【ノスラゴスのビジョンと事業内容】
ーーいよいよノスラゴスという会社について詳しく聞かせてください。どんなビジョンを掲げていらっしゃるのでしょうか?
守屋;ビジョンは「きれいなデータであふれた社会」を実現することです。中小企業さんが持っているデータを適切に管理・活用できるようになると、業務改善だけでなく新しい価値創造につながる。そのサポートをするのがノスラゴスの役割です。現在は「キクメモ」というツールを提供しながら、BPRコンサルティングに近いアプローチも並行して行っています。
ーー具体的には、どんな領域の企業を対象にしているんですか?
守屋;建築、建設、物流、製造、商社など、中小規模で幅広い業種です。施工管理と会計が繋がっていない、受発注や在庫管理がバラバラで可視化できていない――そういう企業が多いんですね。そういった課題をヒアリングし、ソフトウェアを提案・導入して、必要なコスト削減やデータ連携を実現します。
【 “アナウサギ” のようなデータ支援】
ーー会社名の「NousLagus(ノスラゴス)」やロゴにはどういった想いがこめられているのでしょうか?
守屋;「ノス」はギリシャ語で知恵、「ラゴス」はラテン語でウサギを指します。私はもともと動物の中でも哺乳類が大好きで、研究でも特にアマミノクロウサギをテーマに色々関わってきました。ウサギは主に2種類いて、1つをノウサギ、もう一方をアナウサギといいます。いわゆるアナウサギは大陸に多く生息するノウサギとは違う生態を持ち、小さい島嶼や高山地帯など環境に応じて生きていくんです。それをデータの世界に置き換えると、GAFAのような大手が扱う大規模データだけでなく、小さなコミュニティや企業が持つ “ニッチでリッチなデータ” を大切にしていきたい、という想いがあります。
ーー巨大なプラットフォームでは拾われにくいデータを支える、というわけですね。
守屋;そうです。たとえば、現場の作業員さんが手書きでメモしていることや、各部署でバラバラに記録されているデータがあるじゃないですか。そこにこそ “宝” があると考えています。私たちはそれをきれいに整形し、業務改善や新しいビジネスチャンスにつなげていきたいんです。
【「ファクトドリブン」「イノベーティブ」「プロフェッショナル」の3バリュー】
ーー会社のコアバリューとして掲げている言葉もあるそうですね。
守屋;はい、「ファクトドリブン」「イノベーティブ」「プロフェッショナル」の3つを大切にしています。ファクトドリブンは “事実に向き合う” 姿勢、イノベーティブは “新しい価値を生み出し続ける” こと、そしてプロフェッショナルは “常に自分たちの水準を高め、責任ある行動をする” という意味合いです。実際にミッションとして「不安で意思決定ができない人をファクトで支える」と掲げています。
ーーそれらのバリューやミッションが実務やチーム運営にも反映されている?
守屋;日々の動き方に落とし込むのはまだ試行錯誤中ですが、たとえばSlackでのコミュニケーションや週次ミーティングで、事実をもとにアイデアを出し合い、「どう実現する?」とすぐ行動に移せる風土づくりに力を入れています。完璧に浸透させるのは大変ですが、続けることで少しずつ形になっていると感じます。
【チームの現状と求める人材】
ーー現在はどのようなチーム構成で動いているのでしょうか?
守屋;BizDev.や事業開発を副業メンバー中心にまわしていて、ソフトバンク時代の仲間や知人が入ってくれています。営業やカスタマーサクセスを担当している人が4名ほど、開発ではフロントエンド2名、バックエンド2名が主に頑張ってくれていて、AI系やデータ系に強いメンバーもいます。
ーー文化やカルチャーとしては、どんな人が合いそうでしょうか?
守屋;優しくて朗らかな雰囲気の人が多い一方、テキパキと動く実行力も求められます。あと、Slackなどテキストベースでのコミュニケーションが多いので、そこに抵抗がない人が合うと思います。何よりも「こうしたい」「こう変えたい」という意見を積極的に出して、一緒に具現化していける人。私たちは “違うカルチャーを持った人” も大歓迎なので、完全一致である必要はありません。いろいろなバックグラウンドが混ざり合ってこそ、新しいアイデアが生まれるはずなので。
【今後の展望と守屋の想い】
ーー最後に、ノスラゴスとしての今後の展望と、守屋さんが実現したいことについてメッセージをお願いします。
守屋;名古屋に拠点を移して、製造業を中心とした課題解決を深めていきたいと思っています。一方でグローバルにも挑戦したい。日本の製造業は子会社が海外にあるケースも多いので、データを国境をまたいで管理し、一連のサプライチェーンを整理できれば、まだ大きな可能性が眠っていると感じるんです。そういう部分を「データメッシュ」という技術などで支えていくのがノスラゴスの挑戦。
ーー“ニッチでリッチなデータ” がますます重要になる時代かもしれませんね。
守屋;そう思います。生成AIや強化学習の進歩もあって、これからは人間一人ひとりが持つデータをどう構造化するかが大事になってくる。私たちはその環境整備・市場拡大に貢献していきたいし、最終的には「きれいなデータであふれた社会」が当たり前になるように、着実に歩んでいきます。
ーー読者へ向けて、一言メッセージをいただけますか?
守屋;もしこの記事を読んで、「ちょっと一緒にやってみたいな」と思った方がいたら、ぜひ声をかけてほしいです。ノスラゴスはまだまだ成長途上で、試行錯誤の毎日ですが、そのプロセスはめちゃくちゃ楽しいですよ。一緒に新しい景色を見られたら嬉しいです!