度前を向き、将来の選択肢を広げていく。その変化を、すぐ近くで感じることができます。
もちろん、綺麗なことだけではありません。受講生も本気だからこそ、厳しい意見をいただくこともあります。サービスに不備があれば、すぐに原因を考え、改善しなければいけません。それでも、人から直接「人生が変わりました」と言ってもらえる仕事は、決して多くないと思います。
人の可能性を信じたい人。
誰かの挑戦に、本気で向き合いたい人。
自分自身も、まだ見えていない可能性を広げたい人。
そんな方と、FFS®・CAMPUS™の未来を一緒につくっていけることを楽しみにしています。