さあ、今週から数回にわたり、水回りの現調についてお伝えします!
水回りの初回はトイレの現場調査についてです。
お客様がトイレのリフォームをする理由は様々です。掃除を楽にしたい、バリアフリーにしたい、新しいトイレを設置したい、空間の有効活用をしたい、などがよくあります。筆者の家もトイレのリフォームをしたことがあります。筆者宅の場合は田舎の古い家だったので、和式トイレが残っており、それを洋式にするためのリフォームでした。
では、以上のようなリフォームの要望を実現する良い施工をするために知っておきたい、トイレの現調のポイントを共有します。
ちなみに、前回は「【リフォーム現調シリーズ】第一弾:現場調査の心構えと道具の基本」についての記事を出しましたので、ぜひそちらもチェックしてみてください!
https://note.com/gencho_rt/n/nb927476a19de
排水の経路
トイレ自体の交換をする場合は特に、すでに設置されているトイレが床排水なのか、毛べ排水なのかを確認する必要があります。
便器の裏側を除いて排水管が見えない場合は床排水、見える場合は壁排水だと考えられます。詳細は品番から調べることができますので、そちらも調べておくとよいでしょう。
[品番の調査]
水圧や水量の調査
マンションの上層階にタンクレストイレを設置する場合や、戸建て住宅に節水トイレを設置する場合は、一定の水圧や水量が必要とされます。この調査を怠ると設置した後に水が流れない、汚物が詰まるなどの問題が発生しますので、注意しましょう。
室内で調査する場所
トイレの現場調査で必要なのはもちろん室内の現場調査も必要です。調査すべき箇所は①室内の寸法、②コンセントの位置、③壁材や天井材、④入口などです。詳しく見てみましょう。
①トイレ内の寸法
トイレの中で図るべき大まかな寸法は、室内の寸法、天井の高さ、便器の前後の距離、便器の中心から左右の距離などです。トイレットペーパーの位置や窓があれば、窓の幅・高さ・位置も調べておくと良いでしょう。
②コンセントの位置
コンセントの有無を調べるのはもちろん、アース付きかどうかも確認します。コンセントの位置によってはお客様の希望の場所に収納等を設置すると、コンセントの収納部材をカットしなければならなくなることがあります。
その場合はクレームを避けるためにも現場調査後、遅くとも実際の設置にとりかかる前に必ずその点を説明しておきましょう。
⑤壁材/床材/天井材
壁材や床材、天井材も調べておくと、リフォームの役に立ちます。
壁材はクロスなのか、タイルなのか、板張りなのかを見ておきましょう。できれば壁のカビについても見ておくと、同時にリフォームが可能になります。また、タワーマンションなどでは調湿タイル等を貼れない場合があるので、集合住宅の場合は確認しておく必要があります。
もしお客様が手すりを設置したいというご要望をお持ちの場合、下地を入れる工事も同時に実施できます。ただし、マンションの場合は躯体に穴を空けることはできないので、他の方法を考えなければなりません。
床材については、タイルか、クッションフロアかフローリングかを見ておきましょう。ついでに男性が用を足すときの立ち位置は床が弱っている場合があるので、状態の確認もしておきましょう。
天井はクロスか板張りか、それとも別の素材なのかの確認が必要です。
⑥その他
工事をする際にドアの高さ、ドアの開き具合、入口の段差を確認しておきましょう。段差を無くしたいという依頼の場合はその後の工事に大きく関わるので、とくに注意して現場の調査をすることが必要です。
また照明も既存のものを使うのか、新しくするのか、お客様と相談しながら現場の状態を確認しましょう。
ここまで現調で必要なことを文字ベースでお伝えしましたが分かりづらいところもあるとおもいますので、ぜひこの図を参考にしてみてください!
(株式会社リフォーム産業新聞社, 2021, 『リフォーム現場調査パーフェクト教本』: p24 より引用)
さいごに/お知らせ
今回はトイレの現調についてでした!
トイレの現調をよくする方がいらっしゃいましたら、「自分はここに気を付けています!」 などシェアしてもらえると、リフォーム業界全体の効率化が図れると思います。ぜひぜひ沢山情報をシェアしていきましょう!!
次回は洗面所の現調について紹介していきます。ぜひ参考にしてみてくださいね。
お知らせ
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