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みなさん、こんにちは。WiseVineのPR担当です。
2025年2月17日、株式会社WiseVine(以下、WiseVine社)は、一般社団法人新しい自治体財政を考える研究会(以下、財ラボ)と『自治体財政のDX推進に関する連携協定』を締結しました。
本件に関するプレスリリースはこちら。
『自治体財政のDX推進に関する連携協定書』調印後の記念写真
(左:代表理事 定野氏、右:CEO 吉本)
今回の連携協定の話を聞いて
・「WiseVine社と財ラボって、どんな関係なんだろう?」
・「今回の連携協定締結で何が変わるんだろう?」
と、疑問に思った方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、両社のこれまでの関係性や今回の連携目的、今後の展望について、WiseVine社代表取締役社長・吉本と財ラボ代表理事・定野氏による対談インタビューをお届けします。
記事を読み進めていただくと、WiseVine社と財ラボの意外な関係性や、お二人の自治体財政DXや全国の自治体職員の皆さんに対する熱い想いが明らかになります。
ぜひ最後までご覧ください。
吉本 翔生:慶応義塾大学・大学院卒業後、野村総合研究所で国内外の行政機関(国際機関、中央官庁、地方公共団体)の政策立案に係るコンサルティング業務、大企業向け管理会計改革業務に従事。この経験から、政策立案に必要な情報(ヒト・モノ・カネ)の見える化が必要と考え、2018年株式会社WiseVineを設立。現在は自治体向けに予算編成・経営管理システム「WiseVine Build & Scrap」を開発・提供し、行政の予算編成業務の効率化・高度化を通じて、より良い行政サービスの実現を目指す。
定野 司:東京都足立区役所に42年間勤務。財政課長、総務部長、教育長を歴任。財政課長時代に全国初の包括予算制度(いわゆる枠配分予算)を導入し、自治体財政運営の改革に取り組む。現在は財ラボの代表理事として全国の財政課の課題解決を図る一方、自治体職員向け研修講師や中学校校長も務め、人材育成にも注力。
第1章 定野氏と吉本の出会いと財ラボの軌跡-「行政が変われば世界は変わる!」
第2章 連携協定の目的と背景-実は2年半越しの実現…!
第3章 今後の自治体財政課業務ビジョン-目指すべきは業務の効率化ではなく…?
第4章 全国の自治体職員の皆さまへのメッセージ
-では早速ですが、お二人が出会ったきっかけを教えてください。
最初の出会いを懐かしみながら笑顔で振り返る二人
定野:突然、吉本さんからメールが届いたんですよ(笑)
確か、2021年3月に足立区役所を退職した後のことです。
メールの内容は、私が25年前の財政課長時代に全国で初めて導入した「包括予算制度」に関するものだったと記憶しています。
吉本:そうです、私から定野さんに連絡をとりました。
当時、横浜市と共に「財政見える化ダッシュボード」(注1)を開発していて、自治体の予算制度についていろいろと調べていました。
それで偶然、元福岡市役所職員の今村さんのNote記事を読んでいたら、現行の枠配分予算制度の源流となる「包括予算制度」を25年も前に足立区で創設されていた定野さんのことを知り、ぜひお話を聞きたくて連絡をしました。
定野:2021年12月に横浜のシェアオフィスで初めて会ったんですよね。
あ、いまお話に出た今村さんというのは、現在財ラボでも「財オタ」としてご活躍いただいている元福岡市役所財政課の方で、今村さんが当時財政課の係長の時に「包括予算制度ってどんな制度なの?」って足立区役所にお見えになってお話をしていました。
(注1)横浜市「財政見える化ダッシュボード」
市民向けの財政情報検索・閲覧ウェブサイト。
行政分野別予算・事業内容の簡単検索、グラフ・表での表示、過年度情報の入手が可能。
-20年以上前の取り組みや出会い、その後の偶然も重なって、お二人の対面が実現したんですね。初対面時、どのような話をされましたか?
吉本:横浜市の「財政見える化ダッシュボード」を紹介しました。
また、その開発の過程で横浜市の予算編成業務のヒアリングや財政業務のフローを作成し、予算編成の課題を発見したこと、『予算→執行→評価→計画』まで一気通貫の新しい予算編成システム、もとい事務事業管理システムの開発構想などをお話しました。
定野:私自身も長年、自治体予算のマネジメントサイクル(予算→執行→評価→計画)には、各情報の分断や予算の使用目的・根拠の不明確さ、適切な評価の欠如などの課題があると認識していました。
ただ、この課題は現行の予算制度(法的・制度的な枠組み)だけでは解決が不十分であり、事業管理の仕組みの見直しが必要となるような難しい課題でした。
横浜市の「財政見える化ダッシュボード」や、新しいシステムによってこの課題解決を図ろうとしている吉本さんのお話は、当時の私にとって目からウロコなものばかりでした。
吉本:最初は2人とも真面目に話していましたが、すぐに意気投合し、シェアオフィス内の無料ビールを飲みながら楽しく話が盛り上がりましたよね。
お酒入っちゃったから、正直何を話したのか僕はあまり覚えていないんですが(笑)
当時のことを振り返り、少し照れながら話す吉本
定野:でも私は、ビールを飲み交わしながら吉本さんが大風呂敷をひろげた「世界を変えていく」という言葉を今でもはっきり覚えていますよ。
-予算編成の課題から、どのような話の流れで吉本さんの「世界を変えていく」という言葉につながっていったんでしょうか。
吉本:予算編成とは、日本でいえば国・自治体合わせて170兆円の使い道が決まる上流ですよね。GDPの1/3ですから「日本を左右する」取り組みといっても過言ではありません。
また、前職および創業時に東南アジア数か国と米国で予算編成・事業管理手法を学ぶ機会がありました。ドイツSAP(企業)が、グローバルで全く異なる分野の企業の管理会計をワンパッケージで提供しているように、国内外関わらず行政機関の予算編成・事業管理手法も一定の一般化ができると考えていました。
このあたりが、「世界」という大風呂敷につながります。すみません(笑)
定野:それを聞いて「世界を変えるには僕には時間が足りないだろうけど(笑)、日本なら変えられるかもしれない」と思い、吉本さんと一緒に取り組んでいこうと決めたんです。
-なるほど。初対面ながら、お二人はすぐに意気投合されたようですね。
その後は、どのように協働されていったんでしょうか?
吉本:定野さんと会う以前の2021年の夏に、当時福岡市役所職員だった今村さんや一般社団法人公民連携活性化協会とともに、任意団体として「財ラボ」を立ち上げて活動を開始していました。
自治体が持つ財政知見を集約し、単なる予算管理ではなく、より広範な事業管理の仕組みづくりをめざして全国の財政課のみなさんと意見交換を重ねていましたが、よりコミュニティを活性化するためには専任者が必要との声も上がり、財政課界隈で知名度が高い定野さんに代表理事としてリーダーシップを取ってもらうことを依頼しました。
定野:代表理事への就任にあたって、私はまず財ラボを法人化することを提案しました。
全国の自治体と協働するには、組織として腰をすえて、対等に意見しあえる関係になる必要があると考えたからです。
そして、2022年8月に財ラボは任意団体から一般社団法人になり、専門誌「財ラボ」の発行、講演会や研究会の開催、2024年1月には当研究会の財オタによる書籍「50のポイントでわかる自治体予算」(学陽書房)を刊行し、秋には全国の自治体を対象に「予算編成手法アンケート」を実施するなど活動を拡大させていきました。
法人化から2年半で会員数は670名を突破し、自治体財政のコミュニティとしての価値を高めてきました。
出会いの翌年である2022年の出来事を振り返る二人
-財ラボの立ち上げから現在に至るまでの流れが分かりました。
改めて、定野さんから現在の財ラボの活動目的を教えてください。
定野:“財政”って難しそうで権威的に見えますが、実際に働いている財政課の人たちは常に頭を悩ませて、かなり厳しい状況で働いています。
また、自治体って、その性質上どこも似たような仕事をしていますよね。
だからこそ各自治体が抱える問題や解決策・財政ノウハウを共有し、法的な考え方も含めて議論していくことで、皆でより良い自治体運営を目指していく、これが財ラボの活動目的です。
財ラボの活動目的について話す定野氏
-吉本さんから見て、これまでの財ラボの活動はWiseVine社にどのような影響を与えてきたと捉えていますか?
財ラボの軌跡、そしてWiseVine社に与えた影響を話す吉本
吉本:そうですね。特に2021年~2022年にかけて全国にいる財オタの方々やある県の財政課との議論から、自治体の予算編成や財政管理に関する重要な洞察を得ることができました。
ここで得られた洞察は、自治体向けに提供しているシステムの機能(KPIマネジメント、期中評価など)として組み込まれており、我々のプロダクトに大きく寄与しています。
定野:期中評価といえば、KPIに至るまでの過程も重要だと考えました。
吉本:そうそう、JDI(重要段取りインジケータ)でしたね。
-今回、財ラボとWiseVine社が連携協定の締結に至った背景や目的について教えてください。
連携協定書の調印後に、固い握手を交わす二人
定野:財ラボが有する全国の会員ネットワークと自治体財政に関する専門的知見、そしてWiseVine社の先進的なIT技術を組み合わせ、自治体の予算編成プロセスの効率化と高度化を図ることで、財ラボが発足当初から掲げている理念でもある「将来にわたって持続可能な自治体運営をめざす」ことを目的としています。
実はこの構想、一般社団法人化をした2022年当時から、吉本さんとずっと描いてきたものでした。ここまで、思った以上に長い道のりでしたね。
吉本:はい。確かに時間はかかりました。
しかし時間をかけたからこそ、着実に連携協定に必要な基盤を互いに築きあげることができました。
こうした基盤をもとに、私たちは連携協定を結びました。
そして、今回の協定締結により財ラボ会員は、財政課の業務を支援するシステムのデモ版(ダミーデータを使用)を無料で利用できるようになります。
希望する自治体には無償版(各自治体のリアルデータを使用)の先行申込受付も開始します。
いよいよ、従来の財政課業務を大きく改善する新しい取り組みが始まります。
連携協定締結までの道のりと今後の取り組みについて話す二人
定野:ちなみにプロダクトの開発で言えば、財ラボでは複数の会員自治体と包括協定を結ぶなどして財政データを集約し、これまで経験と勘に頼っていた査定ノウハウを形式知化した「査定ノウハウ集」(注2)を2021年から作成しはじめ、2022年に公表しました。
吉本:実質『査定AI powered by 定野さん』と言うべきプロダクトでしたよね(笑)
定野:当時、二人で自治体を訪問したこともありました。雨の中でしたね。覚えていますか?
吉本:そんなこともありました。
今後、無償版を利用するユーザーのみなさまからご意見をいただきながら『査定・企画AI』をブラッシュアップしていくことを検討していますが、実は2021年から『予算査定とAI活用』の概念整理をしていたということですね。
定野:なるほど、たしかにそうとも言えますね。
(注2)査定ノウハウ集
自治体独自、あるいは職員独自の経験と勘に頼っていた予算査定のノウハウを暗黙知から形式知化したツール。TAGと軸の組み合わせによる事業類似性の特定から、年度間・自治体間比較が可能。
-いわゆる『2040年問題』についても、吉本さんは問題視していると伺いましたが、今回の動きと関係はあるのでしょうか。
吉本:そうですね。日本経済や社会保障の維持が危機的状況に陥ると言われている『2040年問題』への対応が急がれています。
歳入は間違いなく減っていく中で、交付税額だけ無傷だと考えるのは楽観的です。
定野:2040年まであと15年しかありません。 今後、自治体間の共同調達・共同実施がますます進められていく流れは不可避でしょうね。
吉本:その時に何も武器がなければ、それこそ困難な状態に陥ります。
我々のBuild & Scrapというシステムは自治体同士の共同調達、共同事業実施基盤として活用できるものになると考えています。
だからこそ今回、Build & Scrapの一部機能を全国の自治体向けに無償提供し、ひとつでも多くの自治体に利用してもらいたいと考えています。
『2040年問題』と自治体の共同調達について語る二人
-連携協定の締結によって展開される新サービス「Build & Scrap」と今後の財政課業務の展望について、お二人の考えを教えてください。
左上:分析機能、右上:差分比較機能、左下:クロス集計機能、右下:政策体系機能の各デモ画面
定野:今後、無償提供予定の新サービスやAI活用により、財政課業務の効率化をめざしていますが、私はその先にある”高度化”が重要だと考えています。
例えば、最近起こった道路の陥没事故のようなケースでは、どこにお金を使うべきかの判断を間違えているわけです。
避けられないインフラの老朽化に対し、優先順位を判断するための情報づくりが必要です。
これは命に関わる問題であり、「自治体は何のためにあるのか?」という根本的な問いにまでさかのぼることになるでしょう。
特に小規模自治体の財政破綻を防ぐ方策として、このようなツールは有効になると考えています。
目指すべき財政課業務の”高度化”について話す定野氏
吉本: 私も定野さんと同じ考えです。
めざすべきは”業務の高度化”であり、やはり着目したいのはAIの活用ですね。
例えば、ChatGPT o1を使ったBuild & Scrapのデータ分析では驚くほどの成果が出ており、特別交付税のAIマッチングの精度も非常に高いです。
未来の新しい自治体業務の姿がすでにそこにあると感じています。
当社には元財政課職員も多いのですが、そのうちの一人(財政課職員歴3年)のミスをAIが指摘したケースもあります。
定野: AIは既に3年目の財政課職員を超えているんですか。
吉本: しかし、AIはデータに基づいて判断を下しますが、自治体の予算や事業管理の情報は、これまで担当者の頭の中や紙の資料の中にあってデータ化されていませんでした。
定野: そうですね。付箋に手書きでメモするなどして保管することが多いですからね。
吉本:その点で、Build & Scrapはこれらの情報をAIが必要な形でデータ化することが可能なシステムとなっています。
実は、この財政・企画AIを賢くするためのデータマネジメント(予算編成データをどのように加工してAIに送るか、何をもって正解とし賢くしていくか)が何よりも重要ですし、逆に言うととても難しいんです。
今後さらにAI活用を進めることで、予算編成業務がより効率的に、そして、より"高度"になるだろうと、私は大きく期待しています。
AIの活用による新しい未来の自治体予算編成業務の姿を話す吉本
-最後に、全国の自治体職員の皆さまへメッセージをお願いします。
全国の自治体職員の皆さんに向けたメッセージを伝える二人
定野:私は、仕事を楽しむことが何よりも大切だと考えています。
自分のアイデアを実現し、自分の自治体や全国の自治体でより良い住民サービスが提供されることが最も公務員冥利に尽きると思うのですが、現状は業務に忙殺され、時間外労働が常態化しているのが実態です。
今後は、システムやAIの力を借りながら、人間の知恵を活かしてこの課題を乗り越えていくことが大切です。そして、その過程を苦労ではなく、楽しいと感じられるようになることが重要だと思います。
今回の協定やシステムの無償提供によって、少しでも自治体職員のみなさんがやりがいを持った仕事に打ち込めることにつながると嬉しいです。
吉本:もともと起業をしたきっかけに、前職で関わった行政職員の方々の存在があります。
私は新卒からずっと公共のコンサルタントとして、行政職員の方々と関わってきました。 行政のお客様に育てて頂いたようなものです。
みなさん、非常に優秀で真面目な方たちばかりでした。
しかし、日々膨大な業務を抱えており、疲弊している姿も目の当たりにしてきました。
170兆円もの予算は、文字通り日本経済そのものです。
つまり、公務員が日本を支えているとやはり僕は思います。
そんな重要な役割を担う方々の労働環境が厳しいままで、社会全体が良くなるはずがありません。
だからこそ、Build & Scrapを通じて全国の公務員のみなさんが生き生きと働ける環境をつくりたいと考えています。
ぜひ、ひとりでも多くの自治体や職員の方に我々の想いやプロダクトが届いてほしいと思います。
-お二人とも、ありがとうございました。
定野:横浜でビールを飲んだあの日から、ついにここまで来ましたね!
吉本:やっと、スタートラインに立てました。長かったですね….(笑)
定野:今後も全国の自治体の皆さまとともに、突き進んでいきましょう
撮影場所:WeWork メトロポリタンプラザビル 共用エリア
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今回のWiseVine社と財ラボの連携協定により、自治体財政のDXを推進していくことで、「新しい自治体財政」の未来に貢献していきたいと考えています。
今回の連携協定や新サービスの詳細を知りたい方は、プレスリリースをご覧ください。
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