今回は、現在4年生で「就活を無双してきた」弊社のインターン生である渡部の記事を掲載致します。
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このタイトルを見て、
「投資銀行とテレアポ、さすがに関係なくない?」
と思った方。
正常です。
ちなみに私は、証券会社の採用担当でもなければ、テレアポをすれば投資銀行に入れるという必勝法を売りつけようとしているわけでもありません。
ただ、投資銀行やグローバルマーケッツ、戦略コンサル、総合商社などを本気で目指している学生にこそ、一度は営業を経験してほしいと思っています。
なぜなら、トップティア企業を目指すなら、最初に売るべき商品は「自分自身」だからです。
◆私も営業を第一志望にしていたわけではない
正直に言います。
私は、もともと営業マンになりたくて長期インターンを探していたわけではありません。
長期インターンではファンド、コンサル、VCを受けていました。就職活動でも、投資銀行部門、グローバルマーケッツ、戦略コンサル、総合商社などを見ていました。
こうして並べると、就活を頑張っている学生が一度は検索しそうな企業や業界を、かなり素直に検索していたことが分かります。
一方で、「テレアポ営業」と聞くと、どうでしょうか。
電話をかけるだけ。
断られ続ける仕事。
だせえ。
特別な専門性も身につかなそう。
ガクチカにするなら、ファンドやコンサルの方が格好いい。
そんな印象を持つ人も多いと思います。
私も、始める前からテレアポに強い憧れを持っていたわけではありません。
それでも営業インターンを選んだのは、成果から逃げられない環境に身を置きたかったからです。
アポを取ったのか。
取っていないのか。
売上に貢献したのか。
していないのか。
営業では、学生だから、未経験だから、頭では理解しているから、という言い訳がほとんど通用しません。
結果が数字で出ます。
そして私は、この数字から逃げられない環境こそ、就活を始める前に経験する価値があると思いました。
◆テレアポを舐めている人へ
私は、1日250件の架電を自分に課していました。
こう書くと、「根性論かよ」と思うかもしれません。
その通りです。
かなり根性論です。
ただ、テレアポなんて簡単だと思っている方には、ぜひそのままの気持ちで来てほしいと思っています。
結果を出して、営業なんて大したことなかったと証明して、パパッと辞めればいい。
おそらく、思っているほど簡単には終わりません。
同じ会社の商品を、同じリストに、同じスクリプトで案内しているのに、アポを取れる人と取れない人がいます。
知識量だけでは説明できません。
声の出し方。
相手の反応を聞く力。
一言目の間。
質問されたときの切り返し。
今この人に時間を使う価値があると思ってもらえるか。
テレアポを続ける中で、私は営業に対する認識が変わりました。
営業は、商品を売るだけの仕事ではありません。
営業とは、自分自身を買ってもらう仕事です。
相手が買っているのは、商品の説明だけではありません。
「この人の話なら、あと30分聞いてもいい」
「この人が紹介する会社なら、一度会ってもいい」
という信用を買っているのだと思います。
◆「今日の自分は赤字ではないか」
何十回、何百回と冷たく断られても、私は受話器を置きませんでした。
正直、営業を辞めたいと思ったことはほとんどありません。
結果を出していたからです。
ただし、最初から余裕があったわけではありません。
私が常に考えていたのは、1アポの価値でした。
1件のアポイントが会社にどれくらいの売上をもたらすのか。
自分の時給はいくらなのか。
会社は私を働かせるために、どれくらいのコストを負担しているのか。
それらを計算すると、結果を出せなかった日に、
「今日の自分は、組織にぶら下がっているだけの赤字社員ではないか」
という危機感が生まれました。
少し言い方が強いかもしれません。
もちろん、毎日必ず成果が出る仕事ではありませんし、結果が出なかった人に価値がないという話でもありません。
ただ、学生であっても、給料を受け取っている以上は会社に価値を返したい。
その意識を持つようになったことは、私にとって大きな変化でした。
サラリーマンとして働くうえで最も重要なものは、資格や知識だけではないと思います。
「これは自分の仕事だ」と思える当事者意識です。
営業では、それを毎日、数字によって突きつけられます。
◆「大丈夫すか、それで」
もう一つ、私が架電を止めなかった理由があります。
単純に、他の人に負けたくなかったからです。
社内では、ホワイトボードにアポイント数のランキングが書き出されていました。
自分よりアポを取っている後輩から、
「大丈夫すか、それで」
とプレッシャーをかけられたことも、一度や二度ではありません。
もちろん、仲間内のコミュニケーションです。
ただ、先輩としては普通に悔しい。
「そうだね、今日は調子が悪かったね」と笑って帰れるほど、人間ができているわけでもありませんでした。
だから、もう一本電話をかける。
それでも取れなければ、もう一本かける。
地道さというと、何も感じずに淡々と努力できる人を想像するかもしれません。
私は違います。
悔しい。
負けたくない。
赤字社員になりたくない。
そうした決してきれいではない感情を、行動量に変えていただけです。
しかし、仕事においては、動機が格好いいかよりも、結果が出るまで行動を続けられるかの方が重要だと思っています。
◆TOYOTA、Apple、では丸紅は?
TOYOTAと聞いたら、ランドクルーザーやプリウスを思い浮かべる人がいるでしょう。
Appleと聞いたら、iPhoneやMacBookを思い浮かべるはずです。
では、丸紅と聞いたら何を思い浮かべるでしょうか。
食料、電力、金属、化学品。
実際には、総合商社は非常に幅広い商材と事業を扱っています。
しかし、自社を代表する一つの完成品だけで勝負している会社ではありません。
同じ商品や案件を扱える企業が複数ある中で、
「この会社に任せたい」
「この人と一緒に事業を動かしたい」
と思ってもらう必要があります。
だからこそ、そこで働く人自身が、一つの商材になります。
これは総合商社だけではありません。
投資銀行も、金融商品という完成品を店頭で売る仕事ではありません。
企業の資金調達やM&Aという重要な意思決定を、「このチームなら任せられる」と思ってもらう仕事です。
コンサルも、完成した戦略を棚から取り出して販売するわけではありません。
専門性、思考力、実行力、そして目の前の人への信用を組み合わせて、価値を提供します。
グローバルマーケッツでも、知識や情報を持っているだけでは十分ではありません。
最終的には、顧客に自分を選んでもらわなければならない。
つまり、私が目指していた業界は、どれも営業と無関係ではありませんでした。
むしろ、無形商材やコモディティを扱う業界ほど、「誰が提供するか」の重要性は高くなります。
◆営業が就活に役立つ理由
営業インターンで得たものを、「コミュニケーション能力」という便利な言葉だけで片付けるつもりはありません。
私が就活に役立っていると感じるのは、大きく四つあります。
一つ目は、人と話すことへの抵抗がなくなることです。
初対面の経営者や担当者と話し、短い時間で相手の関心を見極める経験は、面接でもそのまま生きます。
二つ目は、成果を数字で説明できることです。
「頑張りました」ではなく、何件架電し、何件のアポイントを取り、どのように受注につなげたのかを説明できます。
三つ目は、当事者意識です。
会社から仕事を与えられるのを待つのではなく、自分の人件費以上の価値をどう生み出すかを考える習慣がつきました。
四つ目は、自分の激務耐性を確認できることです。
何度断られても、成果が出るまで行動を続けられるのか。
競争環境の中で、数字と向き合い続けられるのか。
投資銀行や商社、コンサルなどの厳しい環境を志望するなら、選考前に自分の耐性を確認しておく意味はあると思います。
そして私は、個人で数字を出すだけでなく、採用や教育にも携わりました。
Wantedlyの記事を作り、ルールブックを整え、営業スクリプトを作る。
新人が結果を出し、定着できる仕組みを一つずつ整備していきました。
チームの売上が500万円から1,000万円を超えていく過程で、個人の成果を組織の再現性に変える経験もできました。
これは、電話をかけるだけでは得られない経験でした。
◆投資銀行に行きたいなら、テレアポしろ
ここまで読んでくださった方なら、私が投資銀行に入るための裏技を紹介しているわけではないと分かっていただけたと思います。
テレアポを経験すれば、投資銀行や総合商社に合格できる。
そんな単純な話ではありません。
ただ、どれだけ専門性の高い仕事を目指していても、最後にその専門性を買ってもらうのは自分自身です。
専門性を身につける。
結果を出す。
相手の立場を理解する。
そして、「この人に任せたい」と思ってもらう。
野球選手が実力を磨き、自分の価値をプレーで証明するように、ビジネスパーソンも、自分の能力と信用を市場に提示し続けなければなりません。
だから私は、投資銀行やグローバルマーケッツ、総合商社、戦略コンサルなどを本気で目指している学生にこそ、営業を勧めます。
今、営業を少し舐めている人も、そのままで構いません。
ぜひ、そのまま挑戦してください。
圧倒的に結果を出して、
「テレアポなんて簡単だった」
と言って、パパッと卒業してみてください。
ただ、その頃にはおそらく、営業に対する見え方も、就活に対する見え方も、少し変わっていると思います。
トップティア企業を目指すなら、最初に売るべき商品は自分自身です。
その練習を、これほど毎日できる仕事は、営業以外にあまりないのではないでしょうか。