オンシナジーでは定期的に採用に関する最新動向やAI、HRサービスなどに関する勉強会を実施しています。
「社内勉強会レポート」シリーズでは、この社内勉強会で定期的に開催される最先端のナレッジ共有やディスカッションの様子をお届けします。
先日、オンシナジーの創業メンバーである田村さんによる、「AIネイティブな採用」に関する勉強会が開催されました。田村さんはオンシナジーの創業メンバーであり、企業の採用成功支援に携わりながら、自社の採用AIプロダクト開発を牽引しています。
今回の勉強会では、オンシナジーで開発しているAIプロダクトの紹介から、AI時代における採用の在り方についてディスカッションしました!
(↓今回参加いただいたメンバーです!)
登壇者・田村さんの経歴:採用支援とプロダクト開発の「二足のわらじ」
今回の登壇者でもあり創業メンバーでもある田村さんは、前職では転職エージェントとして6年間、キャリアアドバイザーやリクルーティングアドバイザーとして採用に向き合ってきた実績を持ちます。そんな中、当時の上司であった代表の亀田からの誘いを受け、「採用の仕組みそのものをAIを活用して変革していく挑戦にワクワクした」ことから、創業メンバーとしてジョインを決めました。
現在はHRコンサルタントとして東証プライム上場のITベンダーや上場を目指している急成長SaaS企業などの中途採用支援に携わっています。それと並行して、採用をより効果的・効率的に推進するための「自社AIプロダクト」の開発も手がけています。
田村さんは「自分自身が毎日現場で採用実務に携わっているからこそ、『ここが不便だな』『この集計作業、自動化できないかな』という痛みが誰よりもリアルに分かるんです」と語ります。机上の空論ではない、明日の採用現場が確実にラクになるツール開発の背景には、この徹底した現場目線があります。
開発のキッカケ:採用現場のリアルな課題と「感覚頼み」からの脱却
今回発表された採用AIプロダクトは、田村さんが日々の実務の中で感じていた、採用担当なら誰もが共感する構造的な課題から生まれました。多くの採用現場では、「なんとなくこのポジションは書類選考の通過率が悪そうだ」「一次面接の通過率は高そうだ」といった、担当者の「感覚」で活動が進みがちです。そのため、どこに本当のボトルネックがあるのかを、現場の面接官や経営陣に対して数字で論理的に説明できないもどかしさがありました。
さらに、データ集計にかかるタイムロスも大きな壁でした。 実務では『ハーモス(HRMOS)』などのATS(採用管理システム)をよく使っていますが、標準の分析機能だけでは『本当に見たい切り口の数字』がパッと出せない。プロとして根拠ある提案をするために、手動でデータをダウンロードして夜な夜な集計していましたが、これには膨大な時間がかかっていました。
また、コミュニケーション面でのストレスも開発を後押ししました。選考がストップしている現場の面接官に対して、採用担当者から「早く結果を返してください」と催促するのは気を使うものです。もし、システム側から自動で『この候補者が何日間対流しています』とアラートを出せれば、採用担当者が悪者にならずに済む『干渉材』になってくれるんじゃないかという現場ならではの気づきが、プロダクトの輪郭を作っていきました。
自社開発AIプロダクトの全貌と、目指す「AI駆動型」の未来
勉強会で盛り上がりを見せたのが、田村さんが実際に構築した2つのAIプロダクトのデモ実演でした。
1. 採用の健康状態を秒速で可視化する『ATSデータ分析AI』
Chromeの拡張機能とGoogle Apps Script(GAS)を活用し、ATSにログインするだけでローデータが自動的にスプレッドシートやExcelに格納される仕組みです。採用担当者によるコピペ作業は一切不要。デモでは、2025年10月1日から2026年3月11日までの応募数2,860件、内定数50件、承諾数46件といった全体のプロセスが瞬時に可視化されました。求人ごとの選考通過率はもちろん、「7日以上選考が止まっている候補者が9件あります」といった滞留アラートを自動で弾き出し、毎日自動でSlackへデイリーレポートとして通知されます。
2. 選考コストを劇的に削減する『書類選考AI』
新着応募を検知するとAIが自動で候補者の履歴書や職務経歴書のPDFファイルをGoogle ドライブへ格納。そのデータをジェミニ(Gemini)が読み込み、募集要件と照らし合わせて「評価点」「懸念点」「面接で質問すべきこと」を一瞬で構造化してSlackに通知します。人間がやろうとすると平均して1人あたり1〜3分かかる作業。200件あれば16時間以上かかる書類選考の時間コストを大幅に削減。AIがA・B・Cの3段階で評価するため、C評価のミスマッチを弾き、A評価の優秀層は書類選考をパスして即面接へ通す運用が可能になります。
目指す「レベル4」の世界
勉強会の最後に田村さんは「AI活用の4段階レベル」を提示しました。世の中の多くがスカウト文作成などの「レベル1〜2」に留まる中、オンシナジーが作っているのは、裏側でAIが勝手に作業を進めて人間に報告する「レベル3(オペレーション全般の仕組み化)」です。
そして、その先に見据えるのが「レベル4(AI前提の組織・AI駆動型)」の世界です。将来は、Slackのプロジェクトチャンネルに『AI PMO(採用アシスタント)』が1人のメンバーとして常駐する世界を作ります。オンシナジーが持つ採用の暗黙知やノウハウをすべて学習させ、プロジェクト初期にどんなリスクを潰すべきかをAIが自発的にアドバイスしてくれるサポート体制を実装していきます。
外部SaaSが踏み込めない領域に挑む、AI時代の採用成功支援の価値
世の中に多くの採用系AIツールが出始める中、なぜオンシナジーは自社での環境構築(インプリ)にこだわるのか。田村さんはその理由を、市場のリアルなセキュリティ事情から解説しました。
『書類選考AI』や『ATSデータ分析AI』の領域は、個人情報の入った本番環境の生データを扱います。セキュリティに厳しいクライアント企業の場合、外部のSaaSに個人情報データを移行させることに懸念をもつケースが多いのが実態です。実際、田村さんが支援する大手企業でも「スプレッドシートへのデータ移行はNG、ExcelならOK」という規律があり、現在はExcel版へのカスタマイズを進めています。
つまり、画一的なパッケージであるSaaSでは対応しきれない「クライアント固有のセキュリティ環境へのチューニング」にこそ、独自のニーズがあるのです。採用の専門知識とAIの実装力(AX)を掛け合わせてクライアントの課題解決支援・変革支援ができるのは、他社では真似できないオンシナジーの大きな強みになっています。
定期的なオペレーションやデータの集計・レポート作成といった繰り返し作業は、すべてAIに任せることで、その分、人間は『候補者の深い理解』や『クライアントとの信頼関係構築』など、最も熱量が求められる本質的なコミュニケーションに時間を100%割くことができるようになります。
だからこそ、私たちがこれから一緒に働きたいのは、AIを恐れる人ではなく、『AIを使うのが楽しくてしょうがない!』と思えるような、圧倒的な好奇心を持った方です。人事が自らClaude Codeなどを使いこなし、深夜まで夢中でAIをハックするようなカルチャーを、一緒に作っていきたいですね!
少人数だからこそ濃い、アットホームな勉強会の舞台裏と今後の展望
オンシナジーの勉強会は少人数制で実施しております。大人数のセミナー形式だとどうしても一方通行になりがちですが、今回もオンシナジープロフェッショナルコミュニティの参加メンバーから、「クライアントへのセキュリティ説明はどうクリアしたのか」「他のATSでも対応できるのか」といった、実務に直結するディープな質問が次々と飛び交う、インタラクティブな勉強会となりました。
オンシナジーでは、今後も最先端のノウハウを共有し合いながら、採用の専門知見とAIの力で企業の採用成功の実現を支援してきます!