トレイダーズ証券の取締役として経営に携わりながら、現在も第一線でディーラーとして活躍する井口喜雄さん。
SNSでの発信でも注目を集める井口さんの原体験や思考を紐解きながら、トレイダーズ証券の魅力を深掘りするインタビューを行いました。マーケット解説や情報発信の印象から、「昔から金融一筋だったのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、第1弾となる今回はその意外な原点に迫ります。学生時代のエピソードを振り返りながら、井口さんがディーラーという仕事を志した理由について伺いました。
トレイダーズ証券 取締役(CSO) 市場部長 井口喜雄
トレイダーズ証券 取締役(CSO)兼 市場部長の現役為替ディーラー。
1998年よりディーラーとして活躍し、ドル円や欧州通貨を主戦場に20年以上ディーリング業務を行う。
ファンダメンタルズから見た為替分析に精通しているほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。
認定テクニカルアナリスト。
勝ち続ける人は何が違う?学生時代の探求心が拓いた、ディーラーへの道
ーどんな学生時代を過ごしていましたか?
本当に勉強より遊びに夢中でしたね(笑)。当時は麻雀が流行っていたので、授業を受けずに友人4人で集まって麻雀をしたり、ポーカーのような対人ゲームをしたり。ただ、"遊ぶのが好きだった"というより、ゲームの中で"確率を考えること"が好きだったんです。もともと数字や理系科目が得意だったこともあって、「どちらの確率が高いのか」「どうすれば勝率が上がるのか」を考えるのが楽しかったんです。麻雀やポーカーって運の要素が強いように見えるのですが、ゲームを続けるうちに「勝つ人と負ける人が分かれてくるな」と思うようになって。そこで気になってきたのが、「なぜ勝ち続ける人がいるのか」ということでした。
"なんとなく"で勝負している人もいたのですが、勝っている人には必ず理由があることに気付いたんです。「なぜここで勝負したのか」「なぜ降りたのか」といった、判断の理由を探し出す奥深さに面白さを感じました。それを確かめるために確率を考えたり、経験を積み重ねたのですが、過程が面白かったですし、自分自身も得意だったと思います。今振り返ると、その考え方はディーラーの仕事にもつながっている気がしますね。
ー学生時代の経験が、現在の仕事の土台になっているんですね。
そう思います。ディーラーという仕事をしている人や投資で財を成した人には、ある種この"ゲーム脳"がある方が多いと思います。
もちろんゲームと投資は違いますが、「勝つための理由を考える」「相手の心理を読む」という部分では共通点があると思っています。
投資もまた対人ゲームだった。金融の世界に惹かれた理由
ーゲームへの興味が、そのまま投資への興味にもつながっていったのでしょうか?
そういっても過言ではないと思いますが、もともとお金や投資には興味があったんです。
今から30年くらい前は、働いて、貯金をして、お金を増やしていくという考え方が一般的な時代。投資に対するイメージが今ほど良くなかったので大きな声では言えなかったのですが、私はどちらかというと投資が好きでした。どの会社の株が上がるのかを調べたり、企業について研究したりするのも楽しかったですね。麻雀やポーカーでは、自分が考えていること以上に「相手が何を考えているか」が重要なんですが、投資も同じなんです。よく"美人投票"という考え方がありますが、自分が誰を美人だと思うかではなく、"多くの人が思う美人は誰か"を考えることが重要なんです。
マーケットも、自分が「これは良い」と思うだけでは動きません。市場参加者全体がどう考えているかによって価格が動いていきます。だからこそ、人の心理を読む力や相手の考えを想像する力が大切になります。そういった部分は、学生時代にやっていた対人ゲームと共通しているな、と感じていました。
ーその頃から、金融業界が自分に向いていると感じていたのですか?
自分の強みを活かせる場所を考えたときに、金融機関のトレーダーやディーラーという仕事はすごく合っているんじゃないかと思っていました。数字や確率が好きで、人の心理を考えるのも好きだったので、「これを仕事にできたら面白そうだな」という感覚は昔からありました。
FX自由化が後押しした、ディーラーへの道
ーディーラーを本格的に目指そうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
大きかったのは1998年の外国為替法改正です。
それまで投資といえば株式が中心で、一般の方にとって為替はあまり身近な存在ではありませんでした。ところがFXが自由化されたことで、為替が投資対象として広く認知されるようになったんです。その時に学生時代から興味を持っていたことが全部つながった感覚があって。「為替が仕事になるなら、自分もその世界に飛び込みたい」と思いました。対人ゲームで培った考え方、投資への興味、数字や確率が好きなこと。その延長線上に為替ディーラーという仕事があった、という感覚です。
為替市場は世界中の人たちが参加する巨大なマーケットです。政治や経済、世界情勢など、あらゆる要素が価格に影響します。その中で判断を繰り返しながら勝負していくところに大きな魅力を感じました。今は取締役として経営にも携わっていますが、ディーラーとしてマーケットと向き合う面白さは昔も今も変わりません。好きなことを突き詰めてきた結果が、今のキャリアにつながっているのだと思います。
「なぜ勝つ人は勝ち続けられるのか」。
学生時代に抱いた素朴な疑問が、井口さんを金融の世界へ導きました。
数字や確率を考えることが好きだったこと、人の心理を読むことに面白さを感じていたこと。その積み重ねが、現在のディーラーとしてのキャリアにつながっています。
金融の知識以上に大切なのは、マーケットへの興味や好奇心かもしれません。
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