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これからどうなる?建設業界の労働環境

就職活動をする人にとって、進もうとする業界の労働環境を知ることは大切なことです。その選択がこれからの人生を決め得ることにも繋がり得るからです。
さて、建築業界は昔、結構人気のあった物でした。特にバブル期のゼネコンはまさに「夢を語る集団」にも見えました。実際、月面基地の建設を噂された企業もあった程なのです。
では、建設業界の今の労働環境はどうなのでしょうか。

建築業界の労働環境イメージ

建設業界の労働環境を語る上で至言とも言える表現が「3K」です。これは「きつい」「きたない」「危険」と言った非常に強烈な言葉なのではありますが、実際の建設現場を覗いてみますと、なるほどピッタリ来る表現だなと改めて思わされます。
例えばマンションの建設現場に行くと、重い資材を運んで高所に行く技能工の方々がいますし、深夜の国道などでは夜通し道路の工事の光景を目にすることもあります。更には夏場の炎天下の中での土木作業。…挙げて行けばキリがありません。
そして、この光景は昔から今まで変わっていないのでは無いか…とさえ思えます。確かに工作機械などの進化は認められますが、とにかく「腕っぷし」が物を言う仕事といったイメージは、昭和初期の白黒の写真の時代から変わらないのでは、とも思えます。


設計者の環境

それでは設計者はどうなのでしょうか。設計者は現場の技能工の人々とは確かに労働環境は異なります。パソコンを相手にする神経をすり減らす仕事かも知れませんが、エアコンの効いた部屋で可能な作業。悪く無い様にも思えます。
また、最近ではテレワークの浸透により職場に出なくても作業が可能となりました。CAD環境を移動させることは難しいかも知れませんが、積算などの作業は十分に可能です。
では、設計などの部隊の労働環境は本当に気楽なのでしょうか。
これは「否」と答えなければなりません。と言うのも、昔よりも精度の高い作業が要求され、高いストレス環境に追い込まれたからです。
昔の建築設計や積算は確かに精度やスピードが要求はされましたが、今ほどキツくはありませんでした。図面がFAXでやり取りされた時代は今ほどのスピードは要求されなかった様にも思えます。
しかし、CADが普及してインターネットを経由しての通信、そしてリアルタイムでの会議も可能となった遠隔地会議システム。これらは更に担当者を急がせてしまいました。つまり、現場を離れて後方支援にまわったとしても労働環境は良い物では無いのです。

建設業界働き方改革加速化プログラムについて

この様に、建設業界を取り巻く問題は非常に大きく、抜本的な改革が無い限り人離れの深刻化が懸念されていました。建設業界の人離れが加速化したら、それこそ業界そのものが崩壊してしまうリスクが大きくなるのです。黙って見られる事態では無いのです。
そこで出されたのが「建設業界働き方改革加速化プログラム」です。これは国土交通省が2018年に発表したプログラム。建設業界の労働環境を見かねて出されたものです。
この制度においては「長時間労働の是正」「給与・社会保険」「生産性向上」の3つの柱を掲げています。これにより、週休2日制、建設キャリアアップシステム、テクノロジーによる業務の効率化などが目標とされています。


今後の可能性

今後の可能性は、このプログラムの運用次第に掛かって来ることでしょう。と言うのも、国の目標として掲げても現場で通用するかが分からないからです。未だに現場ではコストと納期がシビアになっていて、判断が難しいからです。
しかし、テクノロジーの業務効率化が成功すれば業界そのものが変われるかも知れません。そして、その部分が期待されます。

まとめ

建設業界の労務環境について考えてみました。現時点の労務環境は厳しいのですが、今後の国土交通省主催のプログラムの進み方によって変わって来ると考えられます。
いずれにせよ、産業の維持のためには人材が絶対に必要です。国土交通省に期待を掛けたいと思います。

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