日本が世界から稼ぎ続ける仕組みをつくり、「世界で勝つ国」を取り戻そうとする株式会社Gaika。2025年9月に創業した同社は外日本の価値を世界に売る「外貨獲得」、世界から選ばれる地域をつくる「地域共創」、日本企業を世界基準へ引き上げる成長支援「Gaika Studios」、この3軸で事業を展開する。
創業まもないクラウドファンディングでは112名から目標を超える220万円超を集めた。「日本をもう一度『世界で勝つ国』にする」をパーパスに掲げる同社は、なぜ「外貨」にこだわるのか。3社目の起業となる代表の坂本大地が創業ストーリーとともに語る。
16歳の空き家事業から、3社目の起業家へ
ーー坂本さんは10代から起業を続けています。なぜ最初に会社をつくったのですか。
坂本大地(以下、坂本):
16歳のときです。親族が空き家を抱えて、その課題が目の前にあった。だから静岡で会社(株式会社SAKAMO)にしました。大層な動機があったわけじゃなくて、「目の前に解くべき課題があるなら、自分で会社にして解いていい」。それを最初に体で覚えた一社目でした。
ちょうど9年続けたラグビーを怪我で離れた直後で、続けられなくなって。次の熱を探していた時期だったんです。
ーーその後は地震でマーケティングの会社も立ち上げ、海外の大学にも進学されています。すごく順調に見えます。
坂本:
表面上はそうですね。マーケティングの会社(株式会社GENIUS)を経営して、それなりに生きていけるようにはなって、気づけば「安定」していたんです。でも去年、沖縄のスタートアップイベント「KOZA ROCKS」で本気の起業家たちと過ごして、はっきり分かりました。生活が安定したことで、僕はハングリー精神を失っている、と。
その場でGaikaをやると決めて、翌日には一緒に創業してほしい仲間に声をかけました。緩んだ自分のままじゃ、日本を背負うなんて口が裂けても言えない。だから、何も持っていなかった16歳のときの温度に、自分を戻しにいったんです。
特に影響を受けたのが、アルファドライブの麻生要一さんでした。ご飯をご一緒したときに、話している視座と時間軸が何十年も先で、本気で日本を変えようとしている人だと分かった。その姿に、自分の未熟さを思い知らされました。
「競合に勝つ」ではなく、「日本を世界で勝たせる」
ーーGaikaのパーパスは「日本をもう一度『世界で勝つ国』にする」。なぜ、ここまで"日本"にこだわるのですか。
坂本:
僕らの世代って、いいニュースで育っていないんですよ。「一人あたりGDPがG7最下位」「失われた30年」と聞かされて、心のどこかで「日本はもう下り坂だ」と刷り込まれている。決定的だったのは海外に出てからで、同世代に悪気のない顔で「最近の日本って、勢いないよね」と言われたんです。言い返せなかった。悔しい、で終わらせたくなかった。それが出発点です。
――具体的には、どんな事業をされているのですか。
坂本:
ひと言で言うと、日本が世界からお金を稼ぐ仕組みづくりです。国内でパイを奪い合うんじゃなく、日本の価値を世界に売って、外貨の総量そのものを増やす。絶対にブラさない"軸"は『外貨の総量を増やす』一点だけで、そこに近づくならやり方はいくらでも変えます。ここは創業から一度もブレていません。
外で稼ぎ、日本の未来へ回す
――創業して、まだ1年ほどです。理想が先行しているのでは、という見方もできます。
坂本:
正直、その通りなんです。外貨という軸はブラさない。でも明日からいきなり外貨を稼ぎまくれるわけじゃない。そこは誤魔化したくない。
今やっているのは、稼げる事業を育てるための"土壌づくり"です。外貨獲得・地域共創・Gaika Studiosの3軸で、世界で”勝てる事業”と"選ばれる地域"を育てている。
事業をつくる力そのものは、ジャッジのいる場所で示してきました。
昨年末のアルファドライブが主催する「New Business Boot Camp 2025」に殴り込みをかけて優勝しています。
新規事業を生業にするプロが審査する土俵で一番を獲った。机の上で「いけるはず」と言っているだけでは、絶対に届かない場所です。
――Gaikaはこの先どこに向かっているのでしょうか。
坂本:
創業時からゴールイメージは持っていて、それは今も大きく変わりません。日本が世界から「選ばれ続け、稼ぎ続けられる」状態をつくることです。一回当てて終わりでも、過去の蓄えの上がりだけに頼るのでもない。海外に出ていくお金、いわゆる「デジタル赤字」を上回るペースで、稼ぎ続けられる"構造と土壌"そのものを作る。
そのために、いずれは3軸をそれぞれ子会社にしていきたい。
部門ごとに代表とメンバーがついて、独立してぶん回せるようにする。いくつもの"勝てる事業"が同時に回って、渦をどんどん大きくしていく。さらにその先は、外から稼いだ外貨を、直接、日本の挑戦者に回す。 スタートアップや、これから始める人に支援が届くスキームをつくる。外で稼いで、そのお金で日本の未来をつくる。だから外貨は"軸"であって、目的は日本の未来なんです。
――かなり長い時間軸ですね。
坂本:
そうです。正直に言うと、僕はGaikaを「坂本大地の会社」にするつもりが、最初からないんです。いまはたまたま僕が代表をするのが最適解だとチームから合意を得られているからやっているだけで、別に僕じゃなくていい。
独立部門化(子会社化)していくのも、僕や共同創業メンバーがいなくても回る会社にしていくため。50年でも100年でも、日本を最前線で引っ張り続けるビジョナリーカンパニーを作っていくつもりです。今いる僕らは、その一番最初のページを書いている。めちゃくちゃ面白い場所、フェーズだと思いますよ。
本気で、今の、そしてこの先の日本の未来を創っていきたい人へ
――最後に、一緒に働きたいメンバー像を聞かせてください。
坂本:
正直に言うと、この国には、負けることに慣れてしまった大人が多すぎると思っているんです。成功体験を引きずって、やらない言い訳ばかりがうまくなって、「日本なんてこんなもんだ」と諦めている。その諦めを、僕らの世代に相続させたくない。
だから一緒に働きたいのは、本気で、今の日本をなんとかしたいと思っている人です。正直、最近の起業って、ほとんどがバイアウト目的なんですよ。1, 2年で会社を売って個人資産を築いて終わり。もちろんそれが悪いとは言いません。
でも、本気で「日本を変えよう」と言っている同世代の起業家を、僕は見たことがない。
だからこそ、僕らは逆を行きたい。短期で売り抜けるんじゃなく、中長期で、日本経済そのものにインパクトを出していきたいんです。
――どんな資質を、いちばん重視しますか。
坂本:
最後は、根性とやる気だと思っています。スキルや経験は後からどうにでもなるし、志だって動いているうちに後からついてくる。でも、こういう挑戦はうまくいかない時間のほうが圧倒的に長い。そこで踏ん張れるかは、結局それでしかないんです。
そしてもうひとつ。「日本」という、とんでもなく大きな単位に対して、自分が責任を持てるかどうか。誰かがやってくれるだろう、ではなく、日本人として、自分がやるんだと引き受けられるか。そこに痺れる人と働きたい。
盛り上がった会議の直後に動き出して検証する、その泥臭さを厭わない人と、日本をもう一度、世界で勝たせにいきたい。この悔しさは、たぶん僕個人のものじゃないんです。
「日本は下り坂だ」と刷り込まれた、僕らの世代みんなのもの。貧乏なままじゃ、舐められたままじゃ、終われない。これは僕の話だけど、たぶんあなたも、心のどこかで同じことを思っているんじゃないでしょうか。
僕たちのミッションとカルチャーに共感してくれる人は、ぜひ話に来てほしいと思います。