「初めまして、株式会社ぷ と申します。」
この挨拶をした瞬間、名刺交換の相手は100%二度見、二度聞きします。「えっ、ぷ?」と。ふざけているのではありません。この一文字には、僕たちの緻密なマーケティング戦略と、ある“奇跡”が隠されています。
今回は、僕たちが「普通の社名」を捨て、一文字の社名に町の未来を賭けた理由をお話しします。
挫折:「株式会社くんねっぷ」にするのを、僕たちがやめた訳
僕たちの舞台は、北海道オホーツク管内にある「訓子府町(くんねっぷちょう)」。
人口4,300人、2050年には人口が半減すると予測されている、いわゆる過疎の町です。
新しくまちづくり会社を立ち上げるにあたり、「町の認知度向上」は必須条件でした。そのため、最初はストレートに『株式会社くんねっぷ』や『株式会社まちづくり訓子府』といった社名を考えていたんです。
しかし、大きな現実にぶつかりました。そもそも、北海道内ですら「訓子府」を知らない人が圧倒的に多いのです。
恥ずかしながら、プロデューサーである僕自身も、訓子府町職員が私が運営する東神楽大学に視察の連絡が来なければ、一生知ることがなかったかもしれない町でした。
知名度ゼロの状態で『株式会社くんねっぷ』と名乗っても、相手からは「へえ、そういう社名なんですね」で終わってしまう。せっかくの自己紹介という最大のチャンスを、無意味に消費してしまうことに気づいたのです。
発見:全国1,741自治体のうち、わずか「6つ」の奇跡
「普通の名前じゃダメだ。アイデンティティとキャッチーさを両立させる、圧倒的なフックが必要だ。」
そう考えた僕たちが着目したのが、「ぷ」という音の心地よさでした。 気になって調べてみると、驚くべき事実が発覚したのです。
現在、日本には1,741の自治体がありますが、その中で読み方が「ぷ」で終わる市町村は、全国にわずか「6つ」しかありません 。しかも、そのうちの5つの町村がここ北海道に集中していたのです(訓子府、比布、音威子府、占冠、新冠) 。
「これを使わない手はない。」
シンプルだけど、誰もが二度見・二度聞きする。そこから「なぜ『ぷ』なんですか?」という会話が自動的に生まれる 。この一文字に町のブランディングを懸けようと決めました。
もちろん、役場や議会の方々には、最初は「本当に大丈夫か?」と怪訝な顔をされました。しかし、このロジックを熱く説明し、最終的には「おもしろい、それでいこう!」と本気で理解し、背中を押してもらったのです 。
奇跡:「くんねっぷ」の5文字がすべて隠されたロゴの誕生
社名が決まり、次なる挑戦は「ロゴづくり」でした。 地元の可能性を広げるため、北見市のデザイナーに依頼したのですが、相手も「一文字のロゴなんて経験がない」と経験のない取り組みにアドレナリンがですぎて興奮していました。
そして、ここからミラクルが起きます。 あがってきたデザインを見て、僕たちは全員、腰を抜かしました。
一見すると、スタイリッシュで遊び心のある「ぷ」の一文字。 ですがよく見ると、「く」「ん」「ね」「っ」「ぷ」という訓子府町の文字が、すべてパーツとして組み込まれて表現されていたのです。
このデザインが完成した瞬間、僕たちの「ぷ」は単なる奇抜な名前から、町のアイデンティティを完璧に体現した、唯一無二の戦略資産へと進化しました 。
現在、このロゴは方々で大人気となっています。「これでTシャツを作ってほしい」「ステッカーなどのグッズを展開してほしい」という声が、町内外から多く寄せられているほどです。
逆襲:このクレイジーで愛おしい実験の「同志」を募集します
一文字の社名と奇跡のロゴを武器に、僕たちの本気のまちづくり(逆襲)はすでに始まっています。
- まちなかBASE:昼は菓子製造許可つきの「シェアキッチン」、夜は「まちづくりスナック」や「ゲストハウス」になる複合拠点を構築中 。
- 日の出BASE:離農農家から大地を継承し、100%訓子府産ブドウの「ワイナリー」と「観光いちご農園」を展開 。
- リアルな事業承継:この4月からは、地域の生活インフラだった地元スーパー「末広ストアー」の事業を引き継ぎ、僕たち民間主導で営業を継続しています 。
僕たちが求めているのは、綺麗に整えられた完成品を消費する「お客様」ではありません。 この無謀で、クリエイティブで、最高に面白い逆襲劇の「当事者(同志)」となってくれる仲間です。
「どうせ無理だ」と諦めるのは簡単です。でも、僕たちは止まらない(NONSTOP)し、決して諦めない(NEVER GIVE UP) 。
一文字の社名にワクワクしたあなた。この奇跡のロゴを背負って、一緒に町の未来を創りませんか? まずはカジュアルにお話しましょう。エントリーを心からお待ちしています!