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インターンがゼロから新規事業を作れるまで辞めれま10【完結編】

2020年1月から約半年に渡る新規事業インターンがほぼ終わりを迎えました。楽しいことも辛いことも色々あったので、節目として振り返ろうと思います(写真は移動販売車の運転に緊張する青木)。

スピードに乗った2ヶ月間

インターン初日に、高齢者向けの移動スーパー事業を立ち上げると知らされました。ただの移動スーパーではなく、クックパッドの膨大なレシピデータとアプリ開発力を生かして、ECを使えない高齢者にアプローチするという考えでした。

「新規事業を学生主導で出来る」ということに、プレッシャーよりもワクワクを感じていたのがこの2ヶ月間でした。3人の学生みんなが、絶対にこの新規事業を成功させたいと思っていました。

僕ら3人は社長である今田さんの尋常でない意思決定のスピードに触れながら、勢いに乗ってサービス設計をしていました。その結果、インターン開始から2週間でサービスの戦略とアプリの画面設計まで進みました。

とんとん拍子で進むのかと思いきや、思いがけない事態でトライアルはストップしました。そう、コロナです。

コロナを経て、いざトライアル

緊急事態制限が解除された6月末から2回に分けて移動スーパーのトライアルをすることになりました。

半年準備してきたトライアルの結果は、結論からいえば大失敗でした。移動販売で失敗した原因は「ユーザーや事業への解像度の低さ」だと考えています。具体的に失敗したことをあげると大きく2つあります。1つ目は課題解決したいユーザーと対話をしなかったことです。2つ目はトライアルのシミュレーションを怠ったことです。

ユーザーとの対話

1つ目に関しては、僕らはインターン当初から「スーパーまで歩くのを苦痛に感じている高齢者」をターゲットにしていました。初期のインタビューや他社の移動販売を見学した経験から、高齢者の中で最も買い物に課題を感じている人は、買い物に行き来することを不便に感じている人だと思ったからです。そこで2つの仮説を立てました。1つ目は、買い物の移動に苦痛を感じる高齢者が歩いて通える距離で移動販売を行えば、遠くのスーパよりも買いに来てくれるのではないか。2つ目は、移動販売時にタブレットの操作を説明すれば、高齢者でもECアプリを使うことができるのではないか。この2つの仮説を検証するためにトライアルを行いました。

大きな問題は高齢者のITリテラシーでした。買い物の行き来を不満に感じていると答えた人の多くは75歳以上で、スマホやパソコンを一度も使ったことがない人たちばかりでした。実際にトライアルを行うと、タブレットを渡して操作方法を伝えても、ほとんどの方は画面に触れようともしません。理由を聞くと、「自分に新しいテクノロジーを使いこなすことはできない」と決めつけているようでした。また、何とかタブレットを操作してもらっても、指で押す加減が分からないので、何回押しても反応しないことが多々ありました。結果的にタブレットを使いこなせる高齢者は1人もいませんでした。

なぜこの仮説を信じたままトライアルを行なったのでしょうか。それはトライアル前に小さな検証を怠ったからです。もしトライアルの前に、70歳以上の高齢者複数人にアプリを利用してもらっておけば、そもそも高齢者がアプリを全く触れないことや、ITへの抵抗感が非常に強いことに気づけました。しかし私がトライアル前にアプリを試してもらったのは60代で、スマホを日常的に使っている人でした。今回の課題解決したいユーザー像とはズレがあります。このズレが生じた理由は、課題解決したい高齢者の解像度が低かったからだと考えています。トライアルをする前に小さな検証を怠らなければ、課題解決したいユーザーの実態が見えたはずです。それを怠ってしまったので、課題解決するユーザー像に近い人よりも、トライアルを快く受けてくれそうな人に協力をお願いしてしまいました。

シミュレーション不足

2つ目に関しては、1番大きな失敗は場所の選定です。私は都内の住宅街を移動販売の実施場所に選びました。理由は3つあります。1つ目は今回のターゲットとなる高齢者の人口割合が高い地域であること。2つ目は大型スーパーが半径300mにないこと(半径300mは高齢者が徒歩で買い物に行けるギリギリの距離だと言われています)。3つ目は仕入れ先のスーパーから遠すぎない場所であることです。

実際のトライアルでは、全く人が来ませんでした。人通りが少ない場所でトライアルをしたので、近くで集客しようにもそもそも人がいません。人を呼ぶためにポスティングやチラシ配りをしたのですが、全く効果はありませんでした。おまけに、トライアルの実施場所から徒歩30秒のところにローソンストア100がありました。ローソンストア100は、生鮮食品や調味料などをお手頃な値段で揃えた移動販売の競合ど真ん中です。そのため移動販売には寄らずにローソンストア100で買い物する人が多くいました。

なぜこのような場所を選んでしまったのか。1つは下調べを怠ったからです。候補場所の人通りの多さや競合になり得るスーパーを確認するために下見をするべきでした。しかし、私はネットで調べた情報だけで候補場所を決めてしまいました。2つ目はトライアルの来客数に影響をあたえる数字を真剣に考えていなかったことです。自分たちは1日のトライアルで50人来ることを想定していました。50人を集める方法は2つあり、1つは前日までのポスティング、2つ目は当日の集客でした。前日のポスティングはインターン生2人で400枚配ったので、1%の人が来てくれることを想定すると4人来てくれます。すると残りの46人は当日の集客で補わなければいけないので、選定場所の人通りはとても重要になるはずです。しかし、私は下見をしていなかったので「何とかなるだろう」と考えたまま、当日のシミュレーションをせずに本番を迎えました。

これが、私が考える新規事業が失敗した理由です。

トライアルを終えて

朝8時から夕方17時まで汗をかきながら働いて、1日に食材を買ってくれた人は20人ほどでした。「お金をいただくってこんなに難しいのか」と住宅街でチラシを配りながら思いました。

「失敗するくらいならやらなければよかったのか」というと真逆です。やって良かったと心から思っています。なぜなら、傍観者ではなく当事者として事業を実行するやり甲斐・難しさを体感できたからです。もしも途中でトライアルをやめていたら、自分が作った机上の空論は壊されることなく、自分たちのアイデアに満足したままでした。

新しいことを始めるって難しい。お金を稼ぐことって難しい。誰かのためになるサービスを作ることって本当に難しい。機会をもらえたから、当事者が実行するときの難しさや自分の弱さを知りました。その機会を与えていただいた今田さん、協力いただいた事業部の杉山さん・和田さん・本多さん、開発でとてもお世話になった長田さん・若月さん、皆さん本当にありがとうございました。

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